家族に介護が必要な高齢者がいて、毎日の介護食作りが大変という方もいるのではないでしょうか。介護食は、飲み込みやすく工夫したり食材をやわらかくしたりと手間がかかります。

そこで、介護食の調理を楽にしてくれる調理器具があると便利です。今回は高齢者の介護食におすすめの調理器具をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

高齢者の介護食の特徴

介護食とは、噛む力や飲み込む力が弱くなった高齢者が食べやすいよう工夫した食事のことです。高齢者は歯や筋力が衰えて嚙みにくくなったり飲みにくくなったりし、食欲が低下したり食べ物が気管に入ってしまう「誤嚥(ごえん)」の原因となったりします。

食事量が減ると必要な栄養が十分摂取できず、筋力や消化機能、免疫、認知機能などの低下を引き起こすと言われており、注意が必要です。

そこで食材をやわらかくする、飲み込みやすいように工夫するなどした介護食を作ることで、安全に楽しく食事を摂ることができます。食事は必要な栄養素を摂るだけではなく毎日の生活の楽しみや生きがいにも繋がるため、高齢者の心身の健康の維持に必要不可欠なのです。

高齢者の介護食作りに便利な調理器具の選び方

高齢者が食べやすいような介護食を作るためには、食材をやわらかくしたり飲み込みやすい形状にしたりする必要があります。通常の食事作りよりも手間や時間がかかるため、毎日毎食の介護食を作るのは大変なものです。

そこで活躍するのが、食材を簡単にやわらかくしたり時短調理ができる調理器具です。ここでは、高齢者の介護食作りに便利な調理器具を選ぶ際のポイントを押さえておきましょう。

調理器具の選び方①食材をやわらかくできるもの

介護食を作る時は、食材を食べやすくするために細かく刻んだり潰したりし、煮る・蒸すなどして加熱しやわらかくするのが基本です。ペースト状にして、飲み込みやすくすることもあります。

調理器具を選ぶ際は、介護食の基本である「食材をやわらかくできる」ものを選ぶことが大切です。煮物や野菜スープは煮ることでやわらかくなり、汁に溶けだした栄養も一緒に摂取できるため介護食に適しています。

蒸す調理法も水分を逃さず、やわらかい仕上がりになります。また根菜類は潰す、繊維質のものは潰して裏ごししたり繊維を断つように切る、かたい食材はすりおろすことで食べやすくなるでしょう。

調理器具の選び方②時短調理できるもの

介護食作りは手間がかかるので、全て手作業で行おうとすると時間がかかり負担になります。そこでおすすめなのが、時短調理できる器具です。作業を効率的に進められるものや、同時に複数の調理が可能なもの、自動調理できるものなどを取り入れることで時短が叶います。

離乳食用のアイテムを介護食の調理に活用することもできます。片付けやお手入れが大変だと使うのが面倒になってしまうため、片付けやお手入れが簡単かどうかもポイントです。

高齢者の介護食作りにおすすめの調理器具7選と使い方

ではここからは、高齢者の介護食作りにおすすめの調理器具を見ていきましょう。それぞれの商品の特徴に加え、使い方や実際に使用した方の口コミもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

高齢者の介護食の調理器具①BEABA ベアバのベビークックSOLO

1台で蒸す・切る・混ぜる・解凍・あたための5役をこなす調理器具です。蒸し調理は茹でるよりも水溶性の栄養素が残りやすく、栄養たっぷりな食事をわずか15分で作ることができます。蒸した後にブレンド機能を使えば、状態を見ながらなめらかさを微調整することができます。

スチーム機能では蒸すほか、食材の解凍やあたためも可能です。バスケットを持ち上げるハンドルとしても使える専用ヘラは、調理した食材を混ぜたりすくったりするのに便利です。また介護食だけではなく、マッシュポテトやスムージー、スープ、蒸し野菜など普段の料理にも活躍します。

使い方

ベアバのベビークックSOLOはボタンが1つのみで、ボタンを押すとスチーム、右にひねるとブレンドと操作が簡単です。

  1. スチーム用の水をタンクに入れます。
  2. 野菜をカットし、バスケットに入れてセットします。
  3. 蓋を閉めてボタンを押すと、マークが青く光ります。
  4. スチームが終了したら、調理カップに溜まったスチーム液を取り出して調理カップに野菜を入れます。
  5. スチーム液を適宜加えながら、ボタンを右にひねってお好みのなめらかさにブレンドします。

