40代というと子育てが一段落した方や、仕事を変えるにはラストチャンスかもしれないと考える方も多い世代ですが、中でも介護の仕事に転職した方も多くおられます。ここでは40代で介護転職した時のメリット・デメリットをご紹介していきます。介護職は今後も需要が高い仕事なので、40代で転職をお考えの方はぜひチェックしてみてください。

目次

40代から介護転職できる?

40代というと家庭を持っている方もおられ、子育てが一段落してまた働くことを考えたり、転職するならラストチャンスと考える方もおられます。しかし、40代からこれまで未経験の職への転職は厳しいのでは、と不安になられる方も多いのではないでしょうか。ここでは40代での介護転職の実情をご紹介していきます

40代から介護転職する人は多い

40代での転職に不安を感じる方も多いですが、実際に40代から介護転職する方が多いのが現状です。一般的な介護職以外の仕事では、40代から未経験の仕事に応募してもなかなか採用されにくいですが、介護職に関しては下は10代の方や、上は70代の方でも現役で働いています。

そんな幅広い年齢層の働き手の中では、40代はまだまだ体力もあって、しっかり働ける年齢と言えます。40代で採用してもこれから20年以上働ける可能性も十分あり、未経験でも十分経験も積めるので、40代での未経験採用を受け入れる所も多いようです。

介護職に就いている7割が40代以上

幅広い年齢層の方が働く介護職ですが、令和2年度の介護労働者の就業形態と就業意識調査によると、介護職に就いている約7割が40代以上という結果が出ています。男女合わせた平均年齢は47.5歳と、40代は介護職に関してはまだまだ働き盛りの中間層です。

介護職に関しては40代でも転職できる可能性は高く、年齢でNGと言われることも他業種より少ないでしょう。

業界が慢性的な人材不足

ニュース等でもよく取り上げられていますが、介護業界が慢性的な人材不足になっています。近年の全ての職種を合わせた有効求人倍率は、住んでいる地域にもよりますが1倍前後ほどとなっています。しかし介護職は有効求人倍率が3倍を超えており、他業種より高いことがお分かりいただけるはずです。

有効求人倍率は求職者1人に対して何人分の求人があるかという数値なので、介護職は紹介してもらえる求人も多い状態ということになります。有効求人倍率は介護職に関しては高い水準を保っているので、常にどこかで人手を探している状態のため転職先も見つけやすいでしょう。

今後さらに拡大していく業界

また、介護は今後さらに拡大していく業界と言えます。日本では総務省統計局によると2019年の時点で65歳以上の方が総人口の28.4%で、1950年の統計からずっと増え続けている状況です。今後も高齢者が増え、2040年には35.3%になると予測されています。

高齢者が増えれば介護される方も増え、今以上に介護職の人手は必要となってきます。40代からの転職も、介護職の需要を考えれば十分可能でしょう。

介護職に向いてる人

介護職にも向いている人と向いていない人がいます。介護職は介護される方々やそのご家族、一緒に働くスタッフなど、人と会話をすることが多いので、人と接するのが好きな方が向いています。また、介護される方は年上の方がほとんどなので、気配りができたり受け答えもしっかりできる方が望ましいです。

人によっては話しかけ方も変えたり、介護の仕方も変えるなど、マニュアル一辺倒とはいかないため、柔軟な対応力や勉強していく姿勢がある方も向いているでしょう。

40代からの介護転職前に確認を!職種別平均年齢!

ここからは職種別平均年齢をご紹介していきます。介護の仕事は職種が色々あり、平均年齢も違います。令和2年度の介護労働者の就業形態と就業意識調査の平均年齢をご紹介していくので、介護職へ転職する前に、詳しくチェックしておきましょう。

訪問介護員

訪問介護員は要支援や要介護の利用者の家に訪問し、排せつや食事などの身体介護や、掃除や洗濯などの生活援助を行います。訪問介護員の平均年齢は50.9歳となっています。割合で行くと、50歳以上55歳未満の割合が12.7%と1番高く、50代以降の方が現役で活躍していることが分かります。介護の仕事の中でも平均年齢は高めと言えます。

介護職

続いては介護職です。介護職員は特別養護老人ホームや障害者支援施設などで働き、高齢者や重度の心身障害者などの身体介護や生活支援を行います。介護職員の平均年齢は45.3歳です。40歳以上45歳未満の方の割合が一番多く、13.6%となっています。

