足腰が弱ってくると、歩くのにも不安になったり外に出るのも億劫になりがちで、さらに歩かなくなり筋力も弱まってしまうという悪循環になりかねません。そんなときに歩行器があると助かります。ここでは歩行器の種類と選び方をご紹介していきます。介護保険でのレンタルについても詳しく解説していくので、チェックしてみてください。

目次

歩行器に種類はあるの?

歩行器は、転倒の不安がある方や足腰が弱まっていたり筋力が低下している方が使う、歩くのをサポートしてくれる器具です。何もない状態で長距離や外を歩くのは難しい方も、歩行器があると歩けたり、支えがあるという安心感も大きいでしょう。

歩行器にはいくつか種類があり、外で使いやすいものは近所の高齢者が使っている所を見たことがあるかもしれません。親がだんだんと足腰が弱くなってきて歩くのにも不安があったり、年齢が若い方でも怪我や病気で歩行器を必要とする場合もあります。ぜひ歩行器の種類と違いをチェックしてみてください。

歩行器の種類①固定式歩行器(ピックアップ型歩行器)

歩行器の種類1つ目は、固定式歩行器(ピックアップ型歩行器)です。フレームが固定されていて、本体は軽量設計になっているものが多いですが、本体を持ち上げて前に置いてから足を進めていくタイプなので、腕など上半身の力が必要になります。杖で歩くことが不安な方にも使いやすいタイプです。

歩行器の種類②キャスターつき歩行器(歩行車)

続いてはキャスターつき歩行器(歩行車)です。このタイプは、高齢者の方が街中で押して歩いているのを見ることも多いのではないでしょうか。前方に2輪、または4輪付いており、前方2輪の場合は後方を浮かせて持って歩いていきます。

腕力に自信がない方でもスムーズに前に押して歩けますが、進む方向のコントロールが難しいというデメリットがあります。

歩行器の種類③交互型歩行器

交互型歩行器は若干複雑な動きのように感じますが、左右のフレームを交互に動かすことで前に進んで行きます。歩くときと同じで、右足を前に出したら左のフレームを前に、左足を前に出すときは右のフレームを前に出して前に進んで行きます。

片足ずつ上げて進むため、片方は地面についている分安定性が高くなります。姿勢のバランスが上手く取れない方でも使いやすいタイプです。

歩行器の種類④四脚歩行器

最後は四脚歩行器です。四脚のフレーム構造をしたタイプで、固定式歩行器もこの四脚歩行器の1種になります。使い方は固定式と同じく、持ち上げて前方に置き、歩行器に体重をかけながら足を動かしていきます。

歩行器の安全な選び方は?

ここからは歩行器の安全な選び方をご紹介していきます。使う方によって必要なタイプは違うので、選び方をチェックして合うものを探してみてください。

選び方①身体状態にあったもの

選び方1つ目は、身体状態にあったものを選ぶ方法です。歩行器無しでなんとか歩ける・手すりがあれば歩けるなどの歩行レベル、腕など上半身の筋力があるのか、歩行の際にバランスが自分で取れるのかなど、配慮しなければいけない点がいくつかあります。

例えば上半身の筋力がない方が四脚歩行器を選んでも持ち上げるのが負担になってしまうなど、状態によって難しいタイプもあります。身体の状態によって使いやすいタイプを選びましょう。

選び方②使う場所や目的に合ったもの

続いては使う場所と目的に合ったものを選ぶ方法です。歩行器は階段など、段差があるような場所での使用は不向きで、その中でも室内で使うのか、屋外で使うのかでも違います。歩行器をリハビリ目的で使う、室内のトイレの往復に使う、買い物で使う、病院に通うためなども人によって違います。

使いたい環境が段差が多い場所や狭い場所、坂が多い、人が多いなど、状況は人によって異なるため、使う場所を考えて選びましょう。

選び方③高さなどを調節できるもの

高さなどを調節できるものも、体型や体の状態に合わせられるので使いやすいでしょう。持ち手の位置が合わないと力を入れにくかったり、高さが合わないと無理な姿勢になってしまうので、調節できるものがおすすめです。

体の状態にあった歩行器の種類の選び方

ここでは体の状態にあった歩行器の種類の選び方をご紹介していきます。まず、手すりや歩行器を使えばゆっくりでも歩くことができるという歩行レベルは必要で、その中でも上半身の筋力がある方は固定式歩行器や四脚歩行器が使えます。さらに左右のフレームを動かすことができる方は交互型歩行器がおすすめです。

歩行器を持ち上げるほど上半身の筋力がない方は、キャスター付きのものを選ぶと良いでしょう。歩行は出来るがやや不安定であったり、転倒などに不安があるという方は四輪歩行車が使えるので、買い物など外に行く際にも使えます。

歩行器は介護保険でレンタルできるの?

