高齢者や障碍者の生活をサポートする生活支援員。名前の通り生活を助ける事が主な業務になるわけですが、実際の仕事内容はとてもきついという噂があります。実際に生活支援員の仕事というのはきついものなのか、そして悩みを抱えた場合の対処法はあるのかなどを解説していきます。

目次

まずは生活支援員について知ろう!

高齢化が進んでいる日本社会において、介護の業界は非常に需要もあり、今回ご紹介する生活支援員もその1つです。まずは、生活支援員がどんな仕事をするのか、内容について知っていきましょう。

生活支援員の役割

生活支援員というのは、福祉施設や事業所において、高齢者、および障碍者の日常生活を支援する事が基本的な役割になる仕事です。例えば食事や入浴、衣類の着脱など、普段の生活で必要な動作の支援や指導をします。

続いて、日常生活を送る上での不安や悩みに対する相談、そして園芸や農耕といった就労向けの職業訓練サポートなども行います。

ただし、あくまでも言葉の通りの支援を行うまでであって介護ではありません。その為、残存機能の維持向上が図れるよう、当人が出来る事は当人にやらせるのが基本となります。

生活支援員の仕事内容は施設により違う

基本的な生活支援員の仕事内容、および役割というのは先に述べた通りですが、働く施設によっては異なってくるところがあります。例えば、高齢者施設や老人ホームに勤める場合、先に挙げた衣類着脱、入浴介助、農耕や園芸の指導などがあります。

障碍者支援施設に勤める場合には、利用者の健康管理、身辺サポート、生活の維持等を行い、更に就労移行支援事業所ならば就労に必要な生活上の習慣、技能といったものを身に付けるための支援、不安や相談の解消が主な仕事内容になります。

生活支援員の仕事はきついと言われる理由は?

生活支援員が具体的にどんな仕事をしているのか、大まかにではありますがおわかりいただけたかと思われます。確かに介護や高齢者等を相手にする仕事は大変というイメージがありますが、その中でもなぜ生活支援員はきついと言われているのでしょうか?

生活支援員の仕事がきつい理由①重労働

まず1つ目は、重労働である事です。先に解説した通り、生活支援員の仕事は対象者の生活を主に全般的にサポートする事です。それゆえに、想像している以上に様々なシーンで体力を消耗しなければならなくなります。

また、勤務中は相手の支援を行うために基本的に動き回ってばかりいるので、体力に自信のない方はどうしても疲れがたまりやすいのです。こうした肉体的な負担が大きくきついと感じるのは、職種ならではの悩みなのでしょう。

生活支援員の仕事がきつい理由②汚い

2つ目は、汚い事です。生活支援員の仕事というのは、非常に不潔な事が多いのです。例えば利用者がトイレもまともにできないのでそれを介助しなければならなかったり、失禁を繰り返す利用者なども居ます。

その他、下半身を触ってまともに手も洗わなかったり、外出時には平気で犬のフンを触るなどしたりもするので、こうした尻ぬぐいをすべてしなければなりません。

生活支援員の仕事がきつい理由③精神的疲労

3つ目は、精神的な疲労によるものです。あくまでも勤務する事業所や施設によるところはありますが、仕事内容で精神的な疲弊を感じる事はあります。常に人を相手にする仕事なので、より細やかな気遣いも求められます。

先に挙げた通り、力仕事が多かったり様々な介助をしなければならないですし、人の命を預かっている立場でもあるので、気を張り続けなければなりません。これでは、精神的に疲れてしまっても致し方ないのかもしれません。

生活支援員の仕事がきつい理由④夜勤

夜勤が入る事もあります。こちらも施設によって仕事内容が異なりはしますので絶対ではありませんが、基本的に生活支援員は入所施設で活動することになりますので、大抵24時間のシフト勤務になっています。

その為、夜勤がシフトの中に組み込まれる事も少なくないでしょう。夜通しで仕事に当たらなければならないのに加えて日勤もあるのが一般的ですから、自分の生活リズムまで崩されてしまうのです。

生活支援員の仕事がきつい理由⑤安い給料

もう1つ、給料の問題も考えられます。基本的に生活支援員の給料というのは低くなっていて、初任給で約13~16万円程度です。その理由としては、財源が固定されていたり、配置人数が決まっているといった諸々の事情が考えられます。

