介護職は現在もとても重労働であるというイメージが払拭されないままの状態が続いている中で、どうしても退職を検討する方が後を絶ちません。実際、介護職から離職してしまう退職理由にはいったいどのようなことがあるのか疑問です。今回は、介護職に見られる5つの退職理由をご紹介するとともに、職場にどのように退職の旨を伝えるべきか、その伝え方のポイントや時期、また、そのコツをレクチャーしていきます。

目次

介護職に多い5つの退職理由とは

ここからは、介護職を離職する人は、いったいどのような理由があって退職を検討しているのか、以下にその理由として、5つの退職理由をご紹介します。どのような考えがあるからこそ退職を考えているのかひとつずつ詳しくみていきましょう。

退職理由①職場の人間関係が原因

職場内の人間関係のトラブルは、何も介護職だけで起こっている訳ではありません。どのような職業に就いても、多くの方が同じ業種に就いている以上、結果的に人間関係はつきものです。しかし、介護業界は、毎日業務を行う職員同士が連携し、協力し合って利用者のケアを行うことになります。

その分、良い仕事のパートナーとの取り組みであれば、日々の業務もすべて効率よくやり抜いていくことができますが、意思疎通が難しく、仕事がスムーズに進まない場合、パートナーとの相性を疑うことも少なくありません。

もちろん、人間関係が酷く修復不可能であるということはなくても、業務を行う上でのストレスを多々感じてしまうことになります。

その人間関係の中で重労働を強いられていながらも、収入面で不満が募る場合、長く仕事を続けていくことができるかを不安に感じる方も多いと言われています。このような理由から、介護職を退職する人が増えていることが分かります。

退職理由②結婚や出産などライフスタイルに変化があった

若い年齢から介護職に就き、業務を行っていた方も、人生の転機ともなる結婚や出産を経て、現在育児を行うなど、自分のライフスタイルが大きく変化したことによる介護職からの退職も理由のひとつだと考えられています。

実際、子育てを行いながら夜勤業務のある介護施設で働くのは困難を来すことになります。このように、自分のライフスタイルが大きく変化したことによる離職、退職が目立つのも、介護職退職の理由であると言えるでしょう。

退職理由③利用者とのトラブル

実に、介護業界においても、どの施設で働こうと、利用者からのセクハラ被害を受ける介護職員も少なくありません。

また、利用者だけではなく、その家族からのパワハラやモラハラも問題視されていると言われるほどです。これらの介護職におけるトラブルが直接的な介護職退職の理由となっていることは言うまでもありません。

退職理由④収入が少ない

介護職は一般的な仕事と比べてもとても重労働です。その分、周囲の人からすると、介護関連業務に就く人の給与水準が高めであるというような感覚が根付いています。しかし、想像しているよりも高収入であるかというと実はそうではありません。

業務内容と収入が一致しないために、それを理由として退職を検討する方も少なくありません。このように、収入面における理由によって退職を余儀なく検討する方が後を絶たない状況が続いていると言えるでしょう。

退職理由⑤運営側の経営理念や方針に不満がある

介護施設によって、経営理念や経営方針があり、それと自分の思いが一致しないために不満を募らせた結果、退職する介護職員も多く目立っています。当然、運営側は利益を重視しなければなりません。

しかし、業務を提供する側は高齢者と連携しながら、しっかりとサポートしてケアを行いたいという介護職員の気持ちと相反することも多々出てくることでしょう。

また、自分が介護職で行いたい仕事に対してやりがいが見い出せなくなるなど、経営方針の不一致や不満によって退職する人が多くなっているのが現状です。

介護職を辞めたい時の職場への伝え方

この後は、実際に介護職を離職し、辞めたいと思った時、どのように職場に対して伝えるべきか、その方法や伝え方のポイントを以下に4点ご紹介します。介護職の退職を職場へきちんと伝えるためにも、しっかりとポイントをチェックしておいてください。

職場への伝え方①直接の上司に伝える

介護職からの退職を決めたら、まずはじめに自分の上司に対して退職についての相談を行いましょう。この時、上司の都合を伺い、時間を作ってもらい、自分の今の思いを素直に伝えてみてください。

