身体機能の低下に悩む高齢者は多く「足腰が弱くなってきた」「歩くのが辛くなってきた」という方もいるのではないでしょうか。
足腰を鍛えるには日々の運動が大切ですが、無理をしてしまうと続きませんし、負担がかかってしまうこともあります。そこで今回は、高齢者が無理なく足を鍛えられるおすすめの器具をご紹介していきます。
高齢者の筋力が低下する理由とは
高齢者になると筋力が低下すると言われていますが、その理由としては「老化」と「病気」が挙げられます。年齢を重ねると日々の運動量が減り、筋繊が細くなることで筋力が低下します。
加齢による筋力低下は自然なことではありますが、そのままにしておくと歩くのが億劫になってより運動量が減り、さらに筋力が衰えてしまうという悪循環に陥ってしまう危険もあるのです。
また筋肉が急激に減る「サルコペニア」という病気によって、筋力が低下することもあります。単なる老化によるものではなく、身体機能に異常をきたし、歩行や入浴、着替えといった日常生活にも不自由が出てきます。体のバランスを取るのも難しくなるため、転倒や骨折の危険も高まるので注意が必要です。
高齢者が足腰を鍛えることの効果
筋力の低下を実感していても「今更トレーニングしても改善しないのでは」と不安を感じる方もいるでしょう。しかし、髪や歯などと違って筋繊維は老化によって大きく減少することがありません。一方で、筋肉を使わなければ筋繊維が細くなり筋力が低下するのです。
老化による筋力低下は、筋繊維がなくなったのではなく細くなっただけなので、日々鍛えていけば年齢に関係なく筋力アップが期待できます。
特に足腰の筋肉が衰えると、日常生活に支障をきたすことが多く、進行すると周囲の介護が必要になる可能性もあるでしょう。高齢者が足腰を鍛えることで、転倒リスク低下やむくみ防止、認知症予防といった効果が期待できます。
効果①転倒リスクを下げられる
消費者庁によれば、65歳以上の高齢者が転倒事故を起こすと8割以上の方が通院や入院が必要となり、骨折などの深刻な状況に陥るケースも多いことが分かっています。一度の転倒事故によって要介護状態になるリスクも上がるため、高齢者にとって転倒リスクを下げることは重要です。
転倒の原因として多いのが「すり足」と言われていますが、すり足は下肢筋力に加え、体幹筋が低下することで引き起こされます。体幹筋が衰えると背中が丸まって頭が前に出やすくなったり、反り腰になって姿勢が悪くなりバランスをとって歩きづらくなってしまうのです。
体幹筋は目に見えず日常生活意識しにくい筋肉なのですが、簡単な運動を続けていくだけで安定して足腰の動きも良くなっていくので、転倒リスクを下げることが期待できます。
効果②むくみ防止に役立つ
足腰の筋肉は身体の土台となり、身体を支えて動かすために重要です。足腰が安定していると他の部分も動かしやすくなり、血液循環も良くなります。
下半身には全身の血液の約7割が集まっており、ふくらはぎの筋肉がポンプの役割を果たして血液を心臓に戻しています。脚の筋肉を鍛えて血液循環が良くなることは、むくみ防止に役立ちます。むくみを防ぐことで太ももが引き締まり、すっきり見えるでしょう。
効果③外出機会が増え認知症の予防にも
高齢者になって外出機会が減り、周囲との交流が少なくなってしまうケースが多くあります。足腰の衰えは外出機会を減らす理由の一つとなっており、歩くのが辛かったり億劫になって外出しなくなってしまいます。
外出機会が減り家にひきこもるようになると、人と話す機会が減り認知症のリスクが上がる可能性もあるでしょう。人との交流は認知機能向上に重要とされているため、足腰を鍛えて外出機会を増やし、他者とのコミュニケーションを増やしていくことは認知症の予防にも効果があります。
高齢者が足を鍛えるためのおすすめ器具2選
足を鍛えるのにジムなどに行ったりウォーキングなどをするのも良いですが、わざわざ外出せずに家でトレーニングできる器具もおすすめです。
自宅で使える器具があれば、天候に関係なくトレーニングができます。足腰を鍛えるには、日々のトレーニングを継続することが重要です。ここでは高齢者が足を鍛えるために続けやすく、安全に使えるおすすめの器具をご紹介します。
足を鍛える器具①ショップジャパン 健康ステッパー ナイスデイ
