介護の業界と言えば、高齢化が進んでいる日本において非常に需要が高い業界です。そんな介護業界では、どの企業が多くの売り上げの業績を上げているのでしょうか?本記事では、介護業界への就職、転職を検討されている方向けに、介護業界の売り上げをランキング形式でご紹介します。

目次

介護業界の現状

現状の介護業界を見てみると、2015年から年々増加している傾向にあり、2020年までの調査まで拡大している事が分かっています。これは高齢者の増加が背景となっていて、2021年現在では要介護認定者数は700万人に上っているのです。

厚生労働省の調べでは、2020年度の介護保険の総費用は前年度から2.6%増の10兆7,783億円で、3年間連続で10兆円を突破しているのです。介護サービスのみで10兆5,078億円となっているので、非常に大きな業界になっている事も分かるでしょう。

拡大していく業界の動きを受けて、異業種からの参入も増えています。ニチイ学館、SOMPO HDやベネッセHDなどが挙げられ、老人ホームやシニア向けの賃貸住宅サービス等を展開しているのです。

就職・転職の参考に!介護業界の会社売上ランキング

やはり高齢者が増加しているという状況に基づき、介護業界は大きな需要があると分かります。それでは、そんな業界の中での売り上げを記録している企業をランキング形式で10社ご紹介していきます。

介護業界ランキング①ニチイ

第1位は、ニチイです。介護業界においても最大手となっており、2021年の売上高合計は1,537億円になります。介護付き老人ホームの「ニチイホーム」が有名であり、東京や神奈川、千葉などの首都圏を中心として60以上の施設を展開しています。

それだけではなく、グループ企業であるニチイケアパレスも、介護サービスや家事代行サービスといったものを展開中。経営陣の買収によって2020年11月から上場こそ廃止されたものの、依然として介護業界での売り上げはトップを維持しています。

介護業界ランキング②SOMPOホールディングス

第2位は、SOMPOホールディングスになります。こちらは国内の損害保険事業を展開している企業で、そのグループ企業であるSOMPOケアが介護事業を行っており、売上高は1,318億円になります。

主に有料老人ホーム事業、居宅サービスが中心になっており、要介護者へのサービスを展開する事で業界2位の売り上げになっています。ニチイ同様、首都圏を中心に老人ホーム等を展開していますが、地方都市でもサービスが利用できます。

介護業界ランキング③ベネッセ

第3位は、ベネッセになります。ベネッセと言えば進研ゼミが有名で、教育事業では広く知られている企業ではありますが、ベネッセグループの中で介護事業をしているのがベネッセスタイルケアになります。

介護関連の事業としては、高齢者向けホームや住宅の運営、在宅介護サービス、介護職員の研修に人材紹介サービスなどを展開しています。売り上げは1,238億円で、入居型のサービスの拠点もシリーズ分けされ、ニーズに応じられます。

介護業界ランキング④ツクイ

第4位のツクイは、介護事業をこれまでに35年以上続けている企業です。デイサービス、住まい、在宅、人材、リースといった事業があり、中でもデイサービスは全国の事業所数が合計500を超えるという展開力となっています。

2021年は売り上げが932億円、総事業所数も多く、全国で650か所、利用者数も8万人近くで、自治体カバー率は50%を超えるなど、全国で事業を行っているのです。歴史がある分知名度も高く、トップ5に入るだけの事はあります。

介護業界ランキング⑤セコム

第5位は、セコムです。セコムと言えば警備企業として最も有名と言って過言ではない程ですが、それも国内で初めて実践したからであり、メディカルサービス関連の事業も行っているのです。

718億円の売上高で、訪問介護、薬剤提供といった在宅医療のサービスを主軸に据えて、シリアレジデンス運営等の介護事業も展開しているのです。訪問介護、デイサービスは首都圏中心で、シニアレジデンスは東京と神奈川、そして兵庫県にあります。

介護業界ランキング⑥学研

第6位は、学研です。学研ホールディングスは、ベネッセと並んで学習塾をはじめとした教育関連のサービス、出版といった方面で知られていますが、介護業界ではサービス付き高齢者住宅、認知症グループホームなどの施設運営が軸になっています。

その中でも特に認知症グループホームの売り上げは大きく、認知症早期発見や予防を産学と共同で行っています。また、高齢者住宅や施設も国内外合わせて400棟以上あり、売り上げは642億円です。

