ご両親や祖父母が高齢になると、心配になるのが転倒によるケガです。そんなときにおすすめなのが、介護用チェアです。食事や入浴はもちろん、くつろぐのにも適した介護チェアが販売されています。今回は、おすすめの介護用チェアをご紹介します。また、選び方や種類についても解説していますので、介護用椅子をお探しの方はぜひ参考にしてください。

目次

介護椅子の特徴

介護用椅子は、座面が高いものが多いです。これは、筋力が低下した高齢者が立ち上がる際に腰を浮かせる距離を短くすることで、立ち上がりやすくするためです。

また、玄関で靴を履いたり脱いだりしやすいように工夫された介護用椅子も数多く販売されています。さらに、長時間座っていることが多い方でもお尻が痛くなりにくいように、座面を柔らかい素材で覆っている介護用椅子も多くあります。

同じ姿勢が辛いという方なら、背もたれを倒してリラックスできるリクライニング式の介護用椅子がおすすめです。背もたれで体重を支えることもできるので、腰やお尻への負担が軽減されます。

介護椅子の種類

介護に使う椅子は大きく3つに分けることができます。まず、リビング・ダイニングで使用する椅子は、介護を受ける人がくつろいだり、食事をしたりするために必要なものです。本を読んだり、テレビを見たり、食事をするときに楽な姿勢で食べることができます。

背もたれの角度を調節できるリクライニング機能付き、自分に合った高さに調節できる座面付き、立ち上がりをサポートする機能付きなどがあります。

玄関用の椅子は、靴を脱いだり履いたりするときに座るためのものです。玄関用の介護椅子があれば、靴を脱いだり履いたりするときにかがんだり立ち上がったりという動作が楽になります。玄関が広くない場合でも、折りたためばコンパクトに収納できます。

また、浴室で使用するための介護用椅子もあります。バスチェアやシャワーチェアがあれば、足が弱っていても楽に体や髪を洗うことができますし、危険なスリップやふらつき、転倒を予防できます。

座位を安定させる背もたれ付きのもの、転倒を防ぐ肘掛け付きのもの、自力で浴室まで移動できない人のための車いすなど、さまざまなタイプがあります。

介護椅子の便利な機能

介護用チェアは、高さ調節やリクライニングなど、介護する人や利用者の負担を軽減するための機能が搭載されています。介護度合いや目的に応じてさまざまな機能付きのものを活用しましょう。

介護椅子の機能①立ち上がりの補助

代表的な機能としては、立ち上がりやすい設計が挙げられます。ひじ掛けだけでなく、形状も丸みを帯び、厚みも計算されているので、握りやすくなっています。

製品ごとの大きな違いとしては、ひじの長さの違いが挙げられます。それぞれのメリットは、半肘タイプは体をテーブルに近づけやすく、横から座ったときにも楽です。

逆にロングタイプ(座面と同じかそれ以上の長さ)は、立ち上がるときにしっかりサポートできたり、腕を楽に乗せることができるメリットがあります。また、座ったときに肘が体の両側を保護するので、転倒防止に役立ちます。

介護椅子の機能②リクライニング

一方で、リラックスしているときにまっすぐの姿勢で座り続けるのも苦痛です。そのため、柔らかくて座り心地の良い座面を選ぶことも視野に入れる必要があります。

また、背もたれを後ろに倒せるリクライニング機能が付いているものであれば、ちょっと休憩したいときにも便利です。ただし、背もたれがリクライニングするタイプの介護椅子はそれなりに場所を取るので、使用するスペースを考慮して選んでください。

介護椅子の機能③電動昇降

立ち上がるときに膝や足が痛くて立ち上がるのが億劫だったり、一度座るとなかなか動けなかったりしませんか?長時間座っていると、体に負担がかかります。

その点、電動リフトチェアは、座面を電動で昇降させることができる介護用チェアです。畳や床から立ち上がる際の膝や腰への負担を軽減し、椅子や床からの立ち上がりをサポートしてくれます。

椅子から立ち上がるのが楽になれば、座ったままの状態を防ぐことができますので、介護予防や症状の悪化予防にもつながります。

介護椅子の機能④回転・スライド

回転・スライド式は、椅子の座面が回転するタイプです。回転式にすることで、椅子に座るときや降りるときに、椅子を引っ張ったり、テーブルと椅子の隙間から無理に体を入れたりする必要がありません。

また、回転式以外にも、椅子の座面が車の運転席のように前後にスライドするタイプもあります。スライドを利用すれば、テーブルとの距離を簡単に微調整することができ、とても便利です。

介護椅子の機能⑤高さ調整

椅子が高すぎたり低すぎたりすると、正しい姿勢がとれず、猫背になったり腰痛になったりします。背の高い人、低い人がいるように、人それぞれに適した椅子の高さは違います。