ハの字にゆっくり踏み込むことで左右に重心移動がおこり、太ももの外側・内側だけではなく、もも~ふくらはぎまで足全体を鍛えられます。油圧シリンダーで負荷をかけるため動きが滑らかで、着地の際の衝撃が少ないため膝に優しく、運動に自信がないという方も安心して使えるでしょう。
コンパクトで場所を取らず、ちょっとした空き時間に音楽を聴きながら・テレビを見ながらなど、運動しやすいのも魅力です。運動時間やステップ回数が簡単に確認できるためトレーニングの目安や目標達成に便利で、ペダルの高さを調節することで運動量の調節もできます。
口コミ
足膝に多大な負担を掛けずに強化できる。引用:Amazon
散歩より踏みごたえがあり10分で汗がでます。ストレッチと組み合わせて術後の回復に努めています。横になっての足踏みも胃腸には運動になります。筋肉量が増えるといいです。引用:Amazon
母の足腰の為に購入しました。正直なめていましたが良い感じの負荷が掛かるので外歩いているより効率よく運動できている感じがしました!母も気に入ったようで少しずつ暇な時など乗っていますし、自然と腕を振りやすい感じがしますし、負荷も変える事ができるようです。引用:Amazon
膝に負担を掛けずに、効率的に運動できるという口コミが多く見られました。散歩よりも運動になるという声もあり「高齢のご両親のために購入した」「高齢のご両親も気にってくれた」と好評です。
足を鍛える器具②Dilraba 健康ステッパー 専用ハンドル付
自宅で気軽に有酸素運動ができる健康ステッパーで、ながら運動にも最適です。天候に左右されず、ジムなどにわざわざ移動せずに運動できるのが魅力でしょう。角度や負荷の調整が可能で、効果的に腕、腰、足、ヒップを鍛えることができます。
踏み込む動作はお腹の中にある腸腰筋が刺激され、伸びていた筋肉が引き締まってウエストの肉を引き上げ引き締める効果も期待できるでしょう。専用ハンドルが付いており、バランスを取りやすいので高齢者でも安全に使いやすくなっています。
高齢者が座ったまま足を鍛えるためのおすすめ器具3選
運動習慣がない高齢者におすすめなのが、座ったまま足を鍛えられる器具です。椅子やソファー、ベッドなどに腰掛、足を乗せて運動できるもので、安全にかつ簡単に運動効果が得られます。
自宅で気軽に使えるため毎日続けやすく、ながら運動にも最適です。ここでは、座ったまま足を鍛えられる高齢者におすすめの器具をご紹介します。
足を鍛える器具①あしふみ健幸ライフ 職人手作りのステッパー
一般的なステッパーの約10分の1程度の力で、簡単にこり固まった関節や筋肉をほぐし、しなやかにする器具です。足を乗せるだけでゆらゆら足が勝手に動き出し、身体の巡りを良くしてくれます。
無理なく使える上、シンプルな構造とコンパクトで軽量なため習慣化しやすく、歩行器や杖なしでも100年歩ける足腰を目指せます。電源入らずでいつでもどこでも使いやすく、国産の天然杉の香りを楽しめるのも魅力でしょう。座ったまま使用できるので、高齢者でも安全に使う事ができます。
口コミ
母の日に何をプレゼントしようかと悩みに悩み、以前、某展示会で体験させていただいた本商品を思い出し購入しました。少し値が張りましたが、母も喜んでくれており満足しています。引用:Amazon
木が贅沢に使われていて、触り心地が良い。腰の痛みが軽減し、周囲が驚くほど動けるようになった。このようなものがあることを、もっと早く知りたかった。価格が高いと思ったが、今では安く感じる。引用:Amazon
座っている時間が長いので、こちらを購入。軽い運動なのに、立ち上がると疲労感が。効いてるのでしょうか。靴下をはいたままの使用ですが、溝がいい仕事をしています。さまざまな運動器具を持っていますがほとんど使わず。これが1番いい買い物かもしれません。引用:Amazon
口コミを見ると、使っている時は辛くないのに、しっかり運動効果があるという声があり、木でできた触り心地も好評です。実際に使用して継続しやすい、足腰の痛みが改善して動けるようになったという口コミも見られました。
足を鍛える器具②AERO LIFE モーションナビ
1日7分からの短時間、座ったままのステップ運動で運動不足解消や下半身の筋トレ・ストレッチができる器具です。
つま先から踏み込むステップで足の筋肉を効率的に動かし、特に太もも・すね・ふくらはぎに効果的です。はじめはフットプレートの踏み込みが浅くても、しっかり筋肉を動かして継続していくうちに踏み込み幅が増えていき、歩行力アップが期待できます。