介護業界ランキング⑦ユニマット・リタイアメント・コミュニティ

ユニマット・リタイアメント・コミュニティは「そよ風」ブランドとして高齢者向け複合介護施設を運営している事で有名です。運営内容は多岐にわたり、デイサービス、グループホーム、ショートステイ等様々な事業を手掛けています。

全国に合計300の拠点、そして600の事業所で介護サービスのそよ風ブランドを展開中で、ワンストップ方式でニーズにマッチしたサービスを提供しています。2021年の売り上げは522億円になります。

介護業界ランキング⑧セントケアHD

第8位は、セントケアホールディングスです。訪問介護、訪問看護、そして居宅介護支援等の在宅関係のサービスに加えて、ショートステイや老人ホームなど施設運営も手掛けている企業になります。

介護サービスに関しては同社の主力となっており、全国にある持分法適用会社を含めて合計26の都道府県にある549の営業所があります。売上高は459億円で、2020年にも新施設の解説やスタッフ増員も行っています。

介護業界ランキング⑨ソラスト

第9位のソラストは、居宅介護支援、訪問介護、通所介護、ショートステイ、グループホーム、老人ホーム運営、訪問看護と事業を展開していて、首都圏の他に関西圏や中京、山陽と他方でサービスを行い、合計600以上の事業所を持っています。

積極的にM&Aを行った事で大幅に収益を増加させたことがランキングに入った要因でもあり、2012年から右肩上がりの増収となっています。売上額は423億円、今後も発展が見込める企業と言って良いでしょう。

介護業界ランキング⑩ケア21

最後の第10位は、ケア21になります。訪問看護、介護、居宅介護支援、介護付有料老人ホームなどの総合福祉事業を手掛けており、職員の研修を充実させていて高品質なサービス提供ができる体勢を整えています。

2020年に、東京都内に3つ、京都に1つ、宮城に1つ、大阪に3つ、そして兵庫に2つと計10の拠点を新しく展開していて、今後の売り上げ増加も期待できます。2021年売上高は370億円でした。

介護業界ホワイト企業の特徴

近くにランキングに入った企業が運営している福祉事業所はあるでしょうか?折角であれば待遇の良いところで働きたいところでしょうが、ホワイトと言われる企業の特徴もここで見てみましょう。

特徴①キャリアアップがのぞめる

まず1つ目は、キャリアアップが望める事です。資格取得支援制度であったり、各種の研修制度が充実していれば、それだけキャリアアップにも挑戦しやすくなりますので、スタッフの成長にも力を入れていると見て取れます。

キャリアアップすれば勿論さまざなな仕事を任せられるようになったり、待遇で言えば給料アップなども間違いなく狙えます。そうした体制を企業側が用意してくれていると、嬉しいところでしょう。

特徴②福利厚生が充実している

2つ目に、福利厚生が充実している事です。やはり福利厚生の面はどこであっても優良な企業であれば充実していて、各種の保険制度が設けられていたり、産休、育休なども取得しやすいかが関係してきます。

介護職で勤務されている方で特に不満として多いのが、この休日や待遇関係です。国による見直しがされているとはいえ、内容がきついにもかかわらず給料が安いといった所もあるので、その点は注意しましょう。

特徴③求人の掲載があまりない

3つ目に、求人掲載があまりない事です。求人サイトで多く見かけるという事は、それだけ人が足りていない事の裏返しであり、逆にあまり見かけないのであれば人手も足りていて、いきなり過重労働を課せられる事は無いでしょう。

介護業界の今後は?

大きな業界である事は間違いない介護業界。益々規模が大きくなると言われてはいますが、実際今後の介護業界はどうなっていくのでしょうか?

今後①高齢者が増える

まず、高齢者の増加によって業界の需要がさらに高まっていくと考えられます。現時点でも国内の高齢者は増加する一方であり、2025年には3,700万人近く、2040年中ごろにはピークを迎えると言われているので、ニーズは高まっていく事でしょう。

今後②政府が給与など処遇の改善を検討している

業界を目指すうえでネックとなる給与などの待遇についてですが、国がテコ入れを検討している事が分かっており、特定処遇改善加算によってキャリアのある職員の給料アップが計画されています。

これまで介護業界は、きついけれど給料は低い、と言われ続けてきましたが、この改善が実現すれば賃金水準も高まっていくでしょう。

今後介護業界はより拡大する!

今後の介護業界は、高齢者の増加という現状があるので拡大する事はまず間違いありません。業界に興味のある方は、是非とも就職や転職の際の参考にしてみてください。

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