歩行器はそこまで使用頻度がなくわざわざ買うのは、とためらう方もおられます。介護保険では様々なサービスが受けられ、福祉用具を貸与してくれたり、利用者の日常生活における自立支援のための福祉用具が購入できます。歩行器はその対象になっているのか、詳しく見て行きましょう。

歩行器は介護保険の対象に含まれている

歩行器は、介護保険の対象に含まれる福祉用具の1つになります。利用対象は要支援1・2、要介護1~5の方で、市区町村や都道府県の指定を受けた福祉用具貸与事業者がサービスを提供してくれます。器具を利用したい方はケアマネジャーや地域包括ケアセンターに相談してみてください。

購入するより介護保険を利用してレンタルがお得

歩行器は2.3万円で買えるものが多いので、購入を検討される方もおられます。しかし購入するより介護保険を利用してレンタルする方がお得なのです。介護保険を利用すると、レンタル料金の1割(一定以上の所得がある方は2~3割)の負担で済むので、1か月数百円の利用料で済むことが多いです。

金銭面で負担が少ないだけでなく、レンタルなら定期的なメンテナンスをしてもらったり、身体の状態に合わなければ、別の種類に変えてもらうなど、器具の選定も専門の職員にしてもらえるので、安心感もあります。

購入して合わなくてもそのまま使わざるを得ないと、身体に負担になってしまいます。その時の身体に合ったもの利用できるので、レンタルの利用がおすすめです。

歩行器を使うメリットやデメリット

ここからは歩行器を使うメリットとデメリットをご紹介していきます。メリットはこれまでご紹介してきた中でも分かるものもありますが、デメリットも実は存在します。デメリットも踏まえて歩行器を使うかどうかを考えてみてください。

歩行器を使うメリット

歩行器を使うメリットは、やはり負担が少なく歩けることです。足や腰が弱っている方でも、歩行器のサポートがあることで足にかかる負担を軽減してくれたり、腰などに痛みがある方も負担を軽くしてくれるというメリットがあります。姿勢も安定した状態で歩くことができるため、行動範囲も広がります。

歩行器を使うデメリット

デメリットは、身体の状態に合わない物を使用した場合に、足や腰にさらに負担がかかってしまい、状態が悪化してしまう可能性があることです。身体に合ってこそサポート力が発揮されるものなので、無理しての使用は転倒のリスクも高めることにもなるのでよくありません。

また、歩行器の使用に抵抗感を持つ高齢者も少なくありません。まだ自分は若いと思っている方や歩行器は高齢者が使うものであって、自分はまだまだ必要ないと思っている方は特に、歩行器に対して良くないイメージや抵抗がある方もおられます。

歩行器を安全に使うためのポイント

歩行器は使用の状況によっては身体に良くないこともあるため、安全に使うポイントをしっかり押さえておきましょう。まず、ハンドルの高さが重要です。ハンドルの高さが合わないと重心を預けにくいので、力がしっかり入れられるようにハンドルを握って肘が軽く曲がった状態に調節します。

タイプにはよりますが、前輪が付いているものは回転の度合いを変えれるものがあるので、調整した方が良いでしょう。360度回転なら自由度は高いですが、不安定にもなりやすいです。120度回転が安定性も高いので、一般的によく設定されます。

機能もデザインも自分に合ったものを選びましょう

歩行器の種類や選び方をご紹介しました。購入を検討されていた方でも、レンタルできる歩行器や料金を、ケアマネージャーなどにまずは相談するのがおすすめです。高齢者は身体の状態が若い世代の方に比べると腰が曲がって来たり筋力の衰えなど変化もしやすいので、同じ器具を同じ状態で長く使い続けることは難しいでしょう。

そういった意味でも、レンタルなら対応もしやすいので、一度検討してみてください。自分に合った機能やデザインの歩行器を使って、自立した生活を送れるようにしましょう。

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