高齢者の方が心身機能を高め、現状を維持していく、また認知症を予防することを可能とする脳トレは、デイサービスや介護施設で楽しいレクリエーションとして行われています。脳トレによってコミュニケーションをはかり、楽しく過ごすことによって生き甲斐を感じるなど、脳トレには様々な効果があります。今回は、高齢者におすすめしたい人気の脳トレを15種類ご紹介します。各脳トレの特徴を徹底解説していきます。

目次

高齢者の脳トレは認知症予防に効果的

私たちは年齢を重ねることで脳内の血流が悪くなり、それによって脳に必要な酸素や糖分の不足が起こり、物忘れなど認知機能に大きな影響を及ぼすと言われています。

中には年齢を追う毎に忘れっぽくなった自分がいると実感する方も多く、認知症を疑ってしまい不安に感じた経験を持つ方もいるのではないでしょうか?そのように感じる方にぜひおすすめしたいのが「脳トレ」です。

脳トレは、記憶や学習機能、感情のコントロールなどに働きかけ、「前頭葉」の「前頭前野」を刺激することができます。ここを刺激し、活性化させることによって、認知症を予防、また、脳が老化してしまうスピードを遅らせることができるのです。

その際、計算やクイズなど、簡単なものを繰り返し行うことで脳に良い効果をもたらしてくれるなど、脳トレが認知症予防効果が高いことが分かるでしょう。

脳トレや頭の体操をする際の注意ポイント

脳トレが効率よく認知症を予防する効果を発揮してくれることが分かりました。では、実際に脳トレや頭を刺激するための良い体操を行っていく中で、どのようなことに注意すべきか知りたいという方も多いのではないでしょうか?

楽しく脳トレを行うためにも注意しておきたいポイントを以下に3点ご紹介します。それぞれの注意点を確認した上で脳トレを行っていきましょう。

脳トレのポイント①簡単な内容を続ける

脳トレを行う際、高いハードルを掲げ、脳を活性化させようとしてはいけません。人は難問になればなるほど答えを導き出すことが困難となり、考えることを辞めてしまいます。答えられない分、楽しいと感じることができないからです。それでは脳トレを行う意味がありません。

だからこそ、脳トレは簡単に答えを出すことができるものを長く継続し、楽しみながら行えるかが最も重要なポイントとなるのです。そのためにも一人で考える脳トレももちろんですが、デイサービスや老人ホームでのお友達と共に楽しめるゲームを行ってみるのも良いでしょう。

人と関わりながら行うことで良いコミュニケーションが取れるため、それによって脳への刺激につながり、細胞を活性化させることができます。ぜひ簡単な内容を続けて行っていきましょう。

脳トレのポイント②楽しみながら会話をする

普段から人と話をする時、楽しみながら会話をしているとそれだけで言語中枢の活性化につながります。そのため、脳トレを行う時は、一人で楽しむものもあれば、複数人で一緒になって楽しめるようなゲームや体操を行ってみましょう。

そうすることで、それだけで楽しい気持ちを持つことができ、脳へ良い刺激を与えることができるのです。そのため、せっかく脳トレを実践するなら、会話を楽しみながら行えるような内容を盛り込んでいくことをおすすめします。

脳トレのポイント③安全に行う

脳トレには座って考える内容もあれば、身体を適度に動かしたものまで様々なレクリエーションがあります。座った姿勢のまま行える脳トレであれば、高齢者特有の転倒事故がなく安全に楽しめます。

しかし、身体を動かすために立った姿勢で行う脳トレなどは、思いもよらないことが起こる可能性もあるため、転倒し、ケガをしてしまうことがないよう、周囲に物がないような広いスペースで行うこと、また、高齢者から目を離さぬよう配慮しながら安全に行うようにしましょう。

高齢者におすすめの脳トレ15選

それではここからは、高齢者にぜひおすすめしたい人気の脳トレを15種類ご紹介します。それぞれの脳トレの特徴や、どのような作用をもたらすのか、高齢者が楽しみながら行える脳トレをひとつずつ詳しくみていきましょう。

高齢者におすすめ脳トレ①なぞなぞ

なぞなぞは、あらゆるテーマで出題することができます。専用のなぞなぞ本を活用すれば、問題数もたくさんあります。なぞなぞを特時は、脳の使い方が普段とは異なるため、思考が働く上、想像力を発揮することができるため、良い頭の体操を行うことができます。

また、難しい問題やひねりの利いた問題でも、解けた時にとても達成感を味わうことができます。この感覚こそ脳に絶好の刺激を与えることができるとして「なぞなぞ」は高齢者の脳トレに最適だと言われています。

