高齢の親や祖父母が昔より文句ばかり言うようになったと感じたり、スーパーや駅など公共の場でも文句を言う老人に出会うことは、近年多いのではないでしょうか。以前は若い人の方が文句が多い印象がありましたが文句ばかり言う老人は多く、その症状は認知症かもしれないのです。ここでは文句を言われた時の対処法も併せてご紹介してまいります。

目次

文句ばかり言う老人は多い

文句を言われる方はたまったもんじゃないという気持ちですが、文句ばかり言う老人は多く、対処に困る方も多いのではないでしょうか。家族であっても会うなり文句を言われたり、同居していて文句ばかり言われたら、やはりしんどいものです。文句ばかり言う老人について、なぜ文句を言うのかを理解していきましょう。

老人はどんなことで文句を言うのか

まず、老人はどんなことで文句を言うのでしょうか。年を取ると、人や物の名前であったり次にしようと思っていたことなども忘れやすくなり、分かっているのに先に言われてしまったり指摘されてしまうことで文句を言う方もおられます。

また、仕事が管理職などでバリバリしていた人はその頃のプライドのままで、上から目線で若い方に文句を言うこともあります。自分が必要とされていないと感じたり、相手をしてくれないなどの不満、孤独感から家族に当たってしまうことも多いです。

文句ばかり言う老人は病気かもしれない?

昔から文句が多い人であれば、年を取ってさらに厄介になったなという印象かもしれませんが、穏やかだった人が文句を言うようになると、違和感を覚えるかもしれません。

毎日一緒にいると気づきにくいかもしれませんが、文句ばかり言うということは認知症の症状かもしれないのです。親や祖父母、関わりのある年配の方で文句が多い方がいたら、ぜひチェックしてみてください。

認知症の初期症状

認知症の初期症状には、物忘れが増えて物をなくしたり、同じことを何度も聞いたり家事や料理ができなくなるなど理解力や判断力の低下などがみられ、認知能力の低下はよく知られる症状と言えます。知らない方も多い症状の1つに、人柄が変わってしまうという点があります

穏やかで優しかった人が暴言を吐く、文句ばかりを言う、大声で怒鳴るなど、攻撃的になるのも認知症の初期症状です。文句以外にもいくつか当てはまるという場合は、認知症を疑った方が良いでしょう。

認知症による老人が文句ばかり言う原因

認知症の老人が文句ばかり言うのには、原因があります。原因は複数絡み合っていることもあるため、特定するのが難しい場合もあります。原因を知れば、文句を言われる方は自分を責めずに済むはずです。

原因①BPSDによるもの

原因1つ目は、BPSDによるものです。BPSDとは、Behavioral and psychological symptoms of dementiaを略したもので、日本語にすると認知症の行動・心理症状という意味になります。認知症は脳の細胞が壊れたことで発症し、その細胞が行っていた役割を失うことで起こる症状を中核症状と呼びます。

中核症状の具体的な症状は言葉が出てこない、最近のことを思い出せない、近所でも道が分からなくなり迷子になる、食事をしたのを忘れる、服が着れない、家族が分からないなど、様々な症状があります。

BPSDは中核症状によって二次的に引き起こされる症状で、体の不調や不安、ストレスが溜まる環境などが原因で怒りっぽくなったりもします。他にも徘徊する、暴力を振るう、やる気が起きなくなるなど様々な行動がBPSDの症状として出ることがあります。

原因②認知機能の低下による苛立ち

認知機能の低下による苛立ちから、文句が多くなることもあります。認知症になると判断力や理解力が低下してしまい、人から言われたことも理解しにくくなる、言葉が出てこないなど、日々の生活にも影響を及ぼします。日常的なことでもできない場面が増え、苛立ちを感じて文句が増えてしまう場合もあります。

原因③被害妄想によるもの

認知症の初期症状には、被害妄想の症状も上げられます。食事をしたのにも関わらず食事を取っていない、自分だけ食事を用意されていないという被害妄想をして文句を言ったり、お財布や鍵など自分でどこに置いたかを忘れてしまったものも誰かに盗まれたと思い込み、文句を言ったりすることがあります。

