どのような職種でも人間関係に悩む方は多いはずです。特に介護職の方はこのような悩みを抱えている方が多く、退職する理由にもなっています。今回はむかつく職員への対処方法やストレスの解消法をご紹介します。少しでも働きやすい環境になるように、人間関係で悩む方はぜひ参考にしてみてください。

目次

介護職にはむかつく職員が多い?

なぜ私ばかりこんなにストレスを抱えなければいけないの…と思っている介護職の方、あなただけでなく介護職にむかつく職員が多いのかもしれません。それは2020年度の介護労働安定センターが行った調査で介護職の方が仕事を辞めた理由のランキングによって明らかになっています。

一番多い理由は結婚や妊娠による事情ですが、二番目に多いのは職場の人間関係に問題があったためです。さらに職場に対する理念や運営への不満もランクインしています。二つの理由を合わせると約30%以上の方が人間関係、職場への不満で退職していることが分かります。

この調査は辞めた理由のランキングですので、実際に今もなお不満を抱えつつも働いている方は多いでしょう。それを踏まえると介護職の方の4~5割は人間関係に悩んでいるかもしれません。

介護職にむかつく職員や腹が立つことが多い理由

職場の人間関係が良好でないと、仕事にも支障が出てしまいます。自分の仕事に対するモチベーションも上がりません。ではなぜ介護職にはむかつく職員や腹の立つことが多いのでしょうか。その理由を4つご紹介します。

むかつく職員のいる理由①人手不足

まず挙げられるのは人手不足です。介護職においては常に人手が足りないと言われています。人手不足というのはどのような職でも良い方向に進みません。現場をギリギリの少ない職員で回すことになれば1人の仕事量が増えるのは明らかです。

常に時間に追われ、考えることが多く心に余裕を持てない状況で仕事をする毎日にストレスが募るでしょう。残業も当たり前という環境であれば尚更です。プライベートの時間や疲れを取る時間も十分に確保できず、そのストレスから他の職員へ当たってしまったり、きつい言動を発してしまうのです。

むかつく職員のいる理由②きつい仕事

介護職はいわゆる体力仕事です。介護職の方の多くが腰痛や肩こりで悩むように、体への負担が大きいきつい仕事と言えます。高齢者をベッドから起こしたり、入浴介助をしたりとそれなりの力がないとできません。

また勤務時間も早朝や夜勤があるため、生活のリズムがバラバラです。生活リズムが整わず、体の疲れが取れないことは精神的にも参ってしまいます。そのストレスからむかつく言葉を言ってしまう方がいるのです。

むかつく職員のいる理由③女性が多い

介護職で働いている方の多くは女性です、男性よりも女性の方が多い職場がほとんどではないでしょうか。すべての女性がそうというわけではありませんが、男性よりも感情的な一面があります。

一度癇に障るような出来事があれば噂話になったり、ネチネチと小言を言われたり、悪い関係が長引く傾向にあります。さらにそのような女性が集まっていたら尚更です。

むかつく職員のいる理由④利用者対応

介護職は肉体労働のほかにも、感情労働と表現されます。感情労働は、仕事中に自分の感情を表に出さずコントロールしながら働くことです。もちろん感情をコントロールすることはどのような職種でもあります。

しかし介護職の場合は意思疎通が難しいため、いかなる場面でも職員が感情をコントロールしなければいけません。利用者が介護を拒否したり、急に怒鳴りつけてきたり、こちらは誠心誠意努めていても利用者の家族からクレームがきたりします。

さらには認知症を患っている利用者においては、意思疎通が難しいのはもちろん行動も注意深く見ている必要があります。それは致し方ないこと…と分かっているからこそ、ぶつけようのないストレスが蓄積されてしまうのです。

介護職の離職率

介護職の離職率は他の業界よりも多い傾向にあります。平成28年度の介護労働実態調査では16.7%の離職率でした。他の業界の平均は15%のため、介護職の離職率が高いことが分かります。

誰かの支えになりたいと始めた介護職、仕事自体は好きだから続けたかったけど人間関係の問題で辞める方が多いです。人間関係が良好になるような職場の環境を整えることができれば、介護職の離職率も減るのかもしれません。

介護職で長続き出来る人

まず第一にコミュニケーション能力の高い方は介護職を長く続けられます。どのような方でも分け隔てなく仲良くでき、常に笑顔でいる方は見ていても心地よいです。コミュニケーション能力の高い方は他人のミスや悪口に対してもおおらかな気持ちで受け止めることができます。

むかつく職員のことは気にしないと割り切り、利用者の笑顔やありがとうと言われることをやりがいに感じているため、長続きするのでしょう。

また、どのような仕事にも共通しますが、メンタルが強い方は長く続けることができます。些細なことで悩まなかったり、オンオフの切り替えをしっかりできたりすると、むかつく職員のことは気にならないのかもしれません。

