「ケアマネジャーの難易度や合格率は?」「ケアマネジャーの試験勉強はどうすればいい?」など、 ケアマネジャーになりたいけど難易度や合格率が気になる、試験対策がわからない、勉強方法が知りたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、ケアマネジャー試験の難易度や合格率、さらに合格点、おすすめの勉強法などを徹底解説していきます。

目次

ケアマネージャー(介護支援専門員)試験の合格率や難易度

ケアマネージャー(介護支援専門員)は、介護を必要とする人と、介護サービスを提供する事業所との橋渡しをする役割を担っています。また、高齢化社会の中でますます需要が高まっている資格でもあります。そんな需要の高いケアマネですが、試験の難易度は高く、毎年多くの人が不合格になっています。

ケアマネージャー試験の合格率

2021年に実施されたケアマネージャー試験の合格率ですが、厚生労働省の発表によると、受験者数は54,290人で、そのうち合格者は12,662人、合格率は23.3%でした。

合格率の推移を見ると、受験資格変更前の2009年度(第20回)試験以来、初めて20%を超え、過去10年間で最も高い合格率となりました。合格率が最も高かったのは愛知県の30.0%、最も低かったのは佐賀県の16.1%でしたが、すべての都道府県で昨年を上回る合格率となっています。

職種別の合格者数は7,689人で、介護福祉士が最も多く、次いで看護師、准看護師となりました。全体の合格者数の増加に伴い、介護福祉士の合格者数も昨年比1.6倍でしたが、合格率は60.7%と昨年より若干上昇しています。

ケアマネージャー試験の難易度

ケアマネは、介護施設で直接介護を行う介護福祉士や実務者研修修了者をまとめる役割を担っています。つまり、介護系資格の中では上位に位置する資格です。ケアプランの作成は行いますが、介護の実践が主な仕事ではありません。

ケアマネージャー試験の正式名称は、「介護支援専門員実務研修受講試験」です。受験するためには、指定された業務で「5年以上かつ900日以上の実務経験」が必要とされています。

ケアマネージャー試験の合格率はどうして低い?

ケアマネージャー試験の合格率が低い背景には、受験資格が厳しくなったことと、準備期間が足りないことなどが挙げられます。それぞれの理由を詳しく確認してみましょう。

ケアマネ試験の合格率が低い理由①受験資格が厳しくなった

1つ目の理由は、この10年でケアマネの質がより重視されるようになったことです。特に注目すべきは、2018年度に行われた受験資格の改定です。

簡単にまとめると、これまでの受験資格である「介護の実務経験10年以上(初任者研修修了者は実務経験5年以上)」がなくなり、代わりに法定資格と相談援助業務の実務経験が求められるようになりました。

その結果、合格者が減ったとはいえ、業界としてはより専門的な知識と経験を持ったケアマネを育成する方向に動いていると推測できます。

ケアマネ試験の合格率が低い理由②学習時間を確保しづらい

ケアマネ試験の受験者には、医師や看護師、相談・援助業務を行う専門家などが多く、仕事をしながら試験勉強をすることもあります。働きながら難易度の高い試験対策を行うには、十分な時間を確保することが難しいかもしれません。

また、ケアマネジャー試験には免除制度がありません。片方で合格していても、もう片方が合格ラインを下回ると一から試験を受けなければなりません。また、時事問題や制度改正など最新の知識も求められるので、試験対策にはそれなりの労力が必要です。

ケアマネ試験の合格率が低い理由③介護職人材のバランス

もう1つの考え得る理由は、「介護職員不足との兼ね合い」です。高齢化が進む中、介護職の不足は正念場を迎えていると言われています。2025年には34万人の介護職員が不足すると言われています。

受験者の多くは現場で介護サービスを提供する介護福祉士です。つまり、ケアマネジャー試験に合格する介護福祉士の有資格者が増えるということは、現場で活躍できる介護福祉士が減るということです。

そのような訳で、ケアマネの合格率が低いのは、「ケアマネ試験の合格者を減らして、現場の労働者をできるだけ減らしたい」という厚生労働省の狙いがあるのでしょう。

ケアマネージャー資格取得するには?

