皆さんは、ポータブルトイレを利用したことがありますか?ポータブルトイレは、介護・看護施設、車での外出時の緊急時、災害時などに利用されています。今回は、ポータブルトイレが必要になったときの選び方や、水洗トイレなどの機能が充実している最新機種など、おすすめの人気商品をご紹介します。購入前にじっくり比較することで、ぴったりの商品を選ぶ助けになることでしょう。
ポータブルトイレとは?
ポータブルトイレは、部屋の中で用を足すことができるトイレです。足腰が不自由な要介護者にとって、トイレまで歩いて行くのは大変なことです。
介護用ポータブルトイレのメリットは、介護する人や要介護者の排泄負担を軽減できること、要介護者がおむつをする必要がないことなどが挙げられます。
一方、介護用ポータブルトイレのデメリットとしては、「排泄物の臭いが部屋にこもる」「トイレ以外の場所での排泄に抵抗がある」などが挙げられます。排泄物の臭いに関しては、消臭機能が付いたタイプもありますので、購入前に必ず確認してください。
一般的にトイレは、トイレまで移動するのが困難な場合に使用しますが、災害時にも役立つので、1つ用意しておくとよいでしょう。ポータブルトイレは通常のトイレと違い、場所さえ確保できればどこにでも設置することができます。
ポータブルトイレの上手な選び方
ポータブルトイレの素材やサイズ、付加機能を知っておくと、使い勝手の良いものを選ぶことができます。ここでは、ポータブルトイレを選ぶ際のポイントをご紹介します。
選び方①サイズ
ポータブルトイレには様々なサイズがあります。サイズを選ぶ際には、設置場所の広さだけでなく、そのポータブルトイレが使う方にフィットするかどうかも重要なポイントになります。
特に、座面の大きさや高さが合わないと、転倒してケガをする恐れがあるため、普段使い慣れた椅子やベッドの高さに近いものを選ぶのがおすすめです。
ポータブルトイレを常に置いておきたい場合は、置く場所の広さも確認しておくと良いでしょう。移動距離をなるべく少なくしたい場合は、ベッドの横に置くのがおすすめです。
ポータブルトイレは奥行き幅が大きいものが多いので、高さと幅に加えて奥行き幅も考慮して、環境に合ったサイズを選ぶとよいでしょう。
また、サイズ選びにお悩みの方はサイズの調整が可能なタイプを選んでみてはいかがでしょうか。ポータブルトイレを使うのに体力がない方は、安定感のあるものを選ぶと、安心して使用できます。
重量が軽く安定性に欠けるポータブルトイレは、片方に重心が移動すると転倒してしまう恐れがあります。思わぬ事故を防ぐためにも、なるべく安定感のある素材を選ぶことをおすすめします。
選び方②素材
軽量でシンプルな介護用ポータブルトイレをお探しなら、プラスチック製のスタンダードモデルがおすすめです。持ち運びがしやすく、掃除もしやすいのが特徴です。また、価格もリーズナブルなので、初めてポータブルトイレを購入する方にも向いています。
ただし、手すりや肘掛けがないものが多いので、自立してトイレに座ることができない方は他のタイプを検討しましょう。また、インテリアに合わせやすい木製タイプもおすすめです。こちらは、普通の椅子のようなデザインの介護用ポータブルトイレです。
安定感もあるので、立ち座りがしやすいのも特徴です。また、木目調のおしゃれな商品も多く、トイレの見た目にこだわる方にも適しています。価格は高めですが、機能が充実している製品が多く、使い勝手が良いのが特徴です。
予算に余裕がある方は、木製の椅子型もチェックしてみてください。機能性にこだわるなら、金属製の便器タイプがおすすめです。金属製の便器は、高さ調節や折りたたみなど多機能なものが多くあります。
また、金属製便器タイプは掃除がしやすいので、機能性重視で介護用ポータブルトイレを選ぶなら、金属製便器がおすすめです。また、安定感があり、持ち運びがしやすいのも特徴です。