口コミ

はじめての離乳食作りに本当にお世話になりました!これが無かったらと思うとゾッとします。茹でたり切ったりしなくて良いので、調理も短く済み、その分、睡眠に時間を割けました。これで蒸した野菜は本当に美味しいです!!引用:Amazon

この商品は蒸すのもボタン一つででき、蒸し終わったら今度はそのままミキサーにかければいいので本当に楽です。おかげで2人目は毎日楽しく離乳食作りができています。下の子の離乳食作りだけで終わらず、離乳食以外にも活用できているのもとても気に入っています。引用:Amazon

鍋をずっと見ている時間もないなか、ボタンひとつでくたくたに柔らかくすることができるのがとても気に入っています。電子レンジよりも美味しくできますし、鍋で茹でるときのように火加減を気にする必要もないので楽で、大人用に茹で野菜(かぼちゃなど)を作るのにも活躍しています。引用:Amazon

口コミを見ると離乳食用に使用している方が多いですが、離乳食以外にも活躍するという声が多くありました。ボタン1つで簡単に使う事ができ、料理の手間も省けるため時短になる、楽になったと口コミで好評です。

高齢者の介護食の調理器具②Braun マルチクイック7 ハンドブレンダー

Braunは優れた品質とデザインで数々の賞を受賞しているドイツのブランドで、人間工学に基づいた使い心地の良さと完璧なフォルム、機能の両立を実現しています。

こちらは1台で「つぶす・混ぜる」「みじん切り」「すりおろし」「泡立て」「スライス」「千切り」「生地をこねる」の7役をこなすハンドブレンダーです。業界初のスマートスピードテクノロジーを搭載し、握る力を変えるだけで自由にスピード調整できます。

モーターは独自開発したハイパワー設計で、食材を攪拌するベル型シャフトにはミルブレードが搭載され、刃の中心部に溜まりがちな食材を攪拌します。片手で操作できるため使い勝手が良く、毎日の介護食作りに活躍するでしょう。

使い方

機能に合わせ、ツールを変えて使用します。安全性を考慮しはじめはスイッチロック機能がはたらいているので、使用する際はまずスイッチ解除ボタンでロックを解除します。

  1. コンセントを差してすぐはスイッチロック機能がはたらいています。赤い点滅は、ロックがかかっている状態です。
  2. スイッチ解除ボタンを押すとロックが解除され、緑に点灯します。
  3. スイッチを解除し5秒以内にスマートスピードスイッチを押すと、スイッチが入ります。5秒以内にスマートスピードスイッチボタンを押さなければ、再度ロックがかかります。

口コミ

よく粉砕してくれます。ちょっと重いな、とも思ったのですがとにかく、滑らかになるので、気持ちいいです。洗うのも楽。引用:Amazon

スムージーを作ったり、ペーストをするのに買いました。あっという間にできるので大変重宝しています。使った後のお手入れも簡単で買って良かったです。引用:Amazon

鍋の中でちゃちゃっとすりつぶしたいので購入しました。結果、大満足。パワーに惹かれてこちらを購入しました。ポタージュや、暑い日はガスパチョなど面倒でなく作れて助かっています。引用:Amazon

パワーが大きな魅力で、すぐに食材がなめらかになる、面倒なく調理できるという口コミが多く見られました。使用後のお手入れも簡単なので、気軽に使えるのも人気のポイントです。

高齢者の介護食の調理器具③Iwatani サイレントミルサー

作動音が静かな低騒音設計のコンパクトミルサーで、食材を細かくする調理におすすめです。静音なので早朝や深夜でも使いやすく、それでいてパワフルなので硬い食材もあっという間に粉砕します。

強化ガラス製の容器はそのまま電子レンジで加熱でき、カッターと容器は丸洗いできるのでお手入れも楽です。野菜を粉砕した後、調味料を加えてそのまま容器を電子レンジで加熱すれば簡単にスープができます。煮沸消毒もできるので、衛生的に使えます。

