今や介護業界は、その人員不足から、有資格保持者ではなく、介護の業務について未経験であっても就職しやすいと言われる職業です。とは言え、誰でも面接に受かるとは言い切れません。実際は面接を受けても落ちてしまう方も中にはいます。今回は、介護職の面接を受けても落ちてしまうそもそもの原因を追究するとともに、介護業界で業務を行う際、求められる人材はどのような人物であるか詳しく解説していきます。
介護職の面接で落ちた人は多い?
高齢化社会が進む日本国において、今後、介護業界に人手が必要となるのは目に見えていることだと言われています。だからこそ、介護職で安定した業務に就きたいと思う方も少なくありません。
しかし、実際のところ、平成30年度に介護職への就職を希望した人は3.95倍となり、約4人に1人という狭き門をくぐり抜けなければならないことがわかります。
そのため、希望すれば必ず就職することができるとは決して言いきれない業界であることがうかがえます。このようなことから、面接を受けることはできても、最終決定通知を受けた際は、落ちてしまったという方も多く見受けられると言えるでしょう。
介護職の面接で落ちた原因とは?
介護職を希望し、面接までこぎつけ、どうにか手応えを感じたものの、結果、落ちてしまうことには何らかの原因があると言えます。ここでは、なぜ介護職の面接で落ちてしまうのか、その原因を探っていきましょう。
面接で落ちた原因①志望動機が曖昧
介護職は、実際に業務に就いてみると精神的にも肉体的にも重労働であると言われています。それを理解した上で面接に臨む心構えが必要です。しかし、安易な志望動機や、就職することだけを目的としている場合、面接を行っても介護職の業務を行うことに対して熱意が見られていことがあります。
そのような思いは面接官に自然と伝わっています。そのため、自分が思っていた業務ではないなど、様々な理由をつけてすぐに辞めてしまうと判断されることになるでしょう。このように、志望動機に熱意が感じられない場合は面接に落ちてしまいます。
面接で落ちた原因②言葉遣いや振る舞いが悪い
社会人として初めて働く場合でも、普段の生活の中でできて当たり前だと言われる基本的なマナーがない場合、常識を知らない人だと判断されてしまいます。
基本の立ち振る舞いや言葉遣い、言動、さらに面接時の服装など、最低限のマナーが備わった人物であるか、これらが備わっていない場合は面接を行っても落とされてしまい、介護業界への就職が難しくなってしまうでしょう。
面接で落ちた原因③身だしなみが整っていない
特に介護業界の職種にだけ該当することではありませんが、基本的にきれいに身だしなみが整っていない場合、相手に対して不快感を与えてしまうなど、だらしないイメージに写ってしまいます。
そのため、面接官に対する第一印象もあまり良いものだとは言えません。このように、身だしなみが整っていないことも介護職の面接に落ちてしまう原因だと考えられます。
面接で落ちた原因④質問をしていない
どのような職業であっても、面接の最後には必ず「何か質問があればどうぞ」などと声をかけてもらえるはずです。この時、介護職について熱意や興味のある人なら、面接時の質問を自ら準備して臨んでいます。
実は、この最後の質問がカギとなり、面接に受かるか落ちるかが決まると言われているのです。自分から質問することで、介護職に就きたいという思いをアピールしていくことができるため、ぜひ面接時に質問を準備しておくことをおすすめします。
面接で落ちた原因⑤志望動機がネガティブ
面接時に伝える志望動機にポジティブな意見や考えがなく、マイナス志向であり、また、ネガティブな発言をするような方は、面接に落ちる可能性が高いと言えます。
これは、「前職と同じようにすぐに辞めてしまうかもしれない…」「忍耐力に欠けている人材かもしれない…」などと判断され、あまり良い印象に映らない可能性があります。
このようなことで面接に落ちてしまうことを防ぐには、自分がこれから介護職に就いた時にどのようなことをしていきたいか、また、未来への動向について良いビジョンを伝えられるよう、志望動機をしっかりと伝えることが大切です。
面接で落ちた原因⑥勉強不足
単に給与や福利厚生、待遇など、これらの情報だけで面接に臨んでしまうと、企業で行う趣旨を何も理解していないと判断され、面接は失敗に終わってしまう可能性が高くなります。
そのため、自社について質問された際も、期待される返答を行うのではなく、思い付きの自分の意見だけを述べてしまい、面接官にドン引きされてしまうことも少なくありません。
そのようなことにならないためにも、必ず面接までに企業ホームページに記載の内容を隅々まで確認し、頭の中にインプットしておくくらい、しっかりとリサーチしておくことが大切です。
介護職の面接に受かるためには?