選び方③機能性
製品ごとにさまざまな機能があるので、使う人と介護する人の双方に役立つ機能があるものを選ぶとよいでしょう。ヒートショックが心配な方は「暖房機能」のある製品をおすすめします。
日本の住宅は、海外のように集中的に暖房が効いているわけではありません。寒い冬にトイレをするとヒートショックを起こす危険性があります。特に心臓が心配な方、高血圧の方には最適です。
移動の負担を減らしたい方には、「キャスター付き」がおすすめです。ベッドの近くにポータブルトイレを置くのが嫌な方もいらっしゃるかと思います。そんな方には、簡単に移動できるキャスター付きが便利でしょう。
キャスターがあれば、トイレを使うだけでなく、掃除もしやすくなります。拭き取り力が弱い方には、「ウォシュレット付き」をおすすめします。これまでポータブルトイレは、ポンプで水を流すことはできても、電力を必要とするウォシュレット機能を付加することは難しいとされてきました。
しかし、実はウォシュレット機能を搭載できるトイレも販売されており、トイレを清潔に保つことができ、介護する人もされる人も快適に過ごすことができるのです。
立ち上がりやすいトイレをお探しなら、「蹴込み付き」もおすすめです。これは、足の下に空間があり、立ち上がるときにかかとを後ろに引くことができるタイプのトイレです。
この機能により、座ったり立ち上がったりするのが楽になるので、足腰の筋肉が弱く、足元が不安定になることがある方におすすめです。
こまめにお手入れをしたい方には、「部品が外せる」タイプがおすすめです。ポータブルトイレの中には、使用後のゴミを簡単に捨てられるように、ゴミを受けるパーツが取り外せるものが多くあります。
介護用ポータブルトイレのおすすめ10選
ここからは、上記の選び方をふまえた介護用ポータブルトイレのおすすめ10商品を紹介します。ぜひチェックしてみてください。
おすすめ①
山崎産業 ポータブルトイレP型
山崎産業のポータブルトイレP型は、高さ34cmと小型で、ベッドの下にも入るサイズです。コンパクトながら150kgの耐荷重があり、使う人を選びません。重さも2.4kgと軽く、移動や持ち運びも簡単なので、非常時の備蓄用としても最適です。
夜間のみポータブルトイレを使用し、日中は隠しておきたい方に向いています。また、トイレのない場所でのキャンプの際にも便利です。
おすすめ②
パナソニックエイジフリーライフテック ポータブルトイレ 座楽
使う人の体格に合わせて、肘掛けと座面の高さを調整できる商品です。特に座面の高さは1cmずつ10段階で微調整できるので、ベッドの高さに合わせて便利に使えます。排便ポットには消臭剤が練り込まれており、付着した臭いの消臭効果もあります。
また、予備のペーパーなどを入れておける収納ポケットも付いています。ベッドサイドの移動をスムーズにしたい方にオススメの商品です。ニオイやお手入れにお悩みの方は、ぜひチェックしてみてください。
おすすめ③
アイリスオーヤマ 介護用品 ポータブルトイレ
銀イオン抗菌加工により、カビの発生を防ぎ、衛生的に使用できます。幅41cm×奥行き48.5cmのコンパクトサイズなので、狭い場所にも設置しやすくなっています。また、カビの発生が気になる方にもおすすめです。
おすすめ④
パナソニックエイジフリーライフテック ポータブルトイレ ポケット付きデラックス
座面までの高さは40cmで、平均的な身長の方でも立ち上がりやすいサイズです。抗菌便座なので、衛生的に使用できますし、シンプルでスマートなフォルムなので、置き場所に困りません。
立ち座りのしやすいスタンダードなプラスチックモデルをお探しの方は、ぜひチェックしてみてください。衛生面が気になる方は、本製品を試してみてはいかがでしょうか。
おすすめ⑤
アロン化成 安寿 家具調トイレ