使い方

使い方はカバーをかぶせて押し込むだけ、と簡単です。一度使用してすぐにまた使う場合は、合計時間を3分以内にしましょう。

  1. ミルサーする食材を容器の中に入れます。
  2. 容器とカッターユニットを時計回りに回して閉めます。緩いと中身がこぼれてしまうので、注意しましょう。
  3. 容器とスイッチカバーをつけ、電源プラグをコンセントに差してカバーを押すと回転します。
  4. カッターの回転が完全に止まるのを待って、容器を取り出します。
  5. 取り出した容器を逆さにし、カッターは回して取り外します。

口コミ

何しろお手軽で洗うのも簡単です。ミキサーの出番がなくなりました。おろしカッターは大根おろしや山芋おろしがすぐ作れます。また粉砕では粉末状まで可能で、煮干しやだし用鰹節なども粉砕。味噌汁はそれをそのまま投入、余すことなく食べてます。引用:Amazon

毎日人参ジュースを作っています。以前はフードプロセッサーを使っていましたが、飲み物用のものではないのでサラサラ感がない。今では音もしずかで口触りがよくて購入して良かった。引用:Amazon

猫が病気になり、流動食を作る必要があったためミキサーを探していて、こちらの商品を見つけました。イワタニなら有名なメーカーなので大丈夫かな、と思い購入。使い方も片付けも簡単、音も割と静かで良かったです。猫の流動食以外にスムージーなども簡単に作れそうです。引用:Amazon

音が静かな上、使い方もお手入れも簡単で手軽と口コミで好評です。おろしカッターや粉砕などさまざまな機能が使えるので、幅広いメニューに活躍します。また口当たりの良い仕上がりになる点も魅力です。

高齢者の介護食の調理器具④YAMAMOTO クックマスター旬彩

「煮込み1 」「煮込み2」「じっくり煮込み」「ポタージュ」「おかゆ」「豆乳」「発酵」「温泉玉子」8種の調理モードを搭載し、煮物・スープなど幅広く栄養価の高いヘルシーメニューを毎日楽しみながら調理できます。

高性能モーターによりコーンスープなど舌触りがざらざらしがちな料理も裏ごしなしでさらさらに仕上げることができ、肉豆腐やつみれ、ぶり大根といったやわらかい食材の料理でも形崩れの心配がありません。

また部品が4つと少なく水洗いできるため片付けが簡単で、コンパクトサイズで置き場所に困らないのもポイントでしょう。

使い方

食材を入れてボタンを押すだけで、手軽に本格料理が完成します。部品は全て分解でき簡単にお手入れできるので、いつでも清潔に使用できます。

  1. カットした食材と調味料を容器に入れ、蓋をします。
  2. 容器を本体にセットし、カチッと音がするまで本体可動部を押して固定します。
  3. モードを選択して運転開始ボタンを押します。

口コミ

殆どスープ作りに使用しており、期待したとおりの出来栄えに大いに満足しています。引用:Amazon

このような家電は大体飽きるのですが、毎日ポタージュ作りです。簡単、清潔、美味なら日課になります。毎日使っても負担になりません。野菜を切っておけば投入してスイッチ押すだけだし、何より使用後の掃除が楽です。引用:Amazon

スープ作りに活用している方が多い人気アイテムで、美味しくできると好評です。使い方が簡単でお手入れも楽なので、面倒にならず毎日使いやすいという声も多くありました。

高齢者の介護食の調理器具⑤TIGER コンパクトミキサー

業界最高水準の心地よい運転音と使いやすい機能で、いつでも手軽に調理を楽しめるコンパクトミキサーです。繊維まで細かくカットする「波型ブックチタンコートカッター」は4枚ののこぎり状になった刃先が特徴で、鋭い切れ味でパワフルに攪拌し、口当たりの良いなめらかな仕上がりになります。

コンパクトなデザインとコードリールで置き場所を選ばず、素早く使用することが可能です。煮沸消毒できるガラス製カップや、本体にカップカバーをセットしないと作動しない安全な「上部スイッチ式」もポイントでしょう。

