「介護福祉士」という職業に就くためには、国家試験に合格して資格を得ることが必要です。合格率は比較的高めの資格だと言われていますが、それでも当然不合格となる方もいます。しかし、なぜ介護福祉士の国家試験に落ちてしまったのか、実際に試験に挑んだ本人でさえ疑問に感じることもあるようです。今回は、この介護福祉士の国家試験に合格するためのポイントや、試験に落ちる方の傾向について徹底解説していきます。
介護福祉士の国家試験合格発表日はいつ?
介護福祉士になるためには、1年に1回実施される国家試験をクリアすることが求められます。試験は筆記と実技に分けられ、筆記試験は1月下旬に実施され、その後、実技試験が3月上旬に行われます。
国家試験の合格発表日は、3月下旬に厚生労働省の公益財団法人社会福祉振興・試験センター内において、掲示によって知ることができます。そして、合否の結果通知については各受験者に対して書面にて通知が行われます。
介護福祉士の合格率は?
介護福祉士の国家試験は、他のジャンルの国家資格取得における試験内容と比較しても、毎年の合格率が70%前後で推移しているため、比較的押さえどころをしっかりと学習した上で臨むことで合格を勝ち取りやすい国家資格であることがうかがえます。
そのため、難易度を考慮しても低い国家資格の種類となると言えるでしょう。しかし、すべて網羅した勉強法で試験に臨んだとしても、その年によっては問題の難易度が高度なものもあるなど、回答率を捉えても少々難しく感じるものもあるようです。
男女問わず、また、年齢に関係なく、毎年の受験者数宇が80,000人を超えることから、介護福祉士の国家資格を得た上で仕事に役立てる方が増えていることが分かります。
介護福祉士の合格ラインは?
介護福祉士の国家資格を取得する際、どのくらいの得点を得ていれば合格となるのか、実際に国家試験に臨む際の参考にしたいと思う方も多いでしょう。この介護福祉士になるための国家試験は、筆記試験と実技試験の両方にクリアしてはじめて取得することができます。
筆記試験の配点は、1問1点形式で行われ、問題数にして120~125問が想定されます。生活面における技術的な問題から認知症への対応、介護に関する様々な内容、そして医療についてまで、様々な項目に答えるだけの暗記力も必要です。
合格のラインは、全体の60%ほどとなり、70点を超える点数を得ておく必要があります。問題は5択式で解答するマークシートを利用した出題です。幅広い内容の出題があるため、すべてを網羅した知識を持って試験に臨むことが大切です。
実技試験においても筆記試験と同様、60%程度の回答率をもって合格となります。実技試験は、身体に麻痺がある方へのケア、また、視覚障碍者への対応、そしてベッドの上で体勢を変える際の介護法などが出題されます。
このように、介護福祉士になるためには、これらの試験項目を実践し、すべてクリアしてこそ合格することができるのです。
介護福祉士の試験に落ちてしまう理由
介護福祉士になるために一生懸命勉強を行っても、中には試験に落ちてしまったという方も当然います。なぜ勉強を行ったにも関わらず、試験に落ちてしまうのか、その理由を詳しくご紹介します。
理由①勉強時間が不足している
介護福祉士の資格取得のためには、自分で独学に励む方もいれば、養成学校で指導を受けることもできます。資格取得のためにそこに集中して勉強を行うことができれば、合格への道は切り開きやすいかもしれません。
しかし、多くの方は自分の仕事を持っている、あるいは主婦であっても育児や家事に追われているなど、介護福祉士の勉強だけに時間を費やすることが難しく、思うように勉強を進めていくことができない方も少なくありません。
出題範囲が広範囲であることを考慮すると、それだけの勉強量が必要になり、そのために時間を作らなければなりません。現実的にその時間を取ることができず、勉強時間が思うように取れなかったことが試験に落ちてしまった主な理由であると考えられるでしょう。
理由②知識が定着していない
よく言う「一夜漬け」で勉強を行えば、確実に得点に結びつくといった試験内容とは程遠いと言われる介護福祉士の国家試験は、やはり長期的に知識を取り入れ、自分の中で整理を行うことでその知識が定着していきます。
そのため、試験前に一夜漬けで勉強しても、まず合格することは難しく、確実に合格を勝ち取りたいと思う場合は、過去問や模擬試験に挑戦するのももちろん、毎日コツコツと決めた範囲まで必ず勉強を行うなど、習慣化させていくことが大切です。
そうすることで出題範囲が広い介護福祉士の豊富な知識をインプットしていくことができるので、合格への近道になると言えるでしょう。
理由③緊張している