その点、高さ調節機能付きチェアなら、使う人に合わせて座面の高さを調節できて便利です。また、用途により座面を上げ下げすることで、転倒や不便を解消してくれます。

立ち上がりが楽なおすすめ介護椅子【ダイニング・リビング】

リビング・ダイニングでの介護用椅子の主な用途は、食事用とくつろぎ用です。食事用の椅子は、介護者が誤嚥しないような姿勢を保てるものが最適です。

誤嚥を防ぐには、床に足をしっかりつけて、前かがみで食事ができることが望ましいでしょう。そのため、介護者が足を床につけたまま前屈みで食事ができるように、高さ調節機能のある椅子を選びましょう。

また、食べ物をこぼしてもすぐに洗えるように、張地が外せるタイプだと便利です。一方リビングでくつろぐための椅子には、楽な姿勢でいられるような機能がついているものがおすすめです。

例えば、立ち上がったり座ったりするときに便利なスタンド機能付きや、テレビを見るときにリラックスできるリクライニング機能付きのチェアが良いでしょう。

おすすめ① ミツヨシ ダイニングチェア 肘付

座面高は42.5cmで、ダイニングチェアの主流である45cmより低く、小柄な方でもゆったりと座れます。天然木のフレームで、お部屋に馴染みやすいのも魅力です。カラーバリエーションは4色揃っていますので、お好みの色の組み合わせを自由に選ぶことができます。

チェアは最大4脚までスタッキングが可能なので、使わないときは省スペースで収納できます。座面はPVC張りになっており、飲み物をこぼしてもきれいに拭き取れます。

おすすめ② sashikei リクライニング 高座椅子

背もたれリクライニング機能付きの高座椅子です。リクライニングは手元のレバーで操作できるので便利です。肘掛け付きなので楽な立ち上がりをサポートしてくれます。座面の高さは四段階で調節が可能です。

おすすめ③ アイリスプラザ リクライニング座椅子

座面は4段階でお好みの高さに調節できます。一般的な椅子よりも背が高く、体を支える肘掛けも付いているので、立ち上がりも楽に行えます。床との設置面も広く、ぐらつきにくいのがポイントです。

また、体重が分散され、椅子の跡や傷がつきにくいので、畳のある和室でも使いやすい座椅子になっています。コンパクトに折りたたむことができるので、収納や持ち運びもラクラクです。

おすすめ④ 山善 立ち上がり楽々高座椅子

立ち座りがしやすい肘付きハイチェアです。組み立て不要で、届いてすぐに使えるので、高齢者だけの家庭でも便利です。また、こたつ用の椅子としてもお使いいただけます。背もたれは3段階にリクライニングするので、リビングでくつろぐのに最適なチェアです。

おすすめ⑤ LOOKIT ダイニングチェア

持ち手付きの背もたれが便利な木製のダイニングチェアです。箱から出すだけで、すぐに使うことができます。広い座面で安定感があり、肘付きで立ち上がりやすいので、介護用の椅子としても人気です。

木を直線的に曲げて作られたベントウッドフレームチェアで、シンプルで使いやすいデザインに仕上がっていますので、様々なシーンでお使いいただけます。

最大4脚まで積み重ねることができ、収納にも便利です。チェアの数が多くても、場所をとらずに収納できます。

立ち座りをサポートする優しいデザインだけでなく、背もたれに取っ手がついているので、持ち運びも簡単です。使用者の杖や傘も置ける便利な設計となっています。

おすすめ⑥ 貞苅椅子製作所 ダイニングチェア

柔らかなナチュラルカラーの木材とお手入れしやすいPVCレザーで、機能性に富み、ご年配の方にも優しい木製ダイニングチェアです。素材には、強度や加工性に優れた天然ゴムの木積層合板を採用し、しなやかな曲線と安定した製品強度を実現しています。

また、高齢者の立ち上がりをサポートする独自の三角グリップや、長時間座っていても疲れにくい座面を採用しており、高齢者がおられるご家庭におすすめです。

おすすめ⑦ ottostyle.jp 折りたたみダイニングチェア

長い肘掛けが付いた折りたたみ椅子です。肘掛けが手すりのように立ち座りの動作をサポートしてくれるので、ご高齢の方にもおすすめです。体をしっかり支えてくれるので、長時間座っていても疲れません。

座面は折りたたむことができ持ち運びに便利ですし、お部屋のお掃除もラクラクです。座面には撥水加工を施し、脚部にはクッション材を使用しているので、床にキズをつける心配もありません。

おすすめ⑧ タマリビング コバ ダイニングチェア

愛すべき日本のデザイン「COBA」ダイニングセットは、天然木の雰囲気を最大限に活かすため、ブラッシング加工を施し、身近な古材のような風合いに仕上げています。

座面と背もたれにはウレタンクッションを使用し、安定した座り心地の座椅子です。テーブルは2本脚にすることで、立ち座りの導線を確保しやすく、アームチェアは360度回転し、立ち座りがしやすくなっています。

また、手すりは丸みを帯びたデザインで、握りやすく固定しやすいなど、随所に使いやすさへのこだわりが感じられるチェアです。カラーは木のぬくもりを感じられるナチュラルとブラウンの2色から選べます。

