介護職の夜勤は楽って本当?と気になっている方もおられることでしょう。確かにある面で介護職の夜勤は楽な面もありますが、デメリットと言える面もあるため慎重に考慮することをおすすめします。この記事では、夜勤専従の働き方や給料事情など転職に役立つ情報をお伝えしています。夜勤専従とはどのような働き方なのか興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。

目次

介護の夜勤専従とは?

夜勤、いわゆるナイトシフトでの勤務は、日勤で働く介護士と比較して、給与が高く設定されています。ここでは、介護士の夜勤専従という働き方について説明します。

介護の夜勤専従の働き方

夜勤専従とはその名の通り、夜勤だけを担当する労働者のことです。大きく分けて、午後4時または5時から午前9時または10時までの「長時間夜勤」と、午後9時から午前9時までの「短時間夜勤(準夜勤)」があります。実際の勤務時間は施設によって異なりますので、施設に確認してください。

夜勤専従の出勤日数

日勤の場合は勤務時間に制限がないため、月に20回程度勤務するのが一般的ですが、介護士の夜勤専従の場合は月に10~11回程度、週に2~3回が上限となります。

夜勤明けは休みで連勤にならないことが多いので勤務回数は限られますが、夜勤明けはしっかり休むことができ、連休のような感覚で働くことができます。

介護の夜勤専従の仕事内容

夜勤専従の介護士は、夜間の見回りや日常生活の介助が主な業務となります。具体的な仕事内容を紹介しますので、介護の夜勤専従をお考えの方はぜひ参考にしてください。

夜勤専従の仕事内容

夜間は、夕食、食後のケア、就寝の準備などが仕事内容です。起床時間には、着替えなどの起床介助、朝食に関するサポートなどの仕事があります。また、夜間の見回りでは、排泄指導やオムツ交換を行うことが多いです。

急変やトラブルへの対応なども含まれます。日勤から日中の活動を引き継いだり、夜間の活動を記録して日勤に引き継いだりすることも業務の一つです。

夜勤専従の1日のスケジュール

夜勤者の1日は、出勤と同時に日中の活動の引き継ぎから始まります。その後、夕食の介助や後片付けを行い、就寝した患者さんの見回りや安否確認を行うのが一般的な夜勤専従者の1日の流れです。

途中でトイレに誘導したり、オムツを替えたりしながら、決められた時間に起きられるように介助します。

あとは、出勤してきた早出スタッフと協力して、朝食の準備や食事の介助、片付けなどがあります。その後、朝礼や夜間の引き継ぎを経て、業務終了となります。

緊急時の対応

老人ホームには多くの高齢者が入居しているため、何らかの理由で急変することがあります。日中だけでなく夜間にも起こりうることなので、夜勤者も急変に対応する必要があります。

急変時の対応についてはマニュアルが用意されており、それをもとに対応することになります。状況によっては、看護師や主治医にオンコールの指示を仰いだり、救急車を呼んで搬送の準備をしたりすることも必要です。

介護の夜勤専従の給料

日勤に比べ、高収入が期待できる介護の夜勤専従ですが、では、実際の月収はどうなのでしょうか。ここでは、夜勤専従者の給与事情について解説していきます。

正社員

特別養護老人ホームで働く正社員の平均月収は36万1890円、平均年収は約434万円程度となります。特別養護老人ホームは利用者の介護度が高く、身体介護が仕事の大半を占めています。そのため、平均給与や年収は他の施設よりも高めです。

一方、グループホームで働く正社員の平均月給は約30万円、平均年収は約364万円となっています。有料老人ホームで働く場合では、平均月収は33万円、平均年収は約407万円程度です。

アルバイト・パート

特別養護老人ホームで非正規雇用(アルバイト・パート)として働く場合、時給は約1,360円で、平均給与は147,470円です。

一方、有料老人ホームでパートタイムで働く場合、時給は約1,391円、平均給与は約148,070円となっています。

先ほども触れたように、各施設によって給料は異なりますので、必ず事前に確認しておくようにしましょう。

介護の夜勤専従で働くメリット

では、介護の仕事で夜勤をするメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。詳しくみていきましょう。

メリット①高収入

介護の夜勤で働く最大のメリットは、高収入を得やすいということです。介護の夜勤は手当がつくため、日勤の仕事よりも給料が高くなります。夜勤専従の手当は1回あたり4,000円~8,000円程度です。