原因④認知症の薬の影響

最後は認知症の薬の影響です。認知症の薬は、日本で認可が下りている薬には認知症の進行を止めたり治す薬はなく、まだ生きている神経細胞を活性化させられる薬で、現状維持のためであったり進行を遅らせる目的で使われます。薬の影響で攻撃性が強くなることがあるので、症状が出た場合は医師や薬剤師に相談してみましょう。

文句ばかり言う老人への対処法

文句ばかり言う老人への対処法で良くないのは、対抗してしまうことです。文句だけでなく暴力も加わってしまうときは、どうしても防衛本能からやってしまいがちですが、対抗しても解決はできません。ぜひ対処法を身につけて、冷静に対応していきましょう。

対処法①褒めたり感謝を伝える

対処法1つ目は、褒めたり感謝を伝えることです。認知症の方は焦りや孤独感、不安感など負の感情が強い状態に陥る事が多いので、話をする際に褒めたり感謝を伝えると正の感情が残るようになります。

認知症の方は話した内容を忘れてしまっても感情は残り、うまくできたことを褒めると自尊心が上がります。感謝の言葉を聞くと老人だけでなく、役に立てたと嬉しく思うでしょう。役に立てたと実感することで、安心感も生まれていきます。

対処法②しっかり訴えを聞いてあげる

続いては、しっかり訴えを聞いてあげる方法です。認知症の方はなぜイライラするのか、急に怒ったのかも分からないという場合もあり、文句を言われた方は困惑してしまいがちですが、しっかり訴えを聞くのが良いでしょう。

話を聞きながら共感したり、相槌を打つのもポイントです。話をしっかり聞いてもらえると、受け入れてもらえた、分かってもらえたと感じるので、相手の状況や感情を受け入れ、寄り添うようにしましょう。

対処法③否定せず文句の原因を一緒に探す

最後は否定せず文句の原因を一緒に探すことです。文句を言ってきた言葉に対し、それは違うと否定したり責めてしまうのは、余計に怒らせたり不安にさせてしまいます

認知症の方は、文句を言っている内容そのものに怒っているのではなく、体調の不調であったり、部屋の温度が不快、出来ないことがあってイライラしているなど、違う原因で怒っていることも多いです。原因を詳しく説明できない方も多いので、話をしっかり聞いて原因を一緒に探してみましょう。

文句ばかり言う老人を介護する家族のストレス軽減法

文句ばかり言う老人を介護する家族のストレスは、やはり溜まりやすいものです。ここでは少しでも楽になれるようなストレス軽減法をご紹介してまいります。

軽減法①悩み・不満を吐き出す場を見つける

軽減法1つ目は、悩みや不満を吐き出す場所を見つけることです。家族の方は認知症の方と接する時間が長く、不満や悩みも当然多くなってしまいます。

自治体の介護の相談窓口やケアマネージャーなど、介護に詳しい方に話を聞いてもらったり、自分の兄弟など悩みを話しやすい人に聞いてもらうのもおすすめです。不満を抱え込まないことで、日々のストレスを貯めないようにしましょう。

軽減法②自分1人で介護をしようと思わない

もう1点は、自分1人で介護しようと思わないことです。一人っ子で助け合う兄弟がいない、兄弟はいても遠方で近くに住む自分しか介護できないなど、介護できる人が少ない方も多いです。自分がやらなければと1人で抱え込んでしまうと、ストレスも溜まりやすくなります。

費用は掛かっても訪問介護などの介護保険サービスを利用したり、離れて住む家族にも毎月何日か手伝いに来てもらうなど、協力してもらうように体制を整えましょう。1人で何もかも抱えこむといつか自分が壊れてしまうので、みんなで介護するという気持ちでいると精神的にも楽になります

文句ばかり言う老人にはきちんと向き合い話を聞くことが大事

文句ばかり言う老人への対処法や文句を言う原因をご紹介してまいりましたが、ただ歳のせいと思っていた方には、ドキッとした内容だったかもしれません。親や兄弟など身近な人だと認知症かもしれないという事実をなかなか受け入れられない方も多いですが、早期のうちから対処した方が症状も抑えられます。

文句を言われると言い返したくなったり、急に怒鳴られたりするのは気分のいいものではありませんが、文句ばかり言う老人にはきちんと向き合い話を聞くことが大事です。もちろん、自分自身に心の余裕がないと難しいので、ストレスを軽減しながら向き合っていってください。

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