生活支援員とは、高齢者や身体障がい者・知的障がい者・精神障がい者の日常生活の介助や生活能力の向上をサポートする仕事です。就職や転職などで生活支援員の仕事を視野に入れている場合、必要な資格や待遇などが気になりますよね。そこで今回は、生活支援員の仕事内容や給料などについて解説していきます。

目次

生活支援員の仕事とは?

生活支援員とは、高齢者や身体障がい者・知的障がい者・精神障がい者の日常生活の介助や生活能力の向上をサポートする仕事です。また、就労に向けた訓練の手伝いなども行います。

具体的には食事や排せつ、入浴などをはじめ服薬管理や人間関係のサポートなど幅広い業務があります。ただし、あくまで利用者が必要とすることだけを手伝い、できることや挑戦しようとしている時は見守るというのも大切な業務とされています。

生活支援員の一日の流れ

ここでは、生活支援員の1日の仕事内容をご紹介します。あくまで一例ですが、多くの時間を利用者と過ごすことが分かります。

【生活支援員の仕事の流れ】

8:30 出勤・ミーティングで情報共有などを行う

9:30 利用者の送迎

10:00 企業から依頼された軽作業等を行う

12:00 昼食・休憩

13:00 作業の続き

15:00 利用者の送迎

16:00 ミーティング、片付け、事務作業など

18:00 勤務終了

生活支援員の仕事で大切なこと

生活支援員は、日々障がいを持っている方と接します。そのため、障がいを持っている方を偏見の目で見てしまうという方は、生活支援員の仕事には向いていません

近年、差別や虐待などの法整備が行われており、偏見や暴力行為にはより厳しくなっています。そもそも、障がい者に対する偏見がある時点で仕事へのモチベーションも上がらないはずです。

逆に、障がいがある方にも意思や尊厳があることをしっかりと理解している方には、おすすめできる仕事だと言えるでしょう。

生活支援員の活躍の場と仕事内容

生活支援員として働く場合、どのような場所に勤務するのか気になるものです。次に、生活支援員が活躍している場所と仕事内容を見ていきましょう。

仕事内容①グループホーム

障がいを持った方が共同生活を送る事業所であるグループホームでも、生活支援員が介護サービスを提供しています。

具体的には、介護サービス包括型サテライト型住居のどちらかのグループホームに勤務するのが一般的です。なお、外部サービス利用型では外部の事業所に介護サービスを委託するため、該当しません。

生活支援員は、利用者の食事や入浴の介助など身の回りのことをサポートします。また、健康管理の指導なども行います。

仕事内容②就労継続支援(A型・B型)事業所

就労継続支援(A型)は、企業に就業することが難かしい障がい者に対して、雇用契約を結んだうえで生産活動の機会提供、技術向上をサポートし、一般就労へ導く福祉サービスです。

就労継続支援(B型)は、雇用契約を結んで働くことが難しい障害者に対して、雇用契約を結ばずに生産活動の機会提供や能力の向上をサポートする福祉サービスです。

就労継続支援(A型・B型)事業所においても、生活支援員は利用者の相談にのったり、生活面のサポート、健康管理などを行います。

仕事内容③就労移行支援事業所

就労移行支援事業所とは、障がいを持った方の就労を支援している福祉サービスのことです。求職活動の手伝いをはじめ本人の適性に応じた職場の開拓、就職後に働き続けるためのサポートなどを行っています。また、利用者の健康管理や生活面のサポートなども行います。

仕事内容④有料老人ホーム

有料老人ホームも生活支援員が活躍している場所のひとつです。高齢者施設では、介護業務が中心で、衣類の着脱や入浴、食事などの介助など、日常生活に密着したサポートを行います。また、付き添い、見守りなどの日常生活のサポートも行います。

生活支援員の給料や年収

生活支援員の平均年収は、約306万円です。月給に換算すると約25万円となり、日本の平均年収と比較すると低い傾向にあります。また、アルバイト・パートや派遣社員の平均時給はおよそ1,000円~1,300円が相場です。

一般的な正社員であれば280~348万円の水準が高いものの、全体の年収を見てみると280~824万円と幅広いです。そのため、勤務先の規模や経験、業務内容によって収入に差が出ると言えるでしょう。