天然木ラバーウッドを使用した、高級感のある家具調のポータブルトイレで、お部屋の雰囲気を壊さずに設置することができます。肘掛けはコンパクトに設計されていますが、内寸は40cmと幅も十分です。お部屋に馴染むデザインをお求めの方は、ぜひチェックしてみてください。
おすすめ⑥
サンルック ポータブル水洗トイレ
ピストン式ポンプは、水洗トイレのように便器をパワフルに洗浄できる優れものです。汚水タンクは21リットルと大容量で、12リットルの水洗タンクは約100回分使用できるので、排便後の頻繁な掃除も不要です。
おすすめ⑦
life_mart ポータブルトイレ 折りたたみ 介護用
介護や災害時など、さまざまな用途に便利なポータブルトイレです。簡単に組み立てられるので、すぐに使用できます。使用しないときは折りたたんで省スペースで収納できます。また、車の中で場所を取らないので、アウトドアや旅行、長時間の移動にも便利です。
おすすめ⑧
アロン化成 安寿 ポータブルトイレSP
幅41cmのコンパクトサイズ、座面の高さは30cmで、足元が見やすくなっています。また、トイレの前方部分を狭く設計することで、小さな足も置きやすく、立ち上がりも楽に行えます。
おすすめ⑨
リッチェル ポータブルトイレ きらく
こちらはキャスター付きの家具調ポータブルトイレです。後ろ脚にキャスターが付いているので、簡単に移動させることができます。冬でもヒートショックになりにくい暖房便座で、安心してお使いいただけます。
便座の温度は約28~40℃の範囲で無段階に調整できます。木製の本体ならではの安定感と機能性を備えたポータブルトイレをお探しの方におすすめです。
おすすめ⑩
新輝合成 トンボ ポータブルトイレ 介護用
このポータブルトイレは、プラスチック製です。背もたれやひじ掛けは、使用中の転倒など思わぬ事故を防ぐために設計されています。足元に穴が開いており、立ち座りしやすい設計になっています。座面が低いので、背の低い方でも楽に使用できます。便座は抗菌仕様なので、衛生面でも安心です。
ポータブルトイレの正しい使い方
ポータブルトイレを単独で使用できない患者さんを介護する場合は、トイレや介助者に体重をかけてもらいます。肘掛や手すりを頼りに移動してもらうことも可能です。そのため、安定感のある介護用ポータブルトイレが重宝されるでしょう。
基本的には通常のトイレを使用するときと同じですが、トイレの側面にペーパーホルダーがあると、排泄後のトイレの使用が楽になります。また、流すための水を手の届くところに用意しておくことも大切です。
掃除を楽にするコツ
ポータブルトイレは水洗トイレではありません。排泄物は椅子の下にあるタンクに回収されます。この時、タンクには必ず水を入れておくことが重要です。タンクに水を入れるだけでなく、トイレットペーパーを広げて表面に浮かべておくとよいでしょう。
こうすることで、便がタンクに付着しにくくなり、掃除がしやすくなります。タンク内の排泄物は、そのままトイレに流せます。トイレットペーパーで流せますが、タンクの中にティッシュを入れるとトイレに流しにくくなるので注意しましょう。
タンクは洗剤で洗った方が臭いが気になりませんが、毎回洗うのが大変な場合は、消臭剤を使い、1日1回洗剤で洗えば、手間もかからず、臭いも気にならなくなります。
使用者に合ったポータブルトイレを探そう
介護用トイレにはいくつか種類があるので、それぞれの特徴を理解した上で商品を選ぶと、効率的な介護を行うことができます。また、場所によっても選ぶべきタイプが変わってくるので、購入前にポータブルトイレを使う場所を決めておくことが大切です。
便利な機能がついているものであれば、介護の時間を短縮することにもつながります。当記事でご紹介した商品や選び方を参考に、使いやすい介護用ポータブルトイレを探してみてください。