介護職のむかつく職員への対処方法

介護職を長く続けたいけどむかつく職員がいて悩んでいる方は、対処方法を身につけ実践してみてください。働きやすい環境でストレスなく仕事ができるのは誰もが望んでいることです。まずは自分がストレスなく働けるように、むかつく職員への対応を変えてみましょう。

対処方法①相手と関係を築く

まずむかつく職員のことをあまり知らない場合、あえて相手と関係を築くのも手です。第一印象が悪かったからあまり話していない、相手から話しかけられることもなくいつも不愛想、ということから距離を取っていたのなら積極的に話をしてみましょう。

例えば「この人私と仲良くなりたいのかな」「私に興味を持っているのかな」というのが雰囲気で分かることはありませんか。逆に「この人多分私のこと嫌いなんだろうな」というのも分かるでしょう。それと同じで、こちらが相手にむかつくという感情を持っていれば相手に伝わっているかもしれません。

反対に仲良くなりたいという雰囲気で話しかければ、ほとんどの方は嫌な反応はしないはずです。むしろ嬉しいと思う方のほうが多いでしょう。話してみれば意外と仲良くなれた、というケースも珍しくはありません。

対処方法②介護の知識を深める

介護の知識を深めることで、さまざまなトラブルを防ぐことができ、その分ストレスも軽減します。主に利用者やその家族とのトラブルになりますが、多くの方は「体が思うように動かない不安やストレス」「認知症」などが原因です。

しっかりと知識を身につけることで相手の気持ちを理解し、利用者に適したコミュニケーションを心がけることができます。おのずと、利用者との関係性も変わってくるはずです。

介護の知識を深めることで仕事に対するやる気がある人、という印象もつき職場での自分のイメージが変わります。それによって仕事の話で盛り上がったり、お互いの辛い部分を共感出来たりと人間関係が良好に進む場合もあります。

対処方法③適度な距離を置く

話してみたけど、どうしてもこの人とはうまく付き合っていけない、と感じたら割り切った方が良いです。適度な距離を置き、仕事で必要な会話だけをする仲として考えましょう。気にしすぎても自分が精神的に辛いだけなので、仕事に集中するようにすればいつのまにか気にならなくなるでしょう。

対処方法④上司や管理職員に相談する

もし、むかつく職員があからさまな嫌がらせをしてくる場合や仕事に支障が出るような場合は上司や管理職員に相談しましょう。そのままの環境では、職場にとっても何も良いことがありません。むかつく職員にヒアリングをしてもらい原因を探ってもらいましょう。

その結果、人手不足が原因なのか労働環境が悪いからなのかという原因が分かれば上司に対応してもらうことができます。もしくは職場環境そのものに不満があるという方も、上司や管理職員へ思い切って相談してみることがおすすめです。

介護職でストレス溜めないために!解消法を紹介

むかつく職員への対処方法を実践してもなかなかストレスが解消されなかったり気疲れしてしまったり、そのようなときはストレス解消法を実践してみましょう。ストレスを溜めこまないのが自分のメンタルや体を守る秘訣です。

介護職のストレス解消法①涙活

何か嫌なことがあったとき、思いっきり泣いてすっきりしたという経験はありませんか。涙活という言葉があるように、涙を流して日頃我慢している感情を解放するのはとても大切なことです。感情のままに涙を流すのはもちろん、泣ける映画やドラマを見るのもおすすめです。

介護職のストレス解消法②運動

体を動かして思いっきり汗をかくこともストレス解消には効果的です。とはいえ日頃の介助で体が疲れているときは休みの日にわざわざ運動する気になれないという方も多いでしょう。

そういう方はお風呂上がりにストレッチをしてみたり、一駅分だけでも歩くようにしてみたりするだけで体がすっきりするはずです。無理に運動をする必要はありませんが、精神的にも肉体的にもリラックス効果があるため少しでも取り入れてみると良いでしょう。

介護職のストレス解消法③趣味を楽しむ

仕事とプライベートをしっかり分けて、休みの日には自分の好きなことを楽しみストレス発散してください。休みの日くらいたくさん寝たいと思う方はいるでしょう。もちろん体調が優れない場合はしっかり休むことが大切です。

しかし介護職の方は生活リズムが不安定なため、休みの日でリズムを調整することも必要です。また外に出て日光を浴びるとポジティブな気持ちになれます。友人と遊んだりおいしいものを食べたり、趣味で充実した時間を過ごしましょう。

ストレスを解消しつつ上手に対処しよう

介護職のむかつく職員への対処方法やストレス解消法をご紹介しました。どのような職場でも合わない職員はいるはずです。その環境でもできるだけストレスを溜めないで過ごすには、ちょっとした工夫が必要になってきます。

心身ともに自分を守れるのは自分だけです。むかつく職員への対処方法やストレス解消法を実践し、上手に対処してみてください。

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