自宅で時間をはかって過去問に取り組んだり、模擬試験でしっかりと点数をクリアしていても、それでも試験に落ちてしまう方もいます。
これは、当日の試験で緊張のあまり、問題に対する時間配分を誤ってしまい、全問クリアに到達できなかった、あるいは、問題を最後まで読まずに解答してしまった、さらに、時間が足りないために見直すことができなかったなど、様々な問題点があった可能性があります。
本来の自分の実力を最大限に発揮することができなかったために試験に落ちてしまったのかもしれません。このようなことを避けるためにも、普段から本試験に臨んでいるという気持ちを持つことが大切です。
介護福祉士に合格するための対策
それではここからは、介護福祉士に合格するにはどのような対策を講じれば良いか、以下にその対策法を7点ご紹介します。これから介護福祉士しとして活動していきたいために国家試験に合格するための対策法を知りたいという方は、ぜひ効果的な対策法をチェックしてみてください。
対策①自分のミスの傾向を把握する
毎回の模擬試験や過去問で、自分がどの問題をよく間違えてしまっているか、自分のミスを把握することで、その単元の弱さを知ることができます。
そうすれば、しっかりと勉強し直しておかなければならない部分が見えてきます。このように、自分のミスがどのような傾向を辿っているかを分析することを行ってみましょう。
対策②何度も繰り返し理解を深める
先述の通り、介護福祉士の国家試験に合格するためには、幅広い知識が求められます。そのため、問題集を行い、確実に解答することができるまで、しっかりとテキストを隅から隅まで読み、すべてを覚える気持ちで勉強を行ってください。
人は繰り返し行うことでその知識が定着すると言われています。そのため、全体の範囲を何度も繰り返し勉強を行い、理解を深めていくことが合格への一歩となるのです。
対策③受験対策講座を受講する
介護福祉士の国家資格を取得する際は、自分で独自で勉強を行う以外に、通信教材を使用した勉強法、また、介護福祉士の受験対策を提供する講座を開設する学校もあります。そのため、資格取得に向けた受験対策講座を利用して効率よく勉強するのもひとつの対策法だと言えるでしょう。
対策④モチベーションを維持する
1年に1度実施される介護福祉士の国家試験ですが、人によっては1年間という長い期間、自分のモチベーションを維持するのはそう簡単なことではありません。しかし、介護福祉士の資格を取得して業務を行うことで、毎月の給与ベースが10,000~20,000円アップにつながります。
また、介護福祉士の資格取得者を求める施設も多く、キャリアアップを目指していくことができます。このように、資格取得によって得られるメリットを常に頭に置いた勉強法を実施し、モチベーションを維持していきましょう。
対策⑤基本を徹底的に落とし込む
幅広い知識を持って試験に臨むことが求められる介護福祉士の試験は、過去問を見ても、基本知識が求められることが大半です。中に応用問題が組み込まれているなど、少々難易度が高い問題も出題されています。
しかし、覚えることが膨大な量のため、まずは基本的な内容を網羅することができるよう、基本知識に焦点を置いた勉強を行ってみてください。そうすることで得点を高めていくことができるはずです。
対策⑥苦手科目を集中的に勉強する
勉強に取り組んでいるからこそ、自分の苦手科目を知ることができます。勉強していて、また過去問など試験問題を実際に解いてみても、いつも間違う箇所が同じ科目であれば、苦手な部分に絞って集中的に勉強するのも対策法のひとつです。
自分が苦手とする科目がわかれば、ピンポイントで覚えようという意識も高まる分、得点に結びつきやすくなるでしょう。ぜひそのように実践してみてください。
対策⑦早めに試験勉強にとりかかる
1年に1回の試験が行われる介護福祉士の資格試験ですが、試験日までまだほど遠いとなると、人は勉強を後回しにしてしまうものです。
しかし、介護福祉士の試験内容の範囲や勉強量を考慮すると、そうのんびりとした姿勢では、なかなか合格を勝ち取ることはできません。そのため、人よりも早めに勉強に取り掛かり、知識を少しでも定着させていくのが合格への鍵となるでしょう。
勉強時間を確保して介護福祉士の資格を取得しよう
介護福祉士として業務を行うために、試験に必要な対策をはじめ、実際に試験に臨んでも落ちてしまった方の共通する傾向について詳しく解説しました。介護福祉士は求められる人材であることから、毎年受験者も多く、資格取得によってそれを活用して仕事を行っていることが分かります。
これから介護福祉士の国家試験にチャレンジする方は、ぜひこの記事を参考に、自分に最適な勉強法を見つけだし、確実に合格への道を進んでみてください。