介護は誰もが訪れるもの。介護には終わりが見えません。覚悟は決めていても、いざ介護が始まると、介護に加え、家事や仕事の両立など疲れが次第に溜まってきます。つい「自分が頑張らなくちゃ!」と無理をしてしまうことも多いです。この記事では、介護疲れの原因、介護の限界を迎える前にできる対策についてご紹介していきます。介護疲れに悩んでいる方は参考にしてみてください!

目次

介護疲れとは?

介護を行うことで、肉体的・精神的に負担がかかり、疲れが生じることをさします。高齢化社会で介護が必要となる方が多くなるのにつれて、介護をする側が少なくなってきています。

周りの協力を得ることができれば、分担しながら介護をしていくことができるので、負担も減らすことができるでしょう。しかし頼る相手がいない、協力してくれる人もいない場合は、自分が介護をしていかなければと頑張りすぎてしまう傾向にあります。

うまくストレスを発散する術が見つからず、限界を超えてしまうケースも少なくありません。その結果、介護うつや事件が起きてしまうことも考えられるのです。

介護疲れの原因

介護をしていくことで疲れが溜まって、辛い思いをしている方もいるでしょう。まずは、どのようなことが原因で介護疲れが起こってしまうのかをご紹介していきます。

介護疲れの原因①身体的負担

身体的負担がかかっているために、疲れがなかなか取れないといった状況になります。さまざまな場面で介護が必要となり、着替えや移動、食事、お風呂など介護する側に身体的負担がかかってしまいます。

通常ならぐっすり睡眠をとることで疲れも少しずつとれていきますが、夜間の介護も必要な場合があり、十分な睡眠がとれないことから体が鉛のように重くなり、疲れが蓄積してしまうのです。

介護疲れの原因②精神的負担

介護をするにあたって、精神的な負担も大きくなります。周りが協力的ではない人ばかりで頼りにならない、協力は皆無なのに口だけは出してくるといった場合もあるでしょう。

実際に介護をしてみないとわからないことも多いのに、あたかも簡単なことのように、あれこれ指図されてはストレスも溜まります。自分なりに頑張って介護をしているのに認められないという悔しさと悲しさで精神的にもダメージを受けてしまうのです。

介護疲れの原因③経済的負担

介護を行うことで経済的負担も増えてきます。月々1~3万円かかる以外にもおむつ代も必要となります。また病気を抱えている場合は医療費も発生するなど金銭面での負担が出てくるのです。

さらに、介護と仕事の両立が難しくなったり、介護に専念することで仕事を辞めなくてはいけない状況になることもあるでしょう。そのような面で経済的にも打撃を負うことにもなってしまいます。

介護疲れで限界がくるとどうなる?

介護は突然自分の身に降りかかり、終わりが見えないものです。次第に疲れが溜まって取れないことで、限界がきてしまう場合もあります。限界がくるとどうなるのかを見ていきましょう。

介護うつになる

限界がくると介護うつになる可能性があります。自覚症状がない状態で気づいたら悪化しているといった場合もあるので、注意が必要です。どのような症状があるのかを知って、早く見つけることが大切になってきます。

介護うつの主な症状としては、食欲不振睡眠障害があります。食べたい気持ちはあるのに食が進まない、食べ物がのどに通っていかないことで体力が次第に落ちてしまうのです。

また、疲れているから寝たいのに眠れない、ぐっすり眠ることができずに夜中に何回も起きてしまい熟睡ができないといった症状が現れます。

それ以外にも、疲労感から体のだるさや頭痛・肩こりになったり、原因もないのに焦りや不安から気持ちが落ち着かない状態になることもあります。こういった症状は介護うつのサインと言われているので、2週間以上続くようなら、対策を考える必要があるでしょう。

介護殺人など事件に発展

介護疲れから殺人など事件に発展することも考えられます。介護をするにあたって協力を得られれば負担も少なくなりますが、一人で抱え込むことによりストレスが溜まってしまい、限界がきて最悪の結末となってしまうこともあるのです。