ケアマネジャーになるにはいくつかの段階があります。そのすべてをパスしないとケアマネになることはできません。ここからは、ケアマネになるための一連の流れをみておきましょう。

ケアマネの資格取得するまで

介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格は、申込期間内に申込書を提出します。願書は、都道府県や試験実施団体、市町村、社会福祉協議会などから配布されています。住所不備や郵便事故などの可能性もありますので、余裕を持って送付することが大切です。

申込期間内に間に合わなかった場合は、受験できませんのでご注意ください。手続きが完了すると、ご自宅に受験票が届きます。試験当日まで大切に保管してください。

試験日前2週間を過ぎても受験票が届かない場合や、紛失した場合は、受験案内に記載されている連絡先に確認してください。「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格すると、「介護支援専門員実務研修受講試験」を受講することになります。

試験に合格したからといって、すぐにケアマネジャーとして働けるわけではありませんのでご注意ください。介護支援専門員実務研修の内容は全国共通で、講義・演習15日(87時間)、実習3日となっています。都道府県によって内容は異なりますが、年に数回開催されているようです。

研修を修了すると、介護支援専門員資格登録簿に登録することができます。登録申請をすると、「介護支援専門員証」が発行されます。

認定証が発行されて初めて、ケアマネの資格を取得し、働くことができるようになります。なお、登録は住んでいる都道府県で行うので、住んでいるところと違う地域で申請するのはやめましょう。

ケアマネの資格取得のための勉強方法

先ほども少し触れましたが、ケアマネになりたい場合は、「介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネジャー試験)」に合格する必要があります。ケアマネジャー試験の対策は、予備校や通信教育で行うのが一般的で、独学で合格するのはかなり難しいです。

しかし、独学の適性があれば、不可能ではありません。試験自体の難易度は徐々に上がっていますし、制度改正により出題範囲や出題傾向も多様化しています。そのため、プロの講師が教える講座を受講する人が増えています。

しかし、独学で勉強する自信がない場合は、確かな知識を持つ先人のアドバイスを参考にしながら、時間を有効に使うことをお勧めします。また、一発合格を目指すのであれば、通信講座の受講も効率的です。

ケアマネの資格取得のための試験対策

ここでは、難関といわれるケアマネジャー試験を突破するための3つのコツを紹介します。初めてケアマネジャー試験を受験する方も、なかなか思うような結果が出せない方も、ぜひ参考にしてみてください。

ケアマネ試験の対策①過去問をこなす

仕上げの勉強法として、過去問演習は非常に有効です。過去問を何度か解いて重要な項目を確実に自分のものにする必要があります。また、過去問集は、自分が対応できそうなレベルのものを選ぶのがコツです。

自分のレベルや問題の取り組みやすさを考えて、自分に合ったものを購入することをおすすめします。問題を解く際は、時間配分を意識し、本番の試験のように時間内に問題を解き終わるようにするのがポイントです。

ケアマネ試験の対策②用語を正確に理解する

試験問題には、介護や医療に関する専門用語が多く出題されるので、問題を正解するためには、一つ一つ理解していくことが大切です。法律や制度に関する専門用語は難解なものもあるので、意味や内容を調べておくことが大切です。

ケアマネ試験の対策③重点分野を絞る

「全問正解しなければならない」と思っていると、プレッシャーで普段の実力が発揮できないかもしれません。そんな場合は、「2問、3問間違えても不合格にはならない」と考えるようにしましょう。

試験中にどうしても解けない問題が出てきたら、それを飛ばして他の問題にじっくり取り組むのも、良い点数を取るための一つの方法です。

各分野の正解率は70%以上を目指して勉強しましょう

ケアマネ試験は各分野の正解率70%が基準ですが、「何点取れば合格」という決まった合格ラインはなく、試験の開催年によって合格点が異なると考えるべきでしょう。

そのため、試験に合格するためには、とにかく問題に正確に解答できるように備えておくことが大切です。過去問への取り組みや専門用語を確実に覚えていくことなど、しっかりと対策を立てて試験に臨みましょう。

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