看護助手、看護補助者は、患者を世話したり、文字通り看護師の補助を行ったりする仕事になります。そんな医療の現場に出向く看護助手のバイトというのは、学んでいる最中の看護学生でもできるのでしょうか?本記事では、看護助手の業務、そして学生でもバイトが出来るのかを解説します。

目次

看護学生とは

そもそも看護学生の定義とは、看護師を目指すべく看護関係の専門学校や看護短期大学、看護大学などに通っている学生のことを言います。専門的に看護を学ぶだけあって、卒業生の多くは看護の業界に従事することになります。

勿論看護業界にしか道がない訳ではなく、保健師や助産師などになる為進学をされる方も居ます。通常の大学と同じように夏休みや冬、春休みなど長期休みが設けられているので、その時期にアルバイトをする事ももちろん可能です。

看護学生と看護助手の違いは?

そんな看護学生と看護助手との違いについてですが、看護助手は医療の現場で看護師の仕事をサポートするといった役割が主です。特に資格なども必要なく、看護学生も医療の資格や経験というのはほとんど持っていません。

基本的に両者とも医療の資格を持っている訳ではないので、可能な業務内容には大差ありません。只、看護学生については医療現場で必要な技術を実習で学んでいる事もあります。

その他、学生なのか一般人なのかという違いもあり、看護学生は学生故にフルタイム勤務は不可ですが、看護助手は一般人なのでフルタイム勤務が可能です。

看護学生は看護助手のバイトはできる?

看護学生とはどんな立場なのか、そして看護助手とはどんな業務内容なのかを、簡単にではありますが解説しました。では、看護学生の身で看護助手をアルバイトとして勤める事は可能なのでしょうか?

看護助手の業務内容

一般的な看護助手の業務内容としては、病院の患者の身の回りの世話、および看護師の業務のサポートです。ベッドシーツを交換したり、周辺の清掃、食事の配膳や着替えの手伝いなどが世話に当たります。

看護師のサポートとしては、診察を行う際の手伝いや看護業務の記録、カルテ運び、レントゲン写真や血液検査結果の整理といったように、雑務と言われる内容になります。クリニックのような小規模な所であれば、受付等も担当する事になるでしょう。

1日の流れ

  1. 食事の配膳
  2. 部屋の清掃準備
  3. 患者の清拭
  4. 合間に看護師から依頼されて検査出し
  5. 清拭車の片づけ、ベッドのリネン交換
  6. 配膳、食事の介助
  7. 洗髪、手浴、足浴などの患者のケア
  8. カンファレンスに参加
  9. ケアの続き、検査出し等
  10. 水場の清掃など環境整備

1日の看護助手の仕事の流れは、このような形になります。見て分かる通り難しいスキルが発生するような事は無く、1か月から2か月ほど勤めれば内容にも慣れてくるでしょう。

看護助手のスキル不要だから看護学生でもバイトできる

上述したように、看護助手の業務において特殊なスキルが求められる場面はありません。それゆえに、現在医療を学んでいる看護学生の方であっても、十分にアルバイトとして務まるといえます。

いくら看護学生であるとはいっても、資格も持たず経験があるわけではありませんから、最初からスキルなど求めていないのです。最低限の業務を任されられるだけですから、それは実践しながら覚えていけば良いだけの話です。

尚、看護学生というのは1年生の内から基礎的な看護技術は学びます。ベッドメイキング、清拭、体位交換やベッドから車いすへの移動介助等を、実習などで知りますので、その知識を生かす事も出来るでしょう。

看護学生が看護助手のバイトをするメリット

とにかく業務内容は特別な技術が求められるわけではありませんので、看護学生であっても務まる事は間違いありません。では、看護学生が学んでいる立場であるうちから看護助手のバイトをするメリットとは何でしょうか?

