介護、もしくはケースワーカー関係の仕事に興味のある方であれば、相談援助という職業も聞いた事があるでしょう。利用者やそのご家族をサービスと結びつけるための、橋渡しという役割を担う職種です。今回は、そんな相談援助職の仕事内容や、介護職との違いなどを解説します。

目次

相談援助職はどんな仕事?

まず相談援助職というのは、生活上の悩み、問題などを抱えている方からの相談を受け付け、それらの問題解決のためにサポートを行う役職の事です。ソーシャルワーカー、ケースワーカーなど、呼び方も様々ありますが、内容は変わりません。

携わる分野によって、前述したようにソーシャルワーカーなどと呼ばれる事もあります。介護、障碍者の支援、児童福祉など、人の助けとなる現場であれば非常に幅広い分野で活躍する事となります。

相談援助系の仕事の勤務先と業務内容

相談援助職とはどんな仕事なのかについて、簡単にですがその概要を解説しました。上記の通り、相談援助職と言っても仕事内容によって呼ばれ方も異なりますし、その分仕事場所も内容も様々あります。

職場と仕事内容①福祉施設・職場と事業所

まず1つ目は、福祉関連の各種施設になります。大きなくくりで述べたように様々な場所が勤務場所となり、仕事内容の幅も異なっていて、例えば高齢者福祉施設、障害者支援施設で働く生活相談員や生活支援員があり、入退所の手続き、サービス計画立案等を行います。

2つ目は、介護支援専門員です。ケアマネジャーと呼ばれる事もあり、高齢者施設や居宅サービス事業所で介護支援計画を作成、連絡調整を行うのが主な仕事内容になります。

職場と仕事内容②行政

2つ目は、行政関連の仕事です。こちらは各都道府県の地域に設置される福祉事務所に勤務し、社会福祉主事という立場で職務に就きます。この場合には、ケースワーカーとして福祉事務所を訪れる方の相談を受け付け、その解決策を提案したり、またハローワークで職業紹介等も行います。

もう1つ、スーパーバイザーという職業もあります。生活保護の需給等のために訪問をするケースワーカーに対し、指導や助言を行う立場になります。福祉事務所では、7人のケースワーカーに対して1人のスーパーバイザーを配置する義務が設けられています。

また、老人福祉に関して情報提供を行う老人福祉士指導主事や、母子家庭の生活に対して助言を行う母子自立支援員として働く事もあります。取得している資格や条件により、家庭児童福祉主事、知的障碍者福祉司などの職種にも就きます。

職場と仕事内容③社会福祉協議会

3つ目は、社会福祉協議会の職員です。肩書は福祉活動専門員、ボランティアコーディネーター、地域福祉活動コーディネーターとなり、住民の共通生活課題、福祉課題に取り組み、解決に導く専門職員となります。

在宅福祉サービスの介護職員になる事もあります。在宅の高齢者や障碍者宅を訪問し、直接のホームヘルプサービスを行います。昼間に在宅の高齢者などを受け入れ、レク等を行うデイサービス、在宅で医療が必要な方を訪れて看護を行う訪問看護ステーションなどに就きます。

そのほか、経理や事務といった直接サービス提供に関係しない事務職にも就く事があります。これらも社会福祉協議会の運営上、不可欠となる職種になります。

職場と仕事内容④医療機関

もう1つ、医療機関で働く事もあります。医療機関に勤務する場合には、医療ソーシャルワーカー、MSWと呼ばれる事もあり、患者やそのご家族の抱える悩みや問題を聞き入れ、または見つけ出し、解決のために医療、県警機関との連携をするのが主な仕事になります。

もっと具体的な仕事内容で言うと、医療機関で療養中の患者、その家族の心理的、社会的問題の解決や調整援助、退院援助や退院後の生活支援、医療費や生活費など、機材的な問題に関する解決や援助を行います。

怪我をしたり、病気になれば当然ながら病院に世話になることになりますが、その後のことに関して誰に相談すればよいか分からないとなった時、情報提供や援助をするのです。高齢化社会に伴って、そのニーズも極めて高くなっていると言われています。

相談援助系の仕事と介護職との違い

この様に、相談援助系とひとくくりにはされているものの、実際の仕事現場、およびその中で執り行う仕事の内容は多岐にわたります。福祉に関する仕事も多い事が分かりましたが、では介護職とはどう違うのでしょうか?