おすすめ⑨ イーサプライ コンパクト高座椅子

リクライニングと高さ調節ができるハイチェアです。組み立てずにすぐに使用できます。肘掛があるので立ち上がりもラクラクですし、使用しないときは背もたれを折りたたんでコンパクトに収納できます。

和室にもおすすめです。座椅子よりも座面が高いので、立ち上がりや座りが楽にできます。また、肘掛けが立ち上がりをサポートし、腕への負担を軽減してくれます。

立ち上がりが楽なおすすめ介護椅子【お風呂】

お風呂用の介護椅子を選ぶ際には、介護者の転倒防止や介助しやすい浴室の構造にも配慮しましょう。また、浴室の広さを考慮するだけでなく、出入り口にどのタイプの扉(開き戸、引き戸、折れ戸など)が使われているかも重要なポイントです。

介護用の椅子を浴室内に置いておくと、ドアが開き戸や引き戸の場合、椅子が邪魔になってドアが開かなくなることがあります。入浴時に介助が必要な場合は、洗い場で介助者が一緒に入れるスペースを確保できる大きさの椅子を選ぶとよいでしょう。

おすすめ⑩ 森和 シャワー椅子

身体の状態に合わせてカスタマイズできるお風呂用介護椅子です。従来品にはないステンレス製なので、丈夫で長持ちします。座面が広いので、ゆったりと座ることができます。

腰痛持ちでお風呂で腰に負担がかかるのが心配な方、お風呂での転倒が心配な方、退院後やリハビリでサポートが必要な方などにおすすめです。軽くて壊れにくいお風呂用椅子をお探しの方は、ぜひチェックしてみてください。

おすすめ⑪ Ayutong シャワーチェア

「Ayutong シャワーチェア」は座る人の体に合わせて、6段階の高さ調節が可能です。サイドにはシャワーを掛けられるフックが付いていますので、必要な時にすぐにシャワーを使うことができます。

表面のソフトパッドはクッション性があり、硬さを感じさせない心地よさです。寒い季節にバスチェアに座ったときのヒヤッとした感じも軽減されます。

使用可能な体重は150kgまでなので、大柄な方でもゆったりと座れます。座面には水抜き穴があるので、水がたまる心配もありません。入浴用品としてだけでなく、リビングや玄関で椅子やシューズスツールとしても使用できます。

おすすめ⑫ 山善 コンフォートシャワー

使いやすさを追求した便利なスツールです。入浴時だけでなく、リビングや玄関で椅子や靴のスツールとしても使えます。立ち上がるときに便利な取っ手が付いており、座面には滑りにくい凹凸加工を施しています。使う人に合わせて座面の高さを7段階に調節できますので、購入時に高さの心配がいりません。

おすすめ⑬ アロン化成 安寿 折りたたみシャワーベンチ

座面が高いので、膝を曲げることが困難な方でも立ち座りが楽にできます。背もたれの角度は、ソフトパッドを上下反転させて取り付けるだけで簡単に調整が可能です。座面の高さは、使う人に合わせて7段階に調節できます。

折りたたむときは、背もたれの裏側にあるイージーアシストレバーを引くだけですので、握力の弱い高齢者や関節疾患のある方でも、簡単に操作していただけます。また、壁際にシャワーベンチを設置した場合でも、無理なく開閉できます。

立ち上がりが楽なおすすめ介護椅子【玄関】

玄関先での立ち座りには、背もたれのないタイプがぴったりです。ただし、自分でしっかりとした座位を維持できることが条件ですが、背もたれがないことで、体をひねったり伸ばしたりする際に自由に動くことができるのが特徴です。椅子に座ったまま靴や服を着脱したい方にも最適です。

おすすめ⑭ 不二貿易 玄関椅子

このチェアは靴の脱ぎ履きをサポートするためのものです。安心の手すり付き設計なので、立ち座りもスムーズに行うことができ、段差の少ない玄関でも使えます。6cm間隔で3段階の高さ調節が可能です。座面は傷や汚れに強いPVCシート張りなので、少し汚れても簡単に拭き取ることができます。

おすすめ⑮ 山善 玄関ベンチ

玄関に置いておくと便利なミニベンチで、足や膝に負担をかけずに靴の脱ぎ履きができます。クッション性のあるウレタンシートで座り心地もよく、下にはスリッパや靴を収納できる棚を設けています。

コンパクトなので限られたスペースでも邪魔にならず、収納スペースがあるのですっきりとした玄関になります。

両サイドに取っ手が付いているので、移動もラクラクですし、コンパクトサイズで場所を取らないので、玄関で邪魔になることもありません。座面は肌触りの良いウレタンクッションを使用しています。

介護を必要とする方に適した椅子を使おう

いかがでしたか?今回は、おすすめの介護用椅子をご紹介しました。介護用チェアを選ぶなら、介護度に合わせた背もたれのあるものがおすすめです。背もたれがついていれば、ゆったりと座ることができ、姿勢も崩れにくくなります。また、介護度に合わせて座面の高さを調節できたり、回転式や肘掛けを高くできるものだと助かります。介護をされる方だけでなく、ご家族の高齢化に伴う転倒が心配な方もぜひ参考にしてください。

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