人を相手にするために、やりがいこそ感じられるかもしれませんが、大変な内容である事に変わりありません。もしもそれでそれなりの給料があるならば話は別ですが、現実はそうではありませんので、金銭的にもきついという訳です。

生活支援員が悩みを抱えた時の対処法

この様に、仕事内容が非常に困難かつ疲弊を伴うものであるゆえに、生活支援員の仕事はきついと言われているのです。もしも悩みを抱えた場合には、ずっと抱え込み続けないようにする為に対処しなければなりません。

対処法①職場の人に相談

まず初めに考えたいのは、職場の人への相談です。主に上司や同僚に対して、現状の悩みを相談しましょう。どんな職種であっても同じことが言えますが、同じ仕事をしている人と会話をしたり、悩みを共有するだけでもストレスが晴れる事があります。

特に上司であれば、同僚や部下よりも経験は当然ながら豊富ですし、今の自分の悩みと似たような事を考えていたかもしれません。場合によっては、相談から業務内容の見直しや改善に繋げられる可能性もあります。

対処法②専門の相談機関の利用

2つ目は、専門の相談機関を利用する事です。もしも職場の人に相談をするのが難しいといった場合には、専門の相談機関を利用するのも手段の1つです。

例えば東京であれば、都の福祉協議会に「福祉の仕事なんでも相談」という窓口を設け、福祉事業従事者の悩みを受け付けています。他にも窓口は色々とありますので、ぜひ利用を検討してみてください。

対処法③研修やセミナーの参加

3つ目は、研修やセミナーに参加する事です。福祉関連の職場においては、各都道府県の福祉協議会が主催する研修などが数多く設けられていますし、各種団体が実施しているセミナーでのスキルアップが可能です。

福祉という内容で共通のテーマで催されるものもあれば、職種ごとの専門的な内容を実施している事もあります。講師や参加者との意見交換を行う事で、悩みの解消やスキルアップによる現状脱却といった打開策も生まれてくるでしょう。

対処法④資格の取得

もう1つ、資格を取得するというのも対策の1つです。生活支援員の経験が役立つ資格としては、例えば社会福祉士が挙げられます。国家資格に相当し、様々な福祉の現場において役立てられます。

他にも精神保健福祉士というものもあり、こちらは主に精神障害を持っている方の社会復帰、サポートを行います。これも社会福祉士同様に国家資格ですが、受験資格の経験年数に生活支援員の経験をカウントする事が可能です。

生活支援員の仕事が辛いときは転職もあり!

もしも本当に生活支援員の仕事が辛い、これ以上続けられる自信がない、といった時には、転職を検討するのも手段の1つです。これまでに紹介してきた対処法では改善が見込めないのならば、別の場所で働くことも考えてみましょう。

働けるところなどあるのか、と不安に思うかもしれませんが、実際に転職を考えてみると、現状の労働市場や自分の価値といったものが把握できます。求人を見ても、希望する職種の多い場所、給料等が分かってくるのです。

良さそうだと思った求人があるのならば、遠慮なく応募してみる事をお勧めします。行くかどうかは今後決めるとしても、違う職場がある事を知れただけでも良い勉強になるでしょう。

生活支援員におすすめする転職エージェント

お勧めできる転職エージェントがいくつかあり、例えば「かいご畑」があります。こちらは介護職員初任者研修と介護職員実務者研修が無料で受けられ、未経験でも募集している求人も多いので、同じ福祉業界への転職を検討している方にお勧めです。

「ケアジョブ」という転職エージェントもあります。専任のコンサルタントが自分に付いて条件などの希望を考慮し、面接日程なども調整をしてもらえます。非公開求人を取り扱っていて、人気であったり在職者より高給なものが多いです。

悩みを抱えすぎないように自分に合った対処をしよう!

生活支援員の仕事というのは、確かに大変なことが多いものです。やはり福祉関連の仕事ですから、精神的、肉体的な疲労を感じずにはいられないでしょう。

しかし、それでも必要な仕事でもありますし、悩みを抱えすぎないための対処法もあります。転職を考えるというのも立派な選択肢の1つなのですから、是非とも自分に適した対処を取ってみてください。

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