生きている以上、生活の中でどうしてもストレスを感じてしまう瞬間はあるものです。しかし、我慢をしてしまうのではなく、それをどう発散させるかが大切になってきます。今回は、どんな人にも当てはまるストレスが生じる原因や、それらを解消する方法についてご紹介します。

目次

ストレスとは

ストレス、という言葉を聞いて、どんなものがイメージされるでしょうか?引っ越しなどで環境が大きく変わったり、責任のある仕事を任されるなどした時には、特にストレスを感じる方が多いでしょう。

こういった例が示している通り、ストレスとは外的環境の変化、プレッシャーなど外部からの要因によって加わる力によるダメージを指します。気候、騒音などの環境要因、人間関係などの社会的要因など、原因となる要素は様々です。

日常における様々な刺激がストレスとなり得、特に一日の内の3分の1程度の時間を費やす仕事においては、心理的な要因や社会的要因など様々な原因が潜んでいますので、特にストレスを感じやすいと言えます。

仕事で非常に忙しかった日があったり、あまりかかわりを持ちたくない上司がいる職場に行かなければならない時などは「疲れた」「辛い」と感じるでしょう。こういった感情こそが、まさにストレスなのです。

ストレスには2つの要素があり、仕事で言えば忙しさや上司の存在そのものなどのストレッサー、そしてそれらストレッサーによって引き起こされた辛さや疲れなどの反応である、ストレス自体が揃います。

また、プラスな事もストレスにもなっています。例えば結婚式など、人生における一大イベントも嬉しいのは間違いないでしょうが、体は緊張などによってストレスが加わっているのです。

ストレス発散できない人の特徴

そんなストレスは、溜め込むのは良くないので発散するべき、とよく言われています。しかし、どうにも上手くストレスを発散できず、溜め込んでしまいやすい人もいます。

  • 自己評価が低い
  • 真面目で完璧主義傾向
  • 思った事を口に出せない
  • 自分の行動を振り返って後悔しがち
  • 周りの目を気にしやすい

該当する人の特徴といえば、上記のような例が挙げられます。例えば自己評価が低いと自分を責めがちでストレスを抱えやすいですし、自己主張が苦手な人は言いたい事が言えずに溜め込みやすいといった点があります。

一度ストレスが溜まっていると感じた時には、勿論誰でもすぐに解消をしたいところでしょう。しかし、自分に合っているストレス方法を実践しなければ、解決されることがありません。

誰かがやっている、皆がやっているからそれに取り組めば必ず自分も解消できるとは限りません。大切なのは、自分のタイプや好きな事をある程度客観的に把握したうえで、マッチした解消法を実践する事なのです。

ストレス発散できないとどうなる?

ストレスを溜め込んでしまうのは良くないと頭では重々承知しているけれど、それでも上記のように性格から発散がしにくい人もいます。もし、上手にストレスを解消させられないとなった時にはどんな事が起きるのでしょうか?

心への影響

  • 憂鬱さ、悲壮な気持ちがずっと続いている
  • 好きな事を楽しめない
  • 不安感、イライラ、緊張感が消えない
  • 無気力な状態が続きやる気が出ない

まず、心理的な影響としては上記のような物が挙げられます。過度なストレスが重なって解消できない状態だと、これまで好きだったことが一向に楽しめない、落ち込んだ気持ちが消えないなど、マイナスな気持ちが続く傾向があります。

感情が変化するのはすべてがストレスを要因とするものではなく、自分の性格が影響しているところもあります。解決ができないと、最悪の場合うつになってしまう可能性も十分に考えられます。

身体への影響

  • 食欲が減退し痩せてしまう
  • 食欲が増大し食べすぎる
  • 寝つきが悪く夜中や早朝に目が覚める
  • 手や足の裏に汗をかく
  • 頭痛、肌荒れ、眼精疲労、発熱等

続いて体に対しての影響ですが、食欲が失せてしまうというのはありがちなものです。人によっては、逆にいつもそこまで食べないのに食欲が謎に増大して、多く食べすぎて太るといったケースも考えられます。

睡眠時にも、中途半端な時間に目が覚めてしまう、といったように寝つきが悪くなってしまうのも代表的ですし、頭痛や発熱を引き起こすなど健康面にも影響を及ぼす可能性があるのです。

行動への影響

  • 暴飲暴食をしてしまう
  • 生活リズムが乱れる
  • 喫煙やアルコールの摂取量が増える
  • 周囲との交流を避ける
  • 何事に対しても消極的な態度になる

