現在もなお、人手不足が騒がれる介護職は、長く続く人もいる中で、離職率が高いことを問題視されていることをご存知ですか?介護職は肉体労働である他、精神的にもダメージを受けることも多く、また、収入面が見合わないという点から介護職を辞める方が増えています。今回は、そのような重労働でありながらも介護職が長く続く人が持つ特徴や、離職の理由、長く続けていくためのコツまで徹底解説していきます。

目次

介護職は長く続く人が少ない?

公益財団法人介護労働安定センターが調査した結果、介護職に就労する方がどれほどこの業界から離職しているかを調べたところ、2019年10月1日~2020年9月30日までに14.9%もの方が離職、退職しているという結果がとなっています。

このように、介護職は従事した方と離職した方の割合がほぼ横ばいであることから、介護職に長く従事する方は少ない傾向であることが分かるでしょう。

介護職を辞める人の理由

多くの方がイメージする介護職は、肉体労働であるだけではなく、精神的にも心身の不調を来すことが多いと言われていることから、離職率が高くなっていると言われています。

ここでは、実際のところ、介護職を辞める人がなぜ離職を考えてしまうのか、その理由を以下に3点ご紹介します。ひとつずつ詳しくみていきましょう。

理由①人手不足で負担が増えた

介護職は現在もこれまでも、体力面、精神面において重労働であるという意味でも、介護が必要な方へ十分な介護や介助を行えないことをストレスに感じる就労者も多く、それに対して思い悩んでしまう方も少なくありません。

自分と同等の体重の方を介護、介助する中で、精神面での負担が加わることで自身の体調不良や情緒不安定になることも多く、見えないストレスに悩まされることも多々あると言われているのです。

その結果、多くの入居施設でも介護職員の人手不足が日常的であるがゆえ、最低人数の職員の確保に悩まされているのが現状です。その人員不足から一人当たりの業務負担が重なり、さらに介護職の離職率が高くなってしまうと考えられています。

理由②人間関係に問題がある

介護職は一人で業務を行うものではなく、チームを組み、連携して介護業務を行うことになります。そのため、同じ職場のスタッフとの円滑なコミュニケ―ションがとれて初めて介助が必要な方への適切な介護を行うことができます。

しかし、指導の厳しさや、価値観の合わない者同士であった場合、それがストレスに感じるために働き辛さを覚え、結果的に離職してしまうことにつながるなど、職場内の人間関係が大きく関わっていることがうかがえます。

理由③収入面に不満がある

かねてから耳にすることも多い、介護職に就く方の収入について、これほどの重労働と責任を持って業務を遂行するという意味では、収入と労働が見合わないことに対して不満を覚える介護職従事者が多く、給与面、収入面で大きな不満を抱えていることが分かります。

しかし、これについては改善措置も講じられているものの、現実的には未だアンバランスな待遇に不満を抱く従事者も少なくありません。収入面での不満を感じるからこそ離職率が高くなっていることが分かるでしょう。

介護職が長く続く人の特徴

介護職は重労働である上、強靭な精神力を持ち合わせていなければならないという点を理解することができました。一方で、介護職を長く継続し従事する方もいます。

ここでは、介護職が長く続く人にはいったいどのような特徴があるのか以下にその代表的な特徴を2点ご紹介します。ひとつずつ詳しくみていきましょう。

長く続く人の特徴①感情をコントロールできる

介護職を長く続けている方は、自分の感情をうまくコントロールするスキルが人よりも長けた一面を持っていることがうかがえます。そのため、あまりネガティブな思考に捉えることを避け、前向きな姿勢を見せる傾向です。

つまり、くよくよと思い悩むことをしない方ほど長く業務として行っていくことができるのです。常にポジティブ思考を持つことができる人こそ介護職が天職となり、長く続けていくことができるということが分かるでしょう。

長く続く人の特徴②コミュニケーション能力がある

基本的に人と接することが得意で、様々な人に合わせ、自分の感情をコントロールするだけではなく、コミュニケーションを上手にはかることができるのも介護職が長く続く人が持つ特徴だと言えます。

そのため、相手のことを考えることはもちろん、誰とでもうまくコミュニケーションがとれるからこそ楽しみながら業務を行うことができるなど、このスキルを持ち合わせているだけで、いつも笑顔で仕事に打ち込むことができると言えるでしょう。

高いコミュニケーション能力を持っている人は、誰とでもうまく付き合っていけるため、介護職を長く続けていくための秘訣となることが分かります。

介護職が長く続けるコツは?

