高齢化が進み、定年退職してもまだまだ元気な高齢者はたくさんいます。70歳を過ぎても「現役で働きたい!」と思う方も多いでしょう。この記事では、70歳以上の職探し方法、シニアおすすめの仕事をご紹介します。人生100年時代の今、健康で働く意欲あるのならシニアになっても仕事を続けて社会との繋がりを保ちませんか?

目次

70歳以上の就業率はどのくらい?

「こんな年にもなって仕事をするなんて恥ずかしい…」そう思ってはいませんか?そんなことはありません。人生100年と言われるこの時代、資金の確保や仕事への熱意などから「定年後も仕事をしたい」「元気なうちは働きたい」と考える方が増えています。

70歳にもなればもう職につけないのでは?と不安に感じているかもしれませんが、実際は様々な現場で定年を迎えた大勢のシニアが元気に働いています。では、70歳以上の就労率はどのくらいなのでしょうか。気になる平均年収と共に見ていきましょう。

70歳以上で仕事をする人が年々増加

総人口が減少する中で、高齢者人口は3627万人と過去最多、総人口に占める割合は29.1%と過去最高です。そんな中、会社を定年退職したシニア世代で仕事をする人が年々増加傾向にあります。

総務省が「敬老の日」にちなんで毎年発表している統計トピックス【統計からみた我が国の高齢者】によれば、65~69歳は10年連続で上昇し2021年に初めて50%を超えて50.3%。70歳以上は5年連続で上昇し2021年に18.1%でした。

70歳以上で働いている人は18.1%、つまり5.5人1人は仕事をしているということです。男女別で見ると、70歳以上男性が25.6%で約4人に1人、70歳以上女性は12.6%で約8人に1人という結果でした。

70歳以上の平均年収

では気になる年収はどうでしょうか。厚生労働省の【令和4年賃金構造基本統計調査】では、70歳以降の平均月収は23万8100円。男女別では男性が24万5900円、女性が21万7800円となっています。単純計算で、平均年収は285万7200円(男性295万800円、女性261万3600円)となります。

70歳以上の定年のない働き方はある?

そもそも「定年」がなければ、年齢を気にせず働くことが可能です。60歳で定年をしてしまった方は、70歳過ぎても働けるよう、定年のない働き方を選択してみてはいかがでしょうか。以下に定年のない働き方を2つご紹介します。

パートタイム・アルバイト

パート・アルバイトの場合、雇用契約を結び、期間が満了となれば雇用も満了となるため定年が適用されないケースが多いです。現在70歳以上で働いている方の雇用形態はパート・アルバイトがほとんどで、これから仕事を探す方も第一選択となるでしょう。

個人事業主

個人事業主とは、法人を設立せずに個人で事業を営んでいる人を指します。若くから個人事業主としてバリバリ働いている方もいますが、定年退職したシニア世代は企業と業務委託契約を結んで仕事を請け負うことになるでしょう。雇われているわけではないので定年はありません

70歳以上の仕事の探し方

日本では働き手が不足しており、現在深刻な社会問題となっています。それに伴い、高齢者雇用が増加傾向にあり、様々な職種で高齢者歓迎の求人もたくさんあります。ここでは70歳以降の方が仕事を探す際に利用できる方法をご紹介します。

探し方①シルバー人材センター

シルバー人材センターとは、高齢者の就労支援・社会参加を促し、地域の発展に寄与することを目的として運営している公共的・公益的な団体です。 原則として60歳以上の方を対象とし、登録した高齢者に仕事を提供しています。

シルバー人材センターでは、軽作業から一般事務、調査集計などの事務作業、専門的な仕事まで様々な業務を取り扱っています。具体的な内容はセンターごとに異なるため、詳細は管轄のシルバー人材センターに確認してください。

探し方②ハローワーク

ハローワーク(公共職業安定所)は、仕事を探している方や求人事業主の方に対して、様々なサービスを無償で提供する、国(厚生労働省)が運営する総合的雇用サービス機関です。誰もが利用できる公共サービスであり、全国各地に設置されているため、高齢者も訪れやすいでしょう。

高年齢者の雇用を促進するための施策として、企業側に数々の助成金も用意されているため、高齢者向け求人も多数扱っています。地域によっては、特設コーナーや相談窓口を設けるなど、再就職を目指す高年齢者向けに様々な支援を行っています。

探し方③シニア向けの求人サイト

シニアに特化した求人サイトを利用すれば、効率良く仕事を探すことができます。勤務地や職種、雇用形態、給与など、様々な条件で検索できるため、自分にぴったりな仕事を見つけやすいでしょう。無料で受けられるサポートサービスもあり、仕事がなかなか決まらず悩んでいる方の大きな手助けとなってくれます。

探し方④知人に紹介してもらう

友達や会社時代の後輩など、知人のツテを頼ったり、紹介してもらうのもひとつの方法です。知人なら詳しい業務内容や職場の雰囲気、人間関係なども詳しく聞くことができ、前情報を得られるのがメリット。しかし、直ぐに辞めてしまうと知人の顔を潰してしまうことになりかねないので、慎重に判断しましょう。

おすすめの70歳以上でも働ける仕事・職種10選

ここからは、70歳以上でも働けるおすすめの仕事・職種を10種類ご紹介します。いずれもシニアに向いてる仕事であり、シニアを歓迎する求人も多い職種です。「まだまだ現役で働きたい」「生きがいや生活の安定のために仕事がしたい」という方は、是非参考にしてください。