ぜひ、マンツーマンでのなぞなぞをはじめ、複数の方とコミュニケーションをとりながら、手を挙げて解答するなど、楽しみながら実践してみましょう。

高齢者におすすめ脳トレ②規則発見

規則性を理解する、理解しようとする試みは、脳へ良い刺激を与えることができます。規則発見の脳トレは、決めた規則に沿って数字を並べ、答えを導き出すべき数字に「?」マークを付けます。両隣の数字を照らし合わせてみることで、ある規則を読み取り、答えを発見することができます。

たとえば、「1」「2」「2」「3」「3」「3」「4」「4」「4」「?」だと、「?」には「4」が入ります。また、「2」「4」「?」「8」「10」なら、「?」は「6」が答えです。

このように、ひとつのルールを定めた規則を発見することによる脳トレを行ってみることをおすすめします。問題のパターンは様々に作ることもできます。ぜひチャレンジしてみてください。

高齢者におすすめ脳トレ③ユニークしりとり

ユニークしりとりは、自分が思いついた言葉を紙に書き記すことでしりとりを作ります。できるだけユニークだと感じる言葉をつないでしりとりを考えてみてください。

ユニークさをはかる言葉を考えることじたいが想像力の刺激となり、良い脳トレにつながります。紙にユニークなしりとりを完成させたら、一人の人が最初のしりとりを口頭で発表します。

その言葉と自分の言葉が同じだった場合、書いた紙を捨て、5回繰り返し行った後、たくさんの紙が手に残った人が勝ちとなります。通常のしりとりを応用したしりとりゲームのため、実践しやすくおすすめです。

高齢者におすすめ脳トレ④点つなぎ

点つなぎは小さな子供も行うことが多い遊びですが、高齢者に向けてはとても良い脳トレになります。1~順番に点で番号をつなぐ、あるいはアルファベットやひらがなで点をつないでいくことで、動物や植物、食べ物や記号など、様々な絵が浮かびあがってきます。

視覚で浮き上がった絵を確認すること、また、手を動かすことで脳へ刺激を与え、自律神経を刺激させるなど、さらにどのような絵が出来上がるのか、自分なりに想像力を働かせながら自由に行うことができます。

自分のペースでゆっくりと時間をかけて行うことも可能です。楽しみながら実践することができるので、ぜひ高齢者の脳トレに活用してみてください。

高齢者におすすめ脳トレ⑤歌クイズ

高齢者の年代に合わせた歌を録音し、最初の触りだけをイントロ形式で流し、その曲名や歌手名を当てるゲームです。昔懐かしい曲を聴くことで、耳から脳へ刺激を与え、その頃の様子を回想できるなど、自分を思い返すことができます。

過去のことを思い出せれば、忘れっぽくなることも予防していくことができます。また、自分が知っている曲が流れることで気持ちも明るく楽しくなるでしょう。正解したら、曲を流してみんなで歌って楽しめるなどおすすめの脳トレです。

高齢者におすすめ脳トレ⑥ひらがなの並び替え

少々難易度を高めたひらがなの並び替えは、5つのひらがなを、意味のある言葉になるよう上手に並び替えて言葉を作るゲームです。

目の前にあるひらがなを読み、それを言葉にし、その言葉からそのものを想像する力をつけるなど、思考力も想像力も試すことができるゲームです。ヒントを頼りにしながらしっかりと解答を導き出していきましょう。

高齢者におすすめ脳トレ⑦間違い探し

小さい子供のドリルにもよくある間違い探しこそ、高齢者の脳トレに最適です。上と下の絵の中で、どの点に違いがあるか、5つ選ぶなど、記憶力と観察力を刺激することができます。

また、違いを理解することができるよう、はじめは簡単なイラストや絵柄のものから始めてみると解く楽しみがあり、チャレンジしやすくなります。また、ゲーム感覚で楽しみながら行える脳トレとしても魅力があります。間違い箇所には〇を付け、一緒に解答をしてみましょう。

高齢者におすすめ脳トレ⑧お金の計算問題

高齢者にとって、計算力の低下は大きな問題につながる可能性も高く、できる限りしっかりとお金の計算を行えるのが理想です。その計算を楽しみながら行うには、初級者から始められる硬貨の絵柄を見て、合計金額を導き出す計算問題がおすすめです。