ケアマネージャー

ケアマネージャーは介護支援専門員とも呼び、介護保険サービスを受けられるように、サービス計画書の作成やサービス事業者との調整を行ったりします。平均年齢は52.1歳で、55歳以上60歳未満の割合が一番多く、16.2%となっています。

ケアマネージャーは介護支援専門員実務研修受講試験に合格しなければなりません。受験資格が指定業務を5年以上かつ900日以上経験するという条件あるため、平均年齢も高くなっています。

生活相談員

生活相談員は特別養護老人ホームやデイサービスなどの介護施設で、施設への入所・退所の手続きなどの窓口業務を行います。医療機関などとの連絡・連携、利用者やその家族からの相談などにも対応するなど、仕事内容は多岐にわたります。平均年齢は45.0歳で、一番多い年齢層は17.2%で40歳以上45歳未満が一番多いです。

サービス提供責任者

サービス提供責任者は、アマネージャーが立てた介護プランを基にして、訪問介護サービスの計画を立てたり、介護員への指示や指導を行います。平均年齢は49.3歳で、50歳以上55歳未満が15.4%と一番多くなっています。

職種平均年齢
訪問介護員50.9歳
介護職員45.3歳
ケアマネージャー52.1歳
生活相談員45.0歳
サービス提供責任者49.3歳

40代からの介護転職を成功させるコツ

ここからは40代からの介護転職を成功させるコツをご紹介していきます。求人が多いからと安心せずに、しっかりコツを押さえておくと採用もされやすいでしょう。手軽に出来るものも多いので、転職前にチェックしてみてください。

コツ①前向きな動機を考える

1つ目は、前向きな動機を考えておくことです。例えば採用されやすい、仕事が楽だと聞いたから、という自分の本心からの動機を話してしまうと、やる気がないと思われてしまうことがあります。

また前向きな動機があれば、介護の仕事でやりがいを感じたり長くも続けやすいです。前向きな動機でやる気をアピールしていきましょう。

コツ②転職前に資格をとる

2つ目は、転職前に資格を取ることです。求人票に未経験・無資格でもOKと書かれているものもありますが、資格を持っていると優遇される場合があります。以前はホームヘルパー2級という名称でしたが、介護職員初任者研修という資格を持っていると良いでしょう。

いわば介護の入門資格と言ったもので、介護の基礎知識やスキルを身につけていることの証明になります。資格があることで採用もされやすく、その先の資格を取ってスキルアップを目指す場合にも、先に介護職員初任者研修を取得しておくのがおすすめです。

コツ③情報収集

40代での転職には、情報収集も重要です。介護職のイメージにある仕事内容と、実際に行う仕事は違いがあることもあり、採用されてからこんなことまで業務に含まれるのかと思うこともあります。事前に訪問介護員であったり、介護職員はどんな業務をする可能性があるのかを調べておきましょう。

介護職員は特別養護老人ホームやグループホーム、デイサービスなどでも仕事内容は違ってくるので、施設ごとに内容を確認しておいてください。また、採用試験を受ける前に転職先のホームページで、介護の方針や職場の雰囲気を確認しておくがおすすめです。

コツ④キャリアプランを立てる

最後はキャリアプランを立てることです。介護業界では70代でも現役で働いている人もいる世界なので、40代で働き始めても20年以上働ける可能性が十分あります。ただ目の前の仕事をこなす20年にはせず、資格を取って別の職種を目指していくのか、仕事のかかわり方などのプランを考えてみましょう。

もちろん、働いている途中でやりたいことが変わったりもするとは思いますが、都度都度修正しながら目標に向けて働くと、充実感ややりがいも感じやすいでしょう。

40代からの介護転職のメリット

ここからは40代からの介護転職のメリットをご紹介していきます。40代から未経験の世界へ飛び込むには勇気がいりますが、メリットも様々です。まだ転職を迷っている方は、メリットを確認してみてください。

メリット①働き方を選べる

メリット1つ目は、働き方を選べる点です。介護の仕事は正社員だけでなく、パートや派遣社員の仕事も多いので、働き方を選びやすいでしょう。正社員にはなりたいけれど夜勤はできない、無資格未経験で最初からバリバリ働く自信がないという方は、派遣社員やパートで希望の時間に働いたり、経験を積むのも手です。