職場への伝え方②遅くとも退職の1ヶ月前に伝える

退職を検討している場合でも、自分の都合で退職を行うのですから、その報告や伝達は最低でも1ヵ月前までに行っておくのがルールです。もちろん、退職を早々に検討していた場合は、できるだけ早く施設側や運営側へ伝えておくことで、スムーズな退職を行うことができます。

さらに、有給消化も行わなければならず、また、業務の引継ぎを行うことも必要です。このようなことから、あらゆる準備を整え、円満退職へとつなげていきましょう。

職場への伝え方③「引き留めには」強い意志で対応

介護職から離職を検討し、退職を願う職員が多い中、自身の退職について上司へ伝える際、必ず「引き留め」に遭う可能性があります。

しかし、自分が退職を決心しているのですから、その意思を貫くことが大切です。また、自分がなぜ退職を希望しているのかその理由を確実に伝えていくようにしましょう。

職場への伝え方④退職届は「一身上の都合」でいい

退職の際に提出する退職届については、具体的な理由を述べる必要はなく、届けについても「一身上の都合」とし、一般的な内容に留めておくようにしましょう。

あまり詳しい理由を伝えると、かえって引き留められてしまう可能性もあり、その後の対応を余儀なくされることもあるなど、理由を述べる際は注意してください。

介護職を辞めたい時の退職理由は嘘を伝えた方が得?

介護職を退職する際、どのような退職理由が正当であるか悩む方も多いようです。また、介護職において退職を検討した場合、自分の本心を伝えるのではなく、「家族が病気がちで面倒をみなくてはならない」「家族に介護が必要になった」という嘘の理由を伝えるのも方法です。

また、「他の施設を経験してみたい」という自分の本心を伝えるのもおすすめです。もちろん、本心を伝えることは悪いことではありません。しかし、それで嫌味を言われることもあるため、自分が気持ちよく退職を行っていくことができないこともあります。

そう考えると、介護職を辞めたい時は、その退職理由を本心ではなく、時に嘘で乗り切った方が最も良い退職へと進めていくことができると言えるでしょう。

介護転職をするとき面接時に退職理由はどう伝える?

介護転職を行うことを希望した際、面接時の退職理由はどのように伝えれば良いか迷う方も多いのではないでしょうか?ここからは、転職時に面接でどのように退職理由を述べれば良いか以下に詳しくみていきましょう。

人間関係が退職理由と言わない

冒頭でもご案内した通り、介護職の退職理由のひとつに人間関係が挙げられていましたが、実際のところ、退職時の理由を人間関係とすることは、面接官へあまり良い印象には映らないため避けるようにしましょう。

これは、人間関係がうまくいかないという理由だけで退職を考えたのであれば、新しい環境で仕事をスタートさせても、また同じ状況となった場合にすぐに辞めてしまう可能性があると判断されてしまうからです。

それでは自分の印象を悪くしてしまうだけです。また、その後、入社しても、同じことですぐに辞めてしまうのでは…など、人間関係をうまく構築できない人材だというイメージを植え付けてしまう可能性もあるため注意してください。

まずは自分を振り返り、せっかく転職へと気持ちを切り替え、これから努力を重ねていくことを決心したのですから、その思いや考えが水の泡になってしまうことは避けなければなりません。

このようなことから、お互いを良い方向へ向けるためにも、面接官に転職理由を質問された時は、自分の思いについて伝えるべき内容をしっかりと整理してから話をするようにしましょう。そうすることで、これから起こること、これまでの物事が確実に良い方向へ向くこと間違いありません。

志望動機につなげて伝える

転職時の面接の際は、転職理由は前向きな姿勢であり、自分自身がポジティブな考えを持っていることを面接官にアピールしてください。面接官はその人の意欲や仕事に対する姿勢を評価しています。

そのため、自分が介護転職をした理由や、これからどのようなことに取り組んでいきたいかなど、その良い姿勢をみてもらえるよう、志望動機につなげ、伝えていきましょう。

介護職の退職と転職は退職理由の伝え方が重要

介護職から退職を行う際は、自分の考えを素直に上司へ伝え、これまでの業務に支障のないよう、しっかりと引き継ぎを行った上で退職をすることが大切です。

また、転職時には退職の際の理由を質問された場合でも、必ず面接官へ悪い印象となることのないよう、伝え方がとても大切になってきます。介護転職は難しいものだと捉えるのではなく、常に前向きで新しい場所での再スタートだと思って、しっかりと自分なりにがんばっていきましょう。

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