では、介護職に就きたいと思った時、面接に受かるにはいったいどのようなことに注意すれば良いのでしょうか?ここからは、介護職の面接時のアピールポイントについてみていきます。以下のポイントを実践して面接に臨んでみてください。
きちんとした服装をする
大手企業や商社ではないからという勝手な自己判断によって、介護職の面接を受ける際にラフな格好で臨むのはタブーです。面接時にはスーツを着用し、相手に失礼のない服装で受けることが大切です。
スーツを着用してしっかりと身だしなみを整えることで気持ちも引き締まるため、面接時も適度な緊張感を持って臨むことができるでしょう。
丁寧に履歴書を書く
履歴書にはその人の人柄が写ると言われますが、実際、履歴書は、その人の常識を判断されるひとつの材料だと言えます。そのため、できるかぎり気持ちを込めて丁寧に書くようにしましょう。
丁寧な字で書くことで面接官に良い印象を持ってもらえるはずです。これから履歴書を準備するという方は、ぜひ、心に留めて実践してみてください。
明るい印象を与える
人は緊張したり落ち込んだりすると、モゴモゴとした口調になることがあります。それでは相手に対して思いや熱意を伝えることができません。それと同時に、相手への印象が悪くなってしまうこともあるでしょう。
そのようなことを避けるためにも、相手との会話の際は、ハキハキとメリハリのある会話を行うことに意識を向けてみてください。
また、明るく元気な印象を与えることができると、面接に受かる可能性も高くなるでしょう。ハキハキとした口調で相手に明るく元気な印象を与えることを心掛けてみてください。
介護業界が求める人材とは?
では、実際に介護業界で仕事をする際、どのような人材を必要としているのでしょうか?ここでは介護業界が求めている人材がどのような人物であるか、以下に詳しくみていきましょう。
仕事に対する熱意がある
本来、介護職は、あらゆるスキルや知識、また経験をはじめ、資格保持者が優遇される傾向です。しかし、これだけの高齢化社会が進む中、人手不足から、これらに該当しない方でも、介護職に対して強い熱意のある人材であれば、未経験であっても採用される可能性が高い業種であると言えます。
また、業務に就きながら勉強をして資格取得を目指すこともできます。その後、キャリアを積んでより一層介護業界で活躍することができるでしょう。それだけではありません。実際には接客業に値する業務のため、人とコミュニケーションが取れる人材であることも重要視されます。
高齢者やスタッフと協調性を持って接することができるかなど、その人の人間性も問われることになります。このように、介護という仕事に対してどれほどの熱意があるか、そのような人材を求めていることがわかります。
コミュニケーション能力が高い
基本的には、介護職は人と接することがメインの仕事です。そのため、相手との意思疎通は必須のスキルだと言えます。そのため、高いコミュニケーション能力を持ち合わせている人材であるかは面接時に重要視されるポイントです。
そのため、人付き合いが上手な方こそ介護職に適職である可能性も高く、そのような人材を介護業界が求めていると言えるでしょう。
協調性がある
人の意見に耳を傾け、共に悩み、考え、良い結果を生み出すなど、協調性や調和が取れる人材は介護職に適職な人だと言われています。介護の現場はひとつの方法だけで行うというマニュアルはありません。
介護を行う者同士がそれぞれ持つ意見を伝え合い、利用者が必要とするケアを導き出すスキルが必要になります。それにはすべての人と協調性を持って接することができる人材でなければなりません。
このように、働く現場のスタッフや利用者との程良い距離感と、すべてにおいて協調性を持って接することができるかは、介護業界で必須のスキルであると言えるでしょう。これらの能力を持ち合わせている人材こそ、介護業界が必要としていることがわかります。
しっかりと準備して介護業界の面接を受けよう
介護業界を適正に運営していくには、協調性を持ち、人と上手にコミュニケーションが取れるような人材が求められます。また、介護業界への熱意がどれほどあるかも面接時にアピールすべきポイントだと言えるでしょう。
この記事でご紹介した介護職の面接に受かるためのポイントや、落ちてしまう原因、求められる人材になるための方法を参考に、事前に自分でしっかりと準備を行い、面接に臨むようにしましょう。