使い方

使い方は、食材をカップに入れてカバーとともに本体に取り付け、スイッチを入れるだけと簡単です。

  1. 下ごしらえした食材をカップに入れます。
  2. カップ台にパッキンをつけ、カップにセットします。
  3. カップセットを本体に取り付け、カップカバーも本体に取り付けます。
  4. 差し込みプラグをコンセントに差し込み、スイッチを押して攪拌します。
  5. 回転が完全に止まってからカップカバーとカップセットを外します。
  6. カップセットのカップ台を上にしてカップ台を外し、調理物を取り出します。

口コミ

一人分冷凍ブルーベリーなどてスムージーを作るのに使用。狭いキッチンなのでコードが巻き取り式なのがとても助かる。コンパクトで使い方も単純でわかりやすい。買って良かったです。引用:Amazon

一番気にしたのは音が静かなこと。音を気にする方にはお薦めです。コードが仕舞えるのも気に入っています。容量も申し分なく、これだけのものが安く購入でき、コスパは最高です。毎日の野菜ジュース作りが楽しみです。引用:Amazon

コンパクトでとっても使いやすくて何度も使っています!この手のものは片付けが億劫になりがちですが、洗いが必要なパーツが少なく分解もしやすいため、負担なく使えています。引用:Amazon

口コミでは、コンパクトでコードが収納できる点やシンプルな使い方が好評です。音が静かで周りが気にならない、片付けも楽で負担なく使えるといった声も多くありました。

高齢者の介護食の調理器具⑥Panasonic デリソフター

家庭料理や市販のお惣菜、冷凍食品など出来上がった料理をおいしさと見た目はそのままに、驚くほどやわらかくできる器具です。72刃の隠し包丁を入れる独自のデリカッターが肉や食材の繊維を分断し、熱の通り道を作ります。

食材毎に最適なやわらか調理時間を設定するので、見た目のおいしさをそのままキープできます。庫内にセットして調理ボタンを押し12分~29分で調理が可能で、家族や友人と同じ食事を楽しみたい方におすすめです。

高齢者の介護食の調理器具⑦スクレーパー

スクレーパーはヘラやスパチュラとも呼ばれ、ペースト状の料理が多い介護食の調理に便利なアイテムです。介護食はやわらかく、少量だとすくいにくいことも多くあります。スクレーパーがあれば、ビンや缶の中に残った料理や、ミキサーやミルサーの刃の部分に残りがちな料理もかき出しやすくなります。

高齢者の介護食作りの注意ポイント

介護食を作る際は、食材をやわらかくしたり飲み込みやすくしたりと調理法に工夫が必要です。また高齢者の介護食では、むせやすい味付けや調理法を避けたり、栄養バランスを考えることも大切です。

注意ポイント①むせる原因となる調理は避ける

酸味の強い味付けや細かく刻んだ食材は、むせる原因となります。噛む力が弱いからといって食材を細かく刻むと、口の中でまとまりにくくなり、むせたり誤嚥を招いたりするため注意が必要です。むせずに飲み込むことができるよう、適度にとろみをつけると良いでしょう。

注意ポイント②栄養バランスを考える

介護食では食べやすくするだけではなく、栄養バランスも重要です。たんぱく質は肉・魚・卵・乳製品などからバランス良く摂取し、ビタミンB群やビタミンCなどの水溶性ビタミンは生食にしたり煮汁も一緒に食べ、ビタミンAやビタミンEなどの脂溶性ビタミンは油と一緒に食べて体内への吸収率を高めましょう。

高齢者はカルシウムや鉄、亜鉛といったミネラルが不足しがちなので、積極的に取り入れましょう。また消化器官や筋力が衰えることで便秘になりやすいため、適度に食物繊維も摂るようにします。高齢者が食べたいものを作ってあげることも大切ですが、糖分や塩分が多くならないよう注意しましょう。

おすすめの調理器具を上手く利用してください

今回は、高齢者の介護食作りに便利なおすすめ調理器具をご紹介しました。介護食の調理は手間がかかりますが、食材をやわらかくしたり時短できたりする便利な調理器具を活用することで負担を軽減することができます。

日々の介護食作りに負担を感じている方は、ぜひ今回ご紹介したおすすめの調理器具を上手く利用して、美味しく安全な介護食を作りましょう。

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