メリット①病院の雰囲気がわかる

まず1つ目のメリットは、病院内の雰囲気を把握できる事です。やはり実際に医療の現場で、アルバイトとはいえ従事することになるわけですから、医療行為を助手として間近で見られるのは看護師を目指す身としては非常に実りのある時間となるでしょう。

実際の医療の世界というのは、人の生死にかかわる最前線であるために、相応に緊張した雰囲気が漂っているものです。もし学校を卒業後に看護の業界に入ってからも、その経験があるために早々にリタイアするといった事は少ないと思われます。

メリット②幅広い知識を得られる

2つ目に、幅広い知識を現場で得られるというメリットが挙げられます。看護助手の仕事をする上では、患者の世話や医療器具などを管理するのが日常的かつ中心になりますので、必然的に看護、および医療の知識も自然と身に付くのです。

特に患者の介助を行う場面では、看護師ではなく看護助手が中心となって務めるものですから、その介護についての経験、そしてそこからくる知識は並の看護師以上になれるかもしれません。

また、介護士や看護師といった資格取得のための実地経験というだけではなく、実生活においても細やかに気を遣えるようになるなど、知識も経験も役立てられるでしょう。

メリット③看護師を目指すうえで土台になる

そして何よりも、看護師を目指すうえでの土台になる点は大きいでしょう。先に述べた通り、看護助手というのは資格を保有していなくとも応募要件さえ満たせられれば誰でもすぐに働けるものです。

それゆえに、看護師や准看護師を目指す足掛かり的な意味合いで、まず看護助手として医療現場に携わるという方も居るほどです。加えて、ベッドシーツ交換、食事介助など介護に通ずる業務も多いので、介護の業界に進みたい方にも良い経験となるのは間違いありません。

看護学生が看護助手のバイトをするデメリット

この様に、看護学生が看護助手のアルバイトをする事は、そうした業界に進むことを考えているのならば多くのメリットがあります。ですが、実際にアルバイトにするとなると大変な面がある事も覚えておくと良いでしょう。

デメリット①介助業務が大変

まず1つ目は、介助業務は思っている以上に大変であるという事です。患者の食事、入浴などの介助をするときには、介護に近い事を行いますから、慣れていない方にとっては苦労をすることになる可能性が高いのです。

アルバイトであっても、立派な介護助手として仕事を請け負っている事に変わりありません。高齢者や病人の介助業務となれば些細な所にも気を遣わなければならない事が多くなるので、より大変さを感じるでしょう。

介助とは別になりますが、看護師の手が回らない部分のサポートなども行いますので、清掃、備品の管理などの雑用も多いものです。そうした業務も欠かせないものなので、事前に内容をしっかり確認する事をお勧めします。

デメリット②生活リズムが乱れる

2つ目は、生活リズムが崩れる可能性がある事です。やはり看護の現場は24時間いつでも対応できるようにしていなければならないので、日勤と夜勤両方あります。その為、夜勤が入るとなると生活リズムを乱されやすくなるのです。

アルバイトとしてどこで看護助手に携わるかを決める求人を決める時には、労働条件なども記載されている筈ですから、そこには日勤のみなのか、それとも夜勤も含まれるのかは分かるでしょう。

全くの未経験の方の場合には、夜勤もやれるという条件にした方が採用はされやすいかもしれません。只、学生の身としては勉強ももちろんありますから、そのバランスを考慮する必要があります。

デメリット③給料が安く人手不足の現場が多い

もう1つ、給料が安め、かつ人手不足の現場が多い事が挙げられます。介護の業界などだと非常に人手が不足しているという話はよく聞くかもしれませんが、看護業界も同じく人手が足りていない現場が多いのです。

人手が足りない現場故に、看護助手にも色々な仕事が回ってくるので、内容としては大変なものになります。もしもこれで待遇が良ければ納得できない事は無いでしょうが、実際は給料が安めであると言われています。

勿論、条件というのは病院によって異なりますが、大抵の居酒屋などのアルバイトの時給等と比べると低い場合がほとんどの様です。

看護助手をしておくと仕事の幅も広がる

実際の医療の現場に出て働くという事になるので、その業界を目指している看護学生の方が看護助手のアルバイトをするのはとても身になるでしょう。只、内容も最前線で働く以上、苦労する事も多いです。

それでも、経験というのは非常に大切ですし、実戦で身に付けられるスキルというのは多いものです。人を助ける事の出来る仕事でもあるので、相応のやりがいもあるでしょう。ご興味のある方はぜひ挑戦してみてください。

facebook
twitter
line