健常者の方には何気ない動作である「モノを掴む」ことも、握力が弱くなった高齢者や要介護者、手が不自由な方には難しい場合も少なくありません。

しかしモノを拾ったり、何かを掴むという動作は日常生活では必ず必要になります。そこで便利なアイテムがマジックハンドです。そこでこちらの記事ではおすすめのマジックハンドから選び方などをまとめました。

目次

介護用マジックハンドとは?

介護用マジックハンドは、身体機能低下によって困難になった動作を手助けする自助具の一種で、握力が弱くなったり麻痺によってモノが掴みにくい、膝や腰の痛みでかがむことができない、足が不自由で移動が困難なときなどの手の代わりになるアイテムです。

マジックハンドがあれば手が不自由な方や高齢者でも、近くに落ちたものや取りたいものを掴むことができ、他の人の手助けなく自らできる動作が増え、介護の現場で役立ちます。

介護用マジックハンドの上手な選び方

介護用マジックハンドには様々な種類やタイプがあり、使う人に合わせて選び方が異なります。握力や腕、足など動作が困難な箇所によって長さや仕様をチェックし、どのようなタイプがあるのか把握しておきましょう。

選び方①長さ

マジックハンドには長さの異なる種類があり、用途によって短い・長いタイプを選びます。近くのものだけに使うのであれば柄の部分が短い、ショートタイプで充分です。また、車椅子の場合でも自由に移動できる範囲が広ければショートタイプでもカバーでき、持ち運びにも向いています。

反対に高い場所や遠くのものを取りたい場合には長めのロングタイプが良いでしょう。足や腰を曲げにくい場合もロングタイプであれば立った状態で使うことができます。

一般的にショートタイプは40~50cm、ロングタイプは70cm以上となります。伸縮できるものであればどんな場面でも使いやすいですが、伸縮のしやすさなどをチェックしてください。

選び方②先端のタイプ

介護用マジックハンドは主に先端部分がゴムや磁石、フックなど3タイプに分かれています。どれも掴む動作に適した先端になっていますが、それぞれ特徴が異なるため、使いやすいものを選ぶと良いでしょう。

ゴム

先端がゴムになったものは滑りにくいため、薄いものや丸い形状にも対応できます。普段からティッシュペーパーや紙、ペットボトルなどを頻繁に掴む場合にはゴムタイプが適しています。

掴むサイズも大きいものから小さいものまで幅広く、ゴム部分の広さや吸盤、凹凸があるなど色々な種類があります。

磁石

ピンやクリップ、スチール缶など鉄製に適しているのが磁石タイプです。磁力の強さによって持ち上がる重さが異なるので、購入前にしっかりとチェックしてください。

また、磁石タイプは先端部分ではなくグリップ部分にある場合もあるので確認しておきましょう。先端がゴムと磁石の両方になったタイプもあります。

ヘアピンやネジなど、床に落ちた小さなものを拾うには、マグネットが内蔵されたタイプが便利です。

フック

掴むだけでなく引っ掛けて使うことができるフックタイプもあります。フックで引っ掛けて引き寄せるので、服やタオルなど布製品を取るには便利です。

使い方によっては服の着脱や洗濯物を干すときにも利用できます。フックタイプにはゴムタイプと2タイプがセットになっている場合もあり、掴むと引き寄せるの両方に対応できるようになっています。

先端の形状だけでなく回転可能なマジックハンドもあり、使用時に使いやすい角度が設定できますが、その場合には手動での調整やロックがかかるものを選ぶことで、モノを掴むときに回るのを防いでくれます。

選び方③重さ

長時間の利用や握力の弱さなど、介護用マジックハンドを使う方の環境はそれぞれ異なります。そのためマジックハンドの重さも要チェックです。

介護用の場合はあまり重いタイプは避け、できるだけ軽量が使いやすくなっています。特にロングタイプになると重くなる傾向にあるので、注意してください。

介護用であれば理想の重さは150g、種類によっては120gとかなり軽いものもあるので、普段使いしても疲れない重さを選ぶようにしましょう。

選び方④耐荷重

マジックハンドにはそれぞれ耐荷重が設定されています。どれだけの重量があるものを掴めるのか、耐荷重を超えた重さに使用するとマジックハンドが破損したり、掴んだモノを落としてしまう可能性もあります。

ティッシュペーパーや布など軽いものであればあまり気にすることもありませんが、ペットボトルなど重いものに使うのであれば、耐荷重をしっかり把握しておくことをおすすめします。