経済的にもお金が足りなくて生活していくのも厳しい、でも介護は頼る人がいないから一人で続けていかなくてはいけないという状況で精神的にも異常が出てしまうこともあるでしょう。

介護疲れの対策

「介護に疲れてきているかな?」と感じた時には、限界がきて介護うつを発症する前に対策をしておくことが大切です。まだ頑張れるからと一人で無理をしないで早めに対策をとっておきましょう。

対策①1人で悩まず相談する

介護をしていくうえで、悩み事はつきものです。相談相手がいないと自分1人で抱え込んでしまい、悩んで精神的にも負担がかかってしまいます。介護疲れの対策として、1人で悩まず相談することが大切です。

どんな小さな悩みでも大きくならないうちに、家族や友人など信頼できる相手に相談しましょう。第三者に悩みを聞いてもらうだけでも、心が楽になれます。客観的に見てアドバイスをしてもらうことで、悩みを解消することもできるはずです。

対策②癒しを見つける

介護疲れでストレスが溜まってしまい、イライラしたり落ち込んだりすることも多くなってくるでしょう。そんな中でも、癒しとなることを見つけてみてください。心がリラックスできる状態を作ることで、日々蓄積されたストレスも和らいでいきます。

本を読むことが好きなら読書をする、音楽を聴く、お風呂にゆったり浸かってみる、好きなテレビ番組を見るなど、自分がリラックスできることなら何でも良いです。ストレスをその都度発散できるように、リラックスできる時間を意識して作ってみてください。

対策③ケアプランを見直す

現在必要である介護とケアプランが合っていない可能性があります。状況は日々変わっていくため、ケアマネージャーなどに話を通して、ケアプランの見直しを行うことで、負担が軽減されることも考えれるでしょう。

対策④頑張りすぎない

周りが非協力的だと自分1人で頑張ってしまうことも多いです。どんなに一生懸命介護をしても、その頑張りが認められることはなかなかないのではないでしょうか。

家族だから介護をするのは当然と思われてしまい、報われない悲しさがストレスとなり、次第に蓄積されていきます。ストレスから病気にならないようにするためにも、頑張りすぎないことが大切です。

1人で介護のほとんどを行うのは疲れも溜まります。平等になるように分担の割合を検討するなど対策していきましょう。

対策⑤体力づくりをする

介護には着替えや移動、食事やお風呂などやらなければいけないことが山ほどあり、体力が必要です。身体的負担が大きすぎると、疲れを取ることができなくなり睡眠もままならなくなってしまいます。

介護疲れの対策として、体力づくりをすることです。ここでいう体力づくりは疲れにくい身体を作ることを意味しています。まずは食事と睡眠を見直していく必要があります。1日3食バランスの良い食事を心がけることが大切です。

また睡眠も体の疲れを取るために必要不可欠で、パワーが不足するとやる気も起きてこなくなってしまい、疲労回復にも良くない影響を与えてしまいます。規則正しい生活を送ることで、自律神経を整えることができ、身体的・精神的にも良い結果となるのです。

対策⑥プロに相談する

介護疲れを対策するには、担当のケアマネージャーなどプロに相談することです。介護が必要な方と家族の生活がどのようになっているかを見て、現状に合った介護サービスの利用を提案してくれます。

担当のケアマネージャーがいなければ、地域包括支援センターに相談することもできます。介護だけではなく、医療や福祉など全般的に相談に乗ってくれる機関なので、このようなプロに相談することで、介護の負担を減らすことができる場合もあるでしょう。

介護疲れの限界が来る前に対策をとろう!

介護疲れは身体的にも精神的にも負担となることが多く、疲れているのに眠れなかったり、食べたいのに食べることができなかったりなど不調が出てきます。また、疲れが蓄積されて限界が来たら、介護うつになってしまったり、事件に発展したりする場合もあります。

そうなる前に不調を早期発見し、対策をしていくことが大切です。疲れにくい身体づくりをしたり、ストレスを溜めないようにリラックスできる時間を作るなどすることで、疲れも和らいでいくはずです。1人で頑張りすぎずに専門機関を頼ることも必要だと言えます。介護疲れの限界が来る前に対策をとりましょう!

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