介護職との違い①資格

まず1つ目に違うのは、取得が必要な資格の違いです。介護に関連する職種としては、ケアマネージャー、介護福祉士、社会福祉士がありますが、この内相談援助系の業務を行うのは、ケアマネージャーと社会福祉士です。

介護職に該当する介護福祉士、そして社会福祉士は、国家資格が必要な職務になります。一方、ケアマネージャーは公的資格であり国家資格ではなく、資格の更新が必要です。また、精神科の病院で勤務をする場合には、精神保健福祉士の資格取得が必要です。

介護職との違い②役割

2つ目は、役割の違いです。介護福祉士、つまり介護職の方が行うのは、身体介護や生活援助など、現場で高齢者や障碍者等支援が必要な方に対して、食事、入浴などの直接的な生活支援を行います。

これに対して、相談援助系の役職、つまりケアマネージャーや社会福祉士は、支援が必要な方を介護職のサービスを提供する側と結び付けたり、支援が必要な方のご家族の悩み、相談、要望に応えるのが役割になります。

介護職は、直接的な部分でのサポートの他、日々の変化を報告したり、上級職になれば職員のメンタルケアなども行います。一方、相談援助は家族や利用者と施設とを結び合わせる橋渡しのような立場になります。

相談援助職系の仕事に就くには?

介護職ともよく混同されることの多い相談援助系の職ですが、その実明確に役割は異なっています。ソーシャルワーカーやケースワーカーに興味のある方や目指している方も多いでしょうが、実際にこれらの仕事に就くにあたっては、資格など必要なものもあります。

相談援助系の仕事に向いている人

まず、この相談援助系の仕事に向いている人についてですが、とにかく人の役に立ちたい、助けたいと思える人が該当します。仕事内容の中でも解説した通り、主な仕事は困っている人の悩みや相談を聞き、それを解決に導くことです。

経済的、または精神的なものなど、様々な家庭、個人の悩みを聞く立場になる以上、コミュニケーション能力も必要です。利用者だけではなく、介護施設や医療現場スタッフなど、様々な立場の人との連携も必要になりますので、これら人との対面での能力がある人が適しています。

相談援助系の仕事の就職状況

続いて就職状況ですが、介護保険の要とされるケアマネージャーは、これまでと変わらず求人が多く人手を必要としているようです。社会福祉士は、老人ホームやデイサービス施設が多くなる分、こちらも求人が多い傾向にあります。

少し専門的な分野になりますが、精神保健福祉士の場合には当然ながら精神科病院、医療機関からの求人が多いです。ただし、病院の場合にはソーシャルワーカーとして募集をしていますが、実際には事務仕事が中心の場合があります。

その他、臨床心理士もあり、これは人気の高い資格ではありますが、その分難易度も高い状況です。常勤採用が少なく、公募も少ないので職に就けるかどうかの難易度は高いでしょう。

無資格でも生活相談員になれる条件

社会福祉士などになる場合には、社会福祉主事の任用資格などを得る必要があります。生活相談員になる為の条件というのは、自治他によって異なってはいるものの、実務経験の身を条件にして募集している場合、無資格でもなれる場合があるとされています。

ただし、全ての自治体が実務経験のみを条件にしている訳ではなく、実際に、北海道の札幌市においては介護福祉士等の資格が必要です。介護保険関連の施設では、質の向上のために資格要件を満たしている人員の配置が求められているからです。

ソーシャルワーカーになる

最も現実的な案としては、ソーシャルワーカーとして従事する方法があります。広義においては社会福祉事業全般に関係する職種であり、その中に相談援助系の仕事が含まれています。

一般的にソーシャルワーカーというのは、社会福祉士の資格を取得していて、関連業務に携わっている人の事を指します。福祉系の4年制大学で所定の課程を修了する、実務を1~2年経験するなど資格取得にも条件があり、それらを満たしたのちに試験に合格すれば、晴れてソーシャルワーカーを名乗れます。

年齢制限はないのでいつからでも挑戦できる!

基本的に、相談援助系の仕事に就くためには年齢制限などは設けられておらず、資格取得も同様に何時からでも取得可能です。興味があるのであれば、ぜひ挑戦してみてください。

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