月に10回夜勤をすれば、基本給にプラスして月4万円から8万円の収入になります。アルバイトスタッフでも、22時~5時の時間帯は時給の25%以上が上乗せされます。

メリット②生活リズムが乱れない

夜勤の別のメリットは、輪番制の夜勤よりも生活リズムが整いやすいことです。夜勤では日勤もあり、シフトによって就寝時間や始業時間が異なるため、生活リズムが乱れる可能性があります。

一方、夜勤者は夜勤の時間帯だけ働くので、一定のリズムで働くことができます。そのため、不規則な勤務時間による体調不良が起こりにくく、仕事と生活の両立がしやすいといえます。

メリット③休日・日中の自由時間が多い

夜勤は夜間のみ働くスタイルで、日中の自由な時間を過ごせるのが特徴です。介護施設や事業所では、夜勤明けで翌日が休みというところも多く、仕事終わりの1日半を自由に過ごすことができます。

趣味や家族との時間、副業やダブルワークなどに使うなど、自分のライフスタイルに合わせた過ごし方ができるのがメリットです。

メリット④業務量が少ない

夜勤は介護士が少ないので忙しいというイメージがあります。しかし、勤務時間のほとんどは入居者が寝ている時間であり、ナースコールやトラブルが少ない日は、ゆっくりできる時間があります。

また、レクリエーションがない分、日勤に比べると業務が少なく、自分のペースで仕事ができるのも魅力です。ただし、施設によって仕事内容や夜勤の人員体制が異なるので、応募の際には必ず確認しましょう。

介護の夜勤専従で働くデメリット

続いて、看護師の夜勤のデメリットも見ていきましょう。昼と夜のリズムを逆転させなければならない、体調を崩しやすいなど、夜勤専従の看護師ならではのデメリットがあります。

デメリット①昼夜逆転した生活になる

夜勤で生活リズムが安定するといっても、昼と夜が逆転した状態で過ごすことになります。夜勤の方が向いている人は一定数いますが、自分には合わないと感じた場合は、働き方を変えてみるのもいいかもしれません。

デメリット②少人数勤務による負担が大きい

日勤帯にスタッフで混雑している施設では、夜勤帯はスタッフの数を減らしていることが多いようです。中には、夜勤を1人だけで行っている施設もあるほどです。

夜勤を1人で行う場合、すべての業務を1人でこなさなければなりません。つまり、日中複数の職員が行っていた業務やケアを1人夜勤が行うことになります。そのため、自分にかかる責任が大きくなり、精神的な負担が大きくなることがあります。

特に施設によっては、少人数での夜勤はかなりハードな場合もあります。特に1人夜勤の場合、落ち着いた時間が毎日あるわけではありません。ナースコールが頻発する日は、休憩すらとれないこともあります。

デメリット③体調を崩しやすくなる

夜勤に慣れていても、睡眠不足などちょっとした原因で体調不良になることもあります。夜勤者が体調不良で休むと、日勤で働く人はシフトを変更しなければなりません。

そうなると他のスタッフにも負担をかけることになりかねないため、常に体調管理をしなければならないのが夜勤専従の難しさです。

デメリット④拘束時間が長い

また、夜勤専従ならではのデメリットとして、交代制勤務や日勤のみの勤務と比較して拘束時間が長いことも注意したい点です。

通常のシフトは9時間、休憩1時間と設定されていることが多いですが、夜勤は2交代制で、2時間の休憩を含めて16時間となっています。

これは、夜勤1回で2日分の労働とみなされるためです。状況によっては休憩が取れないこともあり、決して楽な仕事ではないとの声も聞かれます。

また、夜間は仮眠をとらずに長時間働く労働者もおり、体力的にきつい仕事であることは否定できません。

特に、老人ホームで16時間の夜勤をする人は、日勤や3交代制の人と比べて、なかなか寝付けないなどの不眠を訴える人が多いようです。また、長時間の夜勤による仕事量の増加で、腰を痛めることもあります。

介護の夜勤専従はメリットが大きい働き方!

介護職の夜勤は、日勤や交代制勤務に比べれば楽な反面、夜間のみ働くという特殊性から、人によって合う人、合わない人がいる傾向など大変な面もあります。

夜勤専従を検討している方は、希望する施設の夜勤専従の実態を知り、その働き方が自分に合っているかどうかを判断してください。

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