高齢者や手が不自由な方におすすめのマジックハンド10選

握力が弱い、足や手が不自由、移動が困難など、介護用マジックハンドを使う用途は人それぞれ違ってきます。そこで高齢者や手が不自由な方におすすめのマジックハンドを紹介するので、購入前の参考にしてみてください。

おすすめ① Nuovoware お助け万能ロングハンド

長さ83cmのロングタイプで先端部分は360度回転可能、使わないときは折りたたむことで43cmになり、持ち運びにも便利です。ゴムタイプで開いたときの先端は13cmまで広がり、太さのあるものでも掴むことができます。耐荷重は約2kg以下、日常生活ではほとんどのものに対応しています。

おすすめ② エーアイジェイ 楽らくハンド

フックタイプでグリップにはマグネット付き、引き寄せると掴むの2つの動作に適しています。クリアファイルのような薄いものから錠剤などの小さなものまで取ることができます。グリップ部も握りやすいので、高齢者や握力の弱い方、足や腰を曲げづらい方にもおすすめです。

おすすめ③ SUNKY マジックハンド 軽量

長さ100cmの超ロングタイプで高いところや遠い場所にも使えます。先端は凹凸のあるゴム素材なので、掴んだものを滑らす心配もありません。ティッシュペーパーやネジ、コインなどの薄く小さなものからペットボトルなどの重量があるものまで、幅広く使えるだけでなく、耐久性にも優れています。

おすすめ④ 全家協 つかみ棒

長さ約83cm、身の回りのものなら届く範囲の長さと、重量約137gで握力の弱い方や高齢者でも簡単に扱えるようになっています。先端はゴムタイプで薄い紙やコインもしっかりと掴むことが可能、中央部は丸みがあるのでペットボトルも掴みやすい形状です。

おすすめ⑤ Aaskr マジックハンド

折りたたみ式で使わないときは短く収納、使用時の長さは約82cmなので、高い場所や隙間、周辺のものなら届くようになっています。挟むことができる最大は9cm、薄いものから厚みのあるものまで色々な用途に利用できます。

先端部はゴムタイプで滑りにくく、丸みもある形状でコップやペットボトルにも適しています。先端部は90度単位で360度回転可能、妻うと同時に引き寄せる動作にもおすすめです。

おすすめ⑥ Housolution マジックハンド

長さ約83cmで折りたたみ可能、ゴムタイプの先端部は360度回転するのでどんな向きでも使うことができます。回転は手動で行うため、掴んだときにクルクル回ることもありません。先端にはマグネットが内蔵されているため、クリップやネジなど金属製のものをくっつけることもできます。

おすすめ⑦ SZMM 吸盤式 マジックハンド

長さ80.5cmで折りたたみ可能、折りたたんだ状態の長さは42.5cmと約半分の長さになります。先端はゴムの吸盤タイプなので、掴んだものを落とすことなくしっかりと挟めるようになっています。

ハンドルにはオン・オフスイッチがあり、掴んだ状態でロックすればグリップを握ったままにする必要もありません。

おすすめ⑧ Hotorda マジックハンド

長さ82cmで折りたたみ時には約半分の41cmまで縮めることができ、収納にも便利です。先端はゴムとマグネットタイプで、掴む動作と金属製のものをくっつけることができます。

足や腰を曲げることなく落ちているものを掴む、高い場所や狭い場所にも最適です。先端部は36度回転可能、調整は手動のため使用時にクルクルと回ることを防いでくれます。

おすすめ⑨ 千吉 マジックハンド 楽々キャッチ

長さ83cm、重さ150gでシンプルな構造なので、高齢者や握力が弱く手の不自由な方にも扱いやすいマジックハンドです。耐荷重は約250g、身近なものに対して便利に利用できます。

先端部はゴムとマグネットタイプで、掴む動作とクリップやヘアピン、ネジなどの金属製の小物をくっつけて引き寄せることに適しています。

おすすめ⑩ AP マジックハンド

プラスチック素材のマジックハンドで、長さ約58cmのショートタイプとなっています。ティッシュペーパーや紙などの薄いものを簡単に挟むことができ、グリップ部は握りやすいピストル型、リーズナブルな価格なので、まずはマジックハンドを試したい方にもおすすめです。ごみ捨てや身の回りのものを取る動作が簡単にできます。

日常生活に便利な介護用マジックハンドを取り入れよう

介護用マジックハンドは握力が弱くなった、足腰が曲げづらい高齢者や、手が不自由な方などの普段の動作を助けるための便利なグッズです。

家の中では周辺のものを取ったり、高い場所や狭い場所に届きやすいので無理な姿勢になることもありません。快適な日常生活に便利な介護用マジックハンドを利用して、少しでも自分でできることを増やしてみましょう。

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