生活支援員の施設や事業所の規模別の給料の違い

厚生労働省の「福祉・介護職員処遇改善加算等の状況について」による施設・グループホームの従業員数別の平均給与額は以下の通りです。

【施設】

  • 40人以下・・・33万7,256円
  • 41人~60人・・・33万8,911円
  • 61人~80人・・・33万4,530円
  • 81人以上・・・35万330円

【グループホーム】

  • 4人以下・・・20万8,544円
  • 8人以上10人以下・・・23万8,910円
  • 31人以上・・・23万1,864円

このように、施設・グループホームともに規模が大きいほど待遇が良くなる傾向があります。就職先や転職先を探す際は、事業所の規模にも注目してみてください。

生活支援員の仕事に向いてる人の特徴

生活支援員の仕事内容や待遇を把握したところで、ここからは生活支援員の仕事に向いてる人の特徴を解説していきます。

生活支援員に向いてる人①明るく誠実

障がいを持つ方は、自分の障がいを受け入れられなかったり、長い時間をかけて壁を乗り越えたという方が多くいます。そのため、さまざまな悩みや事情を抱える利用者にいつも明るく接する生活支援員が関わることは、非常に重要なことだと言えるでしょう

また、利用者が不満を持った時に「しっかりと受け止める」「支援方法を見直す」といった誠実な対応は利用者にも伝わります。冷静な判断と誠実な対応は常に心掛けておく必要があります。

生活支援員に向いてる人②コミュニケーション能力が高い

コミュニケーション能力が高い方も生活支援員の仕事に向いています。例えば、障がいを持っている方は、思いもよらない時に繊細になってしまうことがあります。しかし、対応する生活指導員のコミュニケーション能力が低ければ、同じようなことで繰り返しつまずくかもしれません。

そのため、たとえ理不尽な申し出やトラブルがあたとしても、しっかりと向き合って解決に導くことができるコミュニケーション能力が必要になるのです。自分のコミュニケーション能力がどの程度か分からないという場合は、普段の人との接し方を一度思い返してみると良いでしょう。

生活支援員に向いてる人③観察力がある

生活支援員の仕事は、人の身の回りのお世話をする仕事であるため、観察力や洞察力に自信がある人はこの仕事に向いています。

例えば、「いつもと態度や仕草が違う」「作業が中途半端」など、ちょっとした変化に気付く力が求められます。なぜならば、人に対する観察力や洞察力に欠けると、大きな事故やトラブルにつながることがあるためです。

生活支援員の仕事に興味があるけれど、どちらかというと他人のことに無頓着だという方は、普段の生活の中で改善を図ることをおすすめします。

生活支援員になるには資格は必要?

生活支援員として働くにあたって、基本的に資格や経験は必要ありません。しかし、仕事をするには専門知識とスキルが求められ、公共の施設で生活支援員として働く場合は公務員試験に合格する必要があります。

生活支援員に直接つながる資格はないものの、生活支援員をするうえで役立つ資格は多くあります。具体的には、以下の資格が挙げられます。

【社会福祉士】

社会福祉士は国家試験のひとつで、医療・教育・福祉・行政機関などで利用者の相談に乗ったり、行政手続きなど行います。社会福祉士の試験は年1回行われ、19科目の筆記試験を受ける必要があります。

【介護福祉士】

介護福祉士は国家資格のひとつで、介護が必要な高齢者や障がい者の歩行・食事・排せつ・入浴などの介助を行います。介護の現場ではリーダーと位置付けられることも多く、スタッフの指導を任されることがあります。

【精神保健福祉士】

精神保健福祉士は、精神障がいを持つ方の社会復帰をサポートする仕事です。精神科病院や医療施設などで、就職をするにあたって必要な訓練や就職に関するアドバイスを行います。

生活支援員はやりがいのある仕事!

今回は、高齢者や身体障がい者・知的障がい者・精神障がい者の日常生活の介助や生活能力の向上をサポートする生活支援員の仕事について解説しましたが、いかがでしたか。

生活支援員の仕事に就く場合、基本的に特定の資格を取る必要はありません。ただし、就職や転職で生活支援員の仕事を目指す場合、持っておくと有利な資格があります。

記事の中では、生活支援員の仕事内容や待遇、生活支援員の仕事に向いている人についても解説しています。生活支援員の仕事を視野に入れている方は、ぜひ参考にしてみてください。

facebook
twitter
line