現代社会では、一人暮らしをする年配の方の増加により、孤独死が増えています。しかし、なせ孤独死という事態が起こってしまうのでしょうか。この記事では、現代社会でも問題になっている孤独死が増加している原因や、未然に防ぐ方法についてご紹介するので、身の回りに守りたい人がいる方はぜひ参考にしてください。
孤独死する人が年々増えている
現在、日本では孤独死が急増していることをご存知でしょうか。近年ニュースなどにも取り上げられる機会も増え、孤独死という言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。
今の日本では、年間3万人の方が孤独死しているといデータも出ており、その背景には核家族が増えていたり、高齢者の一人暮らしが増えていることが考えられます。
その中でも、主に男性の方が孤独死をするケースが多いというデータも上がっていて、年齢を見ても高齢者がほとんどです。孤独死する割合も、昔と比べると倍以上に増えていることもあり、懸念が広まりつつあります。
高齢者だけでなく若者の孤独死も増加
孤独死しているのは高齢者の方だけではありません。実は若者の間でも、孤独死が増えているのです。高齢者の方は、病気で孤独死してしまうことが多いですが、若い方は主に自殺をしてしまうことが多く、それで孤独死とされてしまいます。
何かしら問題やトラブルを抱えている方は、相談する相手もおらず、一人で生活をしていることから孤独死へとつながるケースも少なくありません。
今の時代、高齢者だけでなく若者による孤独死問題もあるのです。若いからといって油断はできないので、孤独死に関してはきちんと考えたほうが良いでしょう。
孤独死する人の死因
では、孤独死をする人はどのような死因が多いのでしょうか。孤独死をする方の半数以上は病死によるもので、主に高齢者の方、若者でも急な発作で亡くなってしまうこともあります。
病死するのは高齢者が多いですが、若いからといって油断は禁物です。急な発作はいつ誰に起こるか予想はできないので、一人暮らしの方は常にこのようなリスクがあるのだということを意識しなければなりません。
次に多いのが死因が不明なものです。これは、殺害されたことも含まれるかもしれませんが、一人暮らしをしていると誰かに殺害されたとしても発見まで時間がかるケースが多く、結果として助からなかったということもあります。
また、自殺も10%の割合なので、悩みを抱えている方の中で生きていることが嫌になって孤独死する若者もいるのでしょう。
孤独死をする原因
では、孤独死してしまう原因とはなんでしょうか。孤独死する死因が病死やその他不明、自殺なので、これに対してどのような原因が絡むと孤独死してしまうのかを、ここでは見ていきましょう。
原因①近所付き合いが減少
孤独死をしてしまう方は、近所付き合いがあまりないことが原因として上げられます。毎日誰かと顔を合わせているのであれば、「今日はまだ顔を見ていないけれど、どうしたのだとうか」と、異変に気づいてもらえます。
しかし、誰とも顔を合わせずに普段から近所付き合いがない方だと、特別気にされることもないため、部屋で倒れていても気づかれないことが多いのです。
孤独死をする方は、発見が遅れてしまうことも多いため、救急車を呼んでいれば助かっただろうという方も、間に合わないが故に亡くなってしまうケースも少なくありません。
原因②貧困によるもの
孤独死してしまう方に多いのが貧困です。仕事もリストラされ、食材を購入するお金すらなくなってしまい、誰に相談したら良いのかも分からずに一人で抱え込んでいる方は孤独死する傾向があります。
生活に関しては、保護を受けることができるのですが、どのようにしたら良いのか分からない方や、制度を知らない方もいるでしょう。精神的なダメージを受け、再就職もできなくなってしまう方も多いです。
精神的なダメージを受けてしまうと、負の連鎖となり、生きる気力を失ってしまうこともあります。貧困が自殺を引き起こすことも考えられ、孤独死する方も増えているのでしょう。
原因③未婚・一人暮らし
未婚や一人暮らしをしているということも原因の一つです。若いうちは、未婚や一人暮らしでも毎日充実した日々を送ることはできますが、やがて歳を取ると昔のように働くことはできず、一人寂しく孤独死してしまう方も多いです。
高齢になると、一人で食事をするということはとても悲しいことで、毎日一人でいると孤独にさえなるものです。さらに、高齢になると自分一人の力ではできないことも増えます。
電気の球を取り替える、スマホなどの機械がどんどん普及しており、使い方が分からずに孤立してしまうこともあるでしょう。未婚の場合、孫などもいないため、何かあった時に頼れる人がいないのです。