もう1つ、行動に関する影響ですが、心への影響として無気力感が発生している場合、仕事にも自分の生活にも消極的になるといったケースがあります。また、ヒトとのかかわりについても同じく消極化してしまう可能性もあるのです。

ストレス解消の手段として、喫煙やアルコール摂取量が増加する人も居るでしょうが、勿論健康的とは言えません。場合によっては、他人への暴言や暴力行為を起こしかねなくなったりもします。

おすすめのストレス発散方法

ストレスを発散できない人の特徴の中でも触れている通り、自分がストレスを抱えているとなった時には、適したストレス発散法を実践するのがとても大切です。ここからは、お勧めできるストレス発散方法をご紹介します。

ストレス発散方法①軽い有酸素運動

まず、軽い有酸素運動が挙げられます。有酸素運動とは、酸素をエネルギーとして行う運動の総称であり、ウォーキングやジョギングといったような運動が該当します。ダイエットなどでも、脂肪燃焼の為に取り入れられています。

体を動かすという行為そのものがとても大切で、特に仕事でずっと座っているデスクワークの人や、人間関係が悩みの人も筋肉が強張っている状態です。よって、運動によって体を動かし、それをほぐすのが効果的です。

筋トレなどをはじめとした無酸素運動に比べて、有酸素運動は負荷が軽めです。運動の強さとしては、体が暖まって軽く汗をかく程度が最も良いとされており、約20分ほどを目安として取り組むのが推奨されます。

ストレス発散方法②日光浴

続いては、日光浴です。朝起床した時に太陽の光を浴びると良い、といった話はよく聞くかもしれませんが、日光というのは私たち人間の精神状態に思っている以上に大きく関係しているものなのです。

実際に人間が日光を浴びると、精神の安定に欠かすことのできないセロトニンという脳内神経伝達物質が分泌されます。科学的な観点からも、日光を浴びるという行為は馬鹿にできない対処法となります。

朝起きた時には特に体を起こすという意味合いもあるので、日を浴びるのが推奨されます。また、日光を浴びつつ前述したウォーキングやジョギングなど、軽めの有酸素運動をするのも気分をリフレッシュするのに効果的です。

ストレス発散方法③甘い物を食べる

あまり体を動かすのが得意ではないというのなら、甘いものを食べるだけでも効果があります。ストレスがかかっていると感じると、甘いものを食べたくなる人も少なくないでしょうし、実際疲れている時には甘い食べ物が非常に魅力的に感じられるでしょう。

甘いものを食べるのは、科学的にもストレス解消に対し効果が見込めると考えられていて、日光を浴びる事などで分泌される物質であるセロトニンを作り出すには、血糖値を上げると分泌されるインスリンが必須です。

このインスリンが、血中のトリプトファンという物質を脳内に運ぶことで、セロトニンが出来上がります。また、糖質を分解した時に作られるブドウ糖も脳のエネルギー源となり、集中力や判断力が下がった時の対策となります。

ストレス発散方法④瞑想をする

瞑想というのも、立派なストレス解消法の1つになっています。目を閉じて瞑想を行うのはリラックス効果だけではなく、物事をポジティブに考えられるようにするための効果的なストレス解消法でもあります。

どうしてもマイナスな事ばかりを考えてしまったり、イライラがなかなか消えないなどといった心理的に荒れている状態があるのであれば、数分間だけでも良いので一度瞑想をしてみましょう。

リラックス効果で似たような方法として、お風呂にゆっくり浸かるというものもあります。ぬるま湯程度の湯船に約10分程度浸かることで、副交感神経を優位に働かせて体を落ち着かせられます。

ストレス発散方法⑤没頭できることをする

瞑想などで何も手に付けずにリラックスを促すのとは対照的に、没頭できる何かを見つけて取り組む発散法も代表的です。特に仕事がストレッサーになっていると分かっているならば、何かしらの趣味を作ってそれに没頭する時間を設けましょう。

映画が好きなら映画を好きなだけ見たり、読書をし続けたり、ゲームをしたいならとことん取り組むなど、アウトドアでもインドアでも良いので自分が時間を忘れて取り組めるような何かを見つけるのです。

人によって没頭できるものは様々ですので、まずは少しでも興味を持てることから手に付けてみても良いでしょう。趣味を設けて、仕事や勉強などとのオンオフを切り替えられる効果もあります。