では、これから介護職を長く続けていくにはいったいどのようなコツを実践すれば良いか、以下にその方法を5点ご紹介します。ご紹介するコツをひとつでもクリアすることで、自分に自信を持つことができるようになります。ぜひできることから実践してみましょう。

コツ①無理のない範囲で目標を立てる

介護職を長く続けていくには、自分に対して高いハードルを掲げすぎないこともポイントです。そのため、まずは自分に近い目標を掲げ、そこに向かって目標達成することを目指してください。

そのためにはあまりにも高すぎる目標を立てるとなかなか達成できないことに苛立ちを覚え、業務を行うことを億劫に感じてしまうことがあるかもしれません。そのため、努力が無駄にならないよう、コツコツと頑張れるハードルに留めてみてください。

そして、その目標地点に到達し、晴れて目標達成できた際は、さらに新しい目標を掲げていくなど、何度も繰り返し行い、高い山の頂上を目指していきましょう。そうすることで仕事に対する意欲が湧き、モチベーションを高めていくことができるようになります。

コツ②仕事とプライベートを分ける

介護職は肉体的にも精神的にもダメージを受けやすい職業です。そのため、仕事とプライベートを混同してしまっては、心休まる場所を失ってしまいます。

その結果、自分を見失い、心神喪失状態になってしまうことを防ぐためにも、仕事とプライベートを分け、割り切って仕事を行うようにしましょう。

そうすることで不要なストレスをかけず、休日は自分の趣味ややりたいことに没頭するなど、充実した時間を過ごすことでストレス発散を行うことができます。

ストレスを溜めることなく過ごすことができれば、それを仕事のエネルギーに変えていくことができるでしょう。このように仕事とプライベートを分けてメリハリをつけた生活を心掛けていくことが大切です。

コツ③問題は1人で抱え込まない

チームワークで業務を行うこともあれば、一人で責任を持って遂行しなければならない業務もあるのが介護職です。しかし自分一人ですべての責任を抱えてしまうと精神力がもたず限界が訪れてしまいます。

その結果、介護職の離職につながる可能性があるため、困ったこと、辛いこと、助けが必要であることを同僚や上司へ伝え、相談を行うことが大切です。

円滑なコミュニケーションを取り、スタッフが連携して業務を行っていくことができるよう、一人で問題を抱えこまないよう注意してください。

コツ④介護職を続けるメリットを考える

介護職は、現在の日本の少子高齢化時代において需要の高い仕事です。そのため、この先も介護職はなくてはならない業務であり、また、現在の収入よりも増える可能性は十分に考えられます。

そのため、介護の仕事を行う中で、さらなるスキルアップやキャリアアップを目指し、資格取得に励む他、介護職を網羅することができるよう、今から準備を始めていくのが良いでしょう。将来に向けた介護職のメリットを考え、今を努力し続けることをおすすめします。

コツ⑤初心に返る

介護職がどれほどの重労働であっても、また、収入面が見合わないことを感じたとしても、自分がなぜ介護職を選んだのかについて改めて自問自答し、初心に返ることを試みてください。毎日多忙に過ごしている中で、なかなか自分を見つめ直す時間が取れないのはみな同じです。

その中でも、介護職に辛さや憤りを覚えるようなことがあれば、改めて自分がなぜこの仕事を行っているかを初心に戻って思い返してみましょう。

そうすることで仕事に対する姿勢や考え方を変えることができるかもしれません。ぜひ今の状況に不満を感じることがあれば、このような方法を実践してみてください。

介護職を長く続けられるコツを試してみよう!

とても強靭な精神力、そして重労働から介護職から離職する方が多い中、やはり自分で選んだ仕事を全うしたいという思いを持つ方も少なくありません。

そのような時は、自分が介護職に就くことを決めた理由を改めて思い返すとともに、介護職を長く続けていくためのコツや方法、やりがいを見つけ、気持ち新たに楽しみながら介護の仕事を続けていってください。

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