原因④パラサイトシングルの高齢化
大人になってもずっと実家にこもっており、一人暮らしをする能力すら持てなくなった方もいます。これをパラサイトシングルと呼ぶのですが、親に頼り切った生活をしている方は、一人で生きていくことが難しく、孤独死しやすいです。
特に30歳以上の方で、これまでに仕事をしてきたわけでもなく、ずっと家にこもってゲームを見たりアニメを見ているだけの生活では、社会に進出することさえ難しくなります。
こうした人生を送っていると、やがては両親が他界し、一人で生活をしなくてはなりません。しかし、これまで面倒を見てくれた両親がいなくなってしまうと、生きていくことができないという方もいるでしょう。
孤独死を防止する対策
では、孤独死をしないためにはどのようにしたら良いのでしょうか。ここでは、孤独死を防ぐための対策法をいくつかご紹介するので、一人暮らしをしている方、孤独死を防ぎたい方は参考にしてください。
対策①民間の事業者のサービスを利用する
まずは民間などの事業者のサービスの利用を検討しましょう。これは、自宅や部屋などにセンサーを設置し、動きがなくなると緊急セキュリティが発生し、管理会社へ連絡がいくようになっているので、異変に気がついた事業者がアクションを起こしてくれます。
最近では、一人暮らしをする高齢者の自宅にカメラなどを設置する方も増えており、遠くに住んでいても安全を見守ることができると人気を集めています。
24時間体制で見守ってくれるなどサービス内容も充実しておりさまざまなので、その方に合うプランを取り入れることができるでしょう。
対策②自治体のサービスを利用する
自治体を利用したサービスもあるので、こうしたサービスはフル活用するのが良いです。例えば、新聞配達をしてもい、毎日の安否を確認してもらった理、生協などを利用し、安否を確認してもらうことができます。
孤独死を防ぐために厚生労働省がさまざまな取り組みをおこなっています。詳細は、各自治体によって異なることもあるので、気になる方は近くの自治体に一度相談してみましょう。
対策③頻繁に連絡をする
頻繁に連絡を取り合うことも大切です。特に、お互いに遠い場所にいる時には、何かあった時にすぐに駆けつけることは困難なので、頻繁に連絡を取り合い、今の状況などを把握しておくと安心です。
万が一の時には、遠くからでも救急車を要請することもできるため、毎日様子を伺い、把握しておくことも大切です。また、ご近所の方にお願いしておくというのも良いでしょう。
時々様子を見てもらい、何かあった時には救急車を呼んでもらうなど、予め対策をしておくと離れて暮らしていても安心できます。
対策④老人ホームに入居
一人暮らしをするのであれば老人ホームに入居してしまうのも一つです。老人ホームであれば、見てくれる人がいるので、その点安心して任せることができます。
他にも、老人ホームに入居することで得られるメリットの方が大きいです。楽しみも増え、同じような仲間も作れるので、毎日充実な日々を送ることもできるでしょう。
孤独死が起きた際にすべきこと
万が一、孤独死が起きてしまった時のことも考えておくことで、いざという時に行動することができます。最後は、孤独死が起きた時の対処法についてご紹介します。
すべきこと①警察へ通報
孤独死をしている人を発見した際には、慌てずに警察の方に通報することを心がけてください。いきなり孤独死している方を目の前にしてしまうと、気が動転してしまうこともありますが、心を落ち着かせ、余計なことはせずに警察に連絡をするようにしてください。
孤独死の場合、救急車でなく警察に連絡をすることを覚えておいてください。警察に通報する理由としては、この時点では、死因は分からないことが多く、事件性がないかどうかを調べるためです。
すべきこと②葬儀を手配する
病院で亡くなったのとは訳が異なり、自宅などで孤独死をしている場合は、遺体がいつ戻ってくるのか分かりません。しかし、いつ戻ってきても動けるように、葬儀の手配などはしておくと安心です。
ただし、遺体は警察の方で火葬することもあるため、独断で行動せずに警察の方と相談をしながら、どのようにすべきなのかを確認しましょう。
すべきこと③室内を清掃
孤独死をした後の現場の片付けも行わなくてはなりません。身内などで手分けをして片付けをするか、今は業者に依頼することもできるため、時間がない時には専門業者に任せてしまうのもありでしょう。
高齢化に伴い増加する孤独死は深刻な社会問題
今の時代は、高齢化が進み、それと比例するように孤独死も増えているので、今度の課題は尽きません。しかし、孤独死に関する知識を少しでも知っておくことで、対策や対処ができるため、この機会に孤独死について少し考えてみましょう。