時に、イラスト入りで金額表示がある問題にすると、気分を変えて計算問題に取り組むことができるでしょう。かつてそろばんや暗算を得意としていた高齢者の方であれば、より頭を働かせてチャレンジしていくことができるでしょう。ぜひお金の計算問題に挑戦してみてください。

高齢者におすすめ脳トレ⑨おちゃらかホイ

「おちゃらかおちゃらかおちゃらかホイっ!」は昔から行われているじゃんけんです。「おちゃらか勝ったよおちゃらかホイ!」「おちゃらか負けたよおちゃらかホイっ!」と、万歳する姿勢、泣くような姿勢など、身体の動きをつけながら行ってください。

「おちゃらかあいこだおちゃらかホイっ!」と、あいこの時は両手を腰に当てる姿勢をとってください。頭を使ってじゃんけんで何を出すか、また、勝った、負けた、あいこでどの動作をつけるべきか、考えながら行うゲームです。

そのため、しっかりと脳へ刺激を与えることができます。少しスピードアップさせてみるとより楽しめるでしょう。ぜひ実践してみてください。

高齢者におすすめ脳トレ⑩指折り体操

指折り体操は、数を数え、指を順に折り曲げ、1~10まで数えていく脳トレです。はじめはうまく数えながら指を折るタイミングが掴めない高齢者もいるため、ゆっくりとしたスピードで確実に行えるよう練習してみましょう。

慣れてきたら最初よりも少しスピードアップさせて実践していきます。リズムよくできるようになるまで繰り返し行ってみてください。

高齢者におすすめ脳トレ⑪指先体操

身体の中でも特に、指先をしっかりと動かすことで、脳への神経を刺激させ、活性化させることができると言われています。そのため、あえて指先体操を行うことで、考える力を養うことができます。手を広げた状態から指を折り、グーの状態から再び指を伸ばし、パーまで広げていきます。

両手を同時に行う際は、右手は親指から折り、左手は小指から折るなど、少し難易度をアップさせても良いでしょう。

難しいと感じる場合は両手の動きを同じにして実践すると、笑顔で行えるレクリエーションです。毎日5分間リズミカルに、また、軽快な音楽に合わせて行うとより楽しく実践することができます。

高齢者におすすめ脳トレ⑫親指と小指のダンス

親指と小指をダンスさせることで、脳に良い刺激を与えていくことができる脳トレです。両手を握り、右手の小指、左手の親指を立てた状態で始めていきます。「1」で親指、小指を引っ込め「2」で右手の親指、そして左手の小指を立てましょう。

再び「3」で親指と小指を引っ込め、「4」で始めの状態にしてください。これを何度も繰り返し行い、好みの曲に合わせるなど、リズムよく行える音楽をチョイスして実践してみてください。

高齢者におすすめ脳トレ⑬後出しジャンケン

2人で行う後出しジャンケンは、後で出した人が勝つ、また、あいこになる、負けるなどで遊ぶゲームです。テンポよく行っていくことができれば、少しスピードアップして行ってみましょう。

後出しのタイミングやルールを考えながら行わなければならないため、意外と頭を使うおすすめの脳トレです。ぜひ実践してみてください。

高齢者におすすめ脳トレ⑭足踏み体操

椅子に座った姿勢から始める足踏み体操は、高齢者に最適な身体を動かしながら行える脳トレです。やり方は、椅子に座った姿勢でそのまま腕を振り、足踏みを行ってください。

右腕、左腕を振り、その後、手拍子を加えます。30まで数を数え、繰り返し行います。リズム感覚を掴みながらテンポよく行っていきましょう。

高齢者におすすめ脳トレ⑮ボールパス

高齢者でもやさしく身体を動かし、リズムに合わせてボールを投げ、運動機能を高める方法です。この時、曲の中に「あ」の文字が聞こえたらボールを相手に投げる、また、数字を発しながら投げるなどで行ってみましょう。

その他、しりとりをしながら投げる、古今東西を行いながら投げるなど、プラスアルファなルールを含めるととても楽しく運動を行えます。

ただし、ルールを加えることで難易度が高くなりすぎ、ボールを投げる、受け取ることに失敗してしまった際に転倒するなどケガの恐れもあるため、状況に応じてルールを変更して行うことがおすすめです。

レクリエーションに盛り込んで楽しみながら脳トレしよう

高齢者にぜひおすすめしたい人気の脳トレを厳選し、15種類ご紹介しました。各脳トレの方法やルールをご紹介するとともに、脳トレを行う際の注意点など、様々な情報をお伝えしました。

この中で、高齢者が楽しめそうな気になるレクリエーションはありましたか?ぜひ本番で実践してみてください。

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