ストレス発散方法⑥笑う

単純ですが、笑顔になるというのも効果的です。実は笑っているときには副交感神経が積極的に働き、ストレスが高まっている時に分泌されるホルモンを抑制させて脳内の温度を下げる効果があるとされています。

ストレスのかかっている時に笑うと、交感神経と副交感神経それぞれの神経がバランスよく働いている形になります。また、笑うと自然に腹式呼吸になり、意識しなくとも酸素を吸って消費します。

医学的にも、笑う事で糖尿病患者の血糖値が低下したり、リウマチ患者の痛みが軽減する、がんへの抵抗を高める免疫力が向上するといった、健康にも良い効果が見込まれているのです。

ストレス発散方法⑦環境を変える

自分が置かれている環境を変えて気持ちを切り替えるというストレスの解消法もあります。一口に環境を変えると言っても、部屋の模様替えをするなどの自分の回りの環境を変えるか、旅行等の自分が違う環境へ行くという2つの方法が取れます。

自分の身の回りの環境を変える一環として模様替えをするのであれば、これまでに溜め込んでいた不要な物を一度断捨離して整理したり、アクセントクロスなど壁紙を変えるなどして雰囲気を変えましょう。

自分から違う環境へ行くとして旅行をする際も、計画を練っている段階からストレス解消効果があるとされます。また、もし本当に厳しい場合には仕事場を変えるという手段もあります。

ストレス発散におすすめのストレッチ

ストレス発散の方法の中で、有酸素運動をするなどの体を動かすのが効果的であるとご紹介しました。ここからは、誰でもできて特にデスクワークが多い方にお勧めのストレッチをご紹介します。

3分でできる3つのストレッチ

太ももの裏を伸ばすストレッチ

  1. 地面に足を伸ばした状態で座る
  2. 手を伸ばし、足のつま先を握った状態で20秒キープする
  3. 脚を開いて、両手で右足のつま先を握った状態で20秒キープする
  4. 難しい場合は膝を曲げた状態で行っても良い

腰やお尻を伸ばすストレッチ

  1. 仰向けの状態で寝転ぶ
  2. 右足の膝を抱え込んで、胸に近づけるようにお尻と腰を伸ばす
  3. 30秒経ったら、左足も同様に抱えて近づける

肩甲骨を伸ばすストレッチ

  1. 四つん這いの状態になる
  2. 手をついた状態のまま、お尻を後ろにつき出す
  3. 猫が背伸びをするような状態をとる
  4. 肩甲骨を動かす意識で1分間キープする

注意したいストレス発散方法

体を動かしたり、没頭できる趣味を作ったりと、人によってストレスを解消させられる方法は様々です。どんな方法を選択するかは個々人次第ですが、逆に注意するべき方法についても押さえておきましょう。

NGなストレス発散方法①飲酒

まず、飲酒をするのはNGです。ストレスが重なっている時にありがちな手段として飲酒量が増えるというものがあり、アルコール自体に脳を鎮静化させる作用があるのでストレスは徐々に薄れていく感覚があります。

しかし、体はアルコールに対して耐性を獲得するので、徐々にその効果が弱まり、同じ効果を得るために摂取量が増えてアルコール依存症に陥る可能性があります。十分に眠れなくなってしまいやすいので、過度に飲まないようにしましょう。

NGなストレス発散方法②やけ食い

ストレスによって食欲が減退してしまう事はありがちですが、やけ食い、暴飲暴食も控えるべきです。身体的にも金銭的にも良い事はなく、内臓に負担がかかって十分な睡眠がとれなくなってしまう可能性が高まります。

たくさん食べた後にそれらを吐いてしまう方もいますが、摂食障害にもなりかねません。もし食べる事でストレス解消をするのであれば、ご褒美という形で自分の好きなものを食べてください。

NGなストレス発散方法③喫煙

飲酒に並んでストレス発散の方法として取られやすいのが、喫煙です。タバコを吸ってストレスを解消できるというのは、ニコチンの離脱症状を緩和しているから出ると考えられています。

タバコを吸ってストレスが解消された状態になれたと思っているのは、あくまでも一時的なものであり、喫煙後しばらくするとニコチンの血中濃度が下がってまたほしくなってしまうという、飲酒のアルコール依存症と似た状態になってしまうのです。

ストレス発散方法を試してイライラを解消しよう

仕事や生活をしている中でどうしてもストレスが発生してしまうのは、仕方のない話です。根本的な解決も大切ですが、自分がストレスのかかっている状態になった時の対処法をしっかり確立できるようにしておきましょう。

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