70歳以上でも働ける仕事①介護職員

高齢化が進む日本では介護現場の人不足が深刻化しています。そのため求人数も多く、70歳を超えた方もたくさん現場で活躍しています。専門性が求められる身体介護は資格がないとできませんが、ヘルパーとして掃除や洗濯、買い物など、家事を中心に支援することになるでしょう。

70歳以上でも働ける仕事②マンション管理人

マンションの管理人は、定年退職をした方に人気の仕事です。居住者が気持ちよく過ごすためのサポートをするのが仕事で、敷地内の清掃や点検、入居者・訪問客・業者の対応、お知らせ掲示・投函などが主な仕事になります。筋力が必要な業務は少なく、シニアでも働きやすいです。

70歳以上でも働ける仕事③警備

警備員は年齢に関係なくチャレンジできる仕事のひとつです。警備員は60歳以上が全体の半数近くを占めており、70歳以上も多く働いています。警備の仕事には施設警備、交通誘導、駐車場警備、イベント警備などがあり、経験や年齢不問の求人が多いため70歳以上でも就職しやすいでしょう。

70歳以上でも働ける仕事④清掃の仕事

清掃の仕事も中高年の方・シニア世代の方が多く働く職種です。主にオフィスビルやマンション、ホテルや商業施設などの清掃で、これらは常に清潔であることが求められており、清掃の需要がなくなることはありません。難しいスキルや年齢制限もなく、未経験からでもチャレンジしやすため、シニア世代におすすめです。

70歳以上でも働ける仕事⑤接客・販売

接客・販売の仕事は求人数が非常に多く、近年特にスーパーやコンビニではシニア層の採用が増加しており、たくさんのシニアスタッフが現場で元気に働いています。主な仕事内容は接客やレジ打ち、品出しなどです。立ち仕事になるためある程度の体力は必要ですが、「人と関わる仕事がしたい」という方に向いています。

70歳以上でも働ける仕事⑥工場・倉庫などで軽作業

工場や倉庫などで荷物を運んで仕分けをしたり梱包、検品、在庫管理をする軽作業も需要があります。軽作業とは、「誰にでも覚えやすい簡単な作業」のことです。仕事内容が簡単なことやシフトの自由が利くこと、時給の高い仕事が多いことなどから、人気が高まっています。

70歳以上でも働ける仕事⑦コールセンター

コールセンターの仕事内容は通信販売の受付からトラブル対応まで幅広いのが特徴です。パソコン操作や応対スキルが必要になりますが、高齢者に合わせた人材育成も進んでおり、高齢者ならではの知見を活かした仕事も増えています。何より座り仕事なことも、シニアには嬉しいメリットと言えるでしょう。

70歳以上でも働ける仕事⑧講師

何か得意なこと、資格を持っているのなら、教えることを仕事にする講師もおすすめです。教員免許があるなら塾の講師、他にもピアノや書道、英語、手芸、絵画など、経験やスキルを活かして仕事をすることができます。自分の得意とすることを教えるため、“やりがい”持ちながら働くことができるでしょう。

70歳以上でも働ける仕事⑨家事代行

主婦ならこれまでの経験を活かして家事代行を検討されてみてはいかがでしょうか。家事代行はお客様宅に伺って、家事をサポートする仕事です。仕事内容は掃除・洗い物・洗濯・食事の支度などの「日常の家事全般」で、これまでの家事スキルを役立てることができます。

70歳以上でも働ける仕事⑩調理補助

調理補助の仕事は調理する人がスムーズに作業できるよう、使用する調理器具やお皿の準備、野菜や魚の下処理など、様々な作業をサポートを行います。現場は飲食店や学生食堂、社員食堂、ホテル、病院などがあります。資格不要で難しい業務がないので、シニアでも取り組みやすいでしょう。

70歳以上で仕事をすることのメリット

最後は70歳以上で仕事をするメリットを見ていきましょう。人生100年と言われるこの時代、65歳で定年して働かずにいると、残り数十年も預貯金で暮らさなければいけません。そのため元気なうちは働き続けることで、老後の生活資金の不安を減らすことができます。

また、よく男性にありがちな「燃え尽き症候群」の予防にも繋がります。「燃え尽き症候群」それまで意欲を持ってひとつのことに没頭していた人が、あたかも燃え尽きたかのように意欲をなくし、無気力になってしまうことです。趣味など他に熱中できるものがない方は、仕事を続けた方が良いでしょう。

そして社会との繋がりを保てることも大きなメリットになります。仕事を通して社会と繋がっていることで自分の存在価値を見出せ、生きがいを感じやすいため、体が元気な間は働くのがいちばんです。

70歳以上でも働ける仕事は多い!自分に合った仕事を見つけよう

ご紹介してきたように、70歳以上でも働ける仕事はたくさんあります。雇用形態は「パート・アルバイト」であることが多く、シフト制であったり自分の都合の良い時間で働けるため、長時間労働することもなく、体力の低下が気になるシニア世代でも働きやすいでしょう。

まだまだ元気で働く意欲のある方は、是非本記事で紹介した職業を参考にしながら自分にぴったりな仕事を見つけて、バリバリ働きましょう!

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