非正規でスタートしても経験があると正社員にもなりやすく、働きながら資格を取得して正社員を目指すことも可能でしょう。

メリット②今までの経験が活きる

メリット2つ目は、今までの経験が活きることです。転職ということはこれまでに20年程、違う仕事をしてきた経験があるはずです。接客業をしてきた方は接客スキルを介護の現場でも活かせますし、主婦の方も家事スキルは十分あるはずです。これまでの経験を活かしていきましょう。

メリット③親の介護に知識が活きる

40代であれば、親の介護が近い方も少なくありません。介護職に就いていると、親の介護に知識が活かせます。親の状態を見て、どういった介護ができるか、どうサポートしていくかも考えやすく、身体介護ができることや知識もあることは確実にプラスになるでしょう。

メリット④同年代が多い

最後は同年代が多いことです。平均年齢からみても40代、50代が活躍している職種で、同年代の方が職場に多く、仕事がしやすいでしょう。もちろん、未経験で入れば新人扱いなので、同年代の方も先輩にはなりますが、他業種の様に若い人ばかりといった居心地の悪さはありません。

40代からの介護転職のデメリット

続いては、40代からの介護転職のデメリットをご紹介していきます。魅力的なメリットは多いですが、デメリットもあります。デメリットを確認し、それでも介護の世界に転職したいかを考えてみてください。

デメリット①収入が下がる

デメリット1つ目は、収入が下がる点です。男性か女性か、働く地域や資格のあるなしにもよりますが、40代で介護職の年収は300万円台のところも多く、転職前よりも年収が下がってしまう方も多いでしょう。

営業職の様に売り上げ次第で年収やボーナスが左右されると言った心配はありませんが、転職後も大幅に年収が上がるような期待はできません。収入が下がる覚悟は持っておいた方が良さそうです。

デメリット②年下上司になることも

上司が自分よりも年下の可能性もあります。40代と言えど、未経験転職の場合は完全に新人となるので、上司が自分よりも年下で、やりにくさを感じてしまう方もおられます。言葉や態度に腹が立つことがあっても、年下であっても先輩であり上司なので、言われたことは素直に聞いて実践し、仕事を覚えて1人前になることを目指しましょう。

デメリット③身体的負担が大きい

最後は身体的負担が多いことです。介護の仕事は体力勝負で、介助される方をベッドから車椅子へ移動させたりする際に、中腰で支えたり介助者の体重がのしかかったりするため、腰を痛めてしまうことが多いです。

介護職員の多くが腰痛を抱えて仕事をしているため、職業病と言えるかもしれません。体力的にもハードな仕事であることは覚悟しておきましょう。

40代からの介護転職におすすめの転職サイト

ここからは40代からの介護転職におすすめの転職サイトをご紹介していきます。介護職向けの転職サイトを使うと、面接などのアドバイスがもらえたり、転職先も豊富なのでおすすめです。ぜひ登録して活用してみてください。

おすすめ①マイナビ介護職

まずはマイナビ介護職です。転職サイト大手のマイナビの介護版で、介護職専門のキャリアアドバイザーが1対1でサポートしてくれます。応募書類の確認や添削等を行ってもらえたり、非公開求人も多く扱っています。登録から転職成功まで、完全無料で利用できます。

おすすめ②きらケア

続いてはきらケアです。こちらも無料で利用でき、キャリアの提案から就職後のお悩み相談もできます。良い情報以外も事前に共有してくれるため、入社後のギャップも少なく済みます。事前の面接対策や面接に同行してフォローしてもらうことも可能なので、未経験者には心強いでしょう。

おすすめ③かいご畑

最後はかいご畑です。専任のコーディネーターが仕事探しから就職後までフォローしてくれ、介護福祉士に必要な実務者研修などの介護資格を無料で取得できる制度もあります。無資格・未経験OKの求人を多く扱っており、高時給や日勤のみなどの希望を出したり、パートや紹介予定派遣など様々な働き方が選べます。

40代からの介護転職は将来性がある!

40代での介護転職の現状をご紹介してまいりましたが、他業種に比べて未経験でもチャレンジしやすく、採用の可能性もあることがお分かりいただけたはずです。介護はこれからも人手不足が予想され、需要も多いでしょう。

年金もしっかり貰えるか分からず、70歳までは現役で働かないと不安な方も多いのが40代です。40代からの介護転職は将来性があると言えます。転職のコツを押さえて、介護の世界を目指してください。

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