固定バーをセットするとストレッチボードとしても使用でき、足の裏全体を伸ばして柔軟性アップが可能です。フットプレート表面のイボイボで運動しながら足の裏も刺激でき、コンパクトで気軽にながら運動できるのも魅力でしょう。
口コミ
足の不自由な母に贈りました。毎日コツコツと使い続けてくれています。少しでも効果があれば良いと思っています。引用:Amazon
室内で適当な時間に運動できるのでとても良いです。長く続けたい。引用:Amazon
自宅で好きな時間に運動できるのが口コミで人気で「高齢の親が毎日使い続けられる」という声も見られました。継続しやすいのがポイントで、プレゼントとしての人気も高い商品です。
足を鍛える器具③TOKAIZ フィットネスバイク ミニ
乗るだけで勝手に動き、運動不足解消に効果的なフィットネスバイクです。座ったまま楽な姿勢で気軽に全身運動ができるのが魅力で、膝に負担がかからず高齢者の足腰に優しくなっています。
3パターンのオートモードを搭載し、速度は5段階まで調節可能です。コンパクトで場所を取らず、持ち運びしやすいハンドルが付いています。静音設計で夜中やマンションでも周囲を気にせず使え、消費カロリーや運動時間の確認ができるため目標達成に便利です。
口コミ
車いすで、関節が固まってきてしまっている母にリハビリ用で購入しました。自分で動かすには疲れてしまったり飽きてしまい続きませんが、これはながら使用ができるので、よく使っているようです。また、訪問リハビリの方にも「これはいいですね!」と絶賛されたそうです。引用:Amazon
重量もあり他社の足漕ぎでは本体が動いてしまうのにこれはとても安定してしっかりできています、駆動も滑ら他社の同種のものより半値でコストパフォーマンスがとてもよかった。高齢者や足の骨折のリハビリ(私の場合)にいつでも簡単にできておすすめです。引用:Amazon
お値打ち価格!面倒な人でも足を乗せるだけで良いので毎日続けられて凄い良いです!お勧めします。引用:Amazon
口コミでは「いつでも気軽にできる」「安定感があって使いやすい」と好評で、ながら運動で面倒臭がりな方でも続けやすいという声も多くありました。コスパの良さも人気のポイントで、まず試してみたいという方にもおすすめです。
高齢者が足を鍛えるための器具を使わない運動も紹介
器具を使わない簡単な運動でも、足腰を鍛えることができます。器具でのトレーニングに加え、日々ちょっとした時間に行えば、より足の筋力アップが期待できるでしょう。ここでは高齢者でも無理なくできる、足を鍛えるための器具を使わない運動をご紹介します。
内ももを鍛えるトレーニング
内ももの筋肉が衰えると膝の皿が不安定になり、慢性膝痛や慢性腰痛の原因となります。歩幅が狭くなって、若い世代の人と一緒に歩いていてついていけないようになったら、内ももが弱くなっている可能性があるので注意が必要です。
こちらのトレーニングはクッションなどを膝に挟むだけと簡単な運動で、膝痛があり歩行能力が低下しかけている時にも効果的です。
- 膝を正面に向け、まっすぐ立った姿勢にして足を開きます。
- 膝頭あたりで硬めの枕やクッション、2つ折りにした座布団などを挟みます。
- そのまま内ももにギューッと力を入れて3秒キープします。これを3~5回繰り返します。
大腿四頭筋を鍛えるトレーニング
大腿四頭筋は歩行に重要な筋肉で、太ももの全面を包む4つの筋肉から構成され、歩行時や階段を上る時に膝折れを防ぎ、体を上に押し上げる働きがあります。この筋肉が弱くなると膝の屈伸力が低下し慢性膝痛・慢性腰痛の原因となったり、血流の悪化や冷え性、むくみを引き起こします。
- 背筋を伸ばし、椅子に浅く座ります。
- 膝を片方ずつ、ゆっくりと上げます。
- その後1秒キープし、ゆっくりと下ろします。
太もも全体を鍛えるトレーニング
階段や坂道を上る動作で、身体能力の低下を感じることもあるでしょう。太もも全体を鍛えるとスタミナアップ効果が期待でき、歩行力のアップも期待できます。
- 座面に背を向けて椅子の前に立ち、脚を肩幅に開きます。
- 両手を前方に伸ばして重ね、肩の高さまで上げます。
- 膝がつま先より前に出すぎないよう注意し、息を吸いながら、座面にお尻が少し触れるところまで股関節と膝を曲げ腰を落とします。
- 息を吐きながらゆっくり膝を伸ばし、立ち上がります。
- 1~4の動作を5~10回、2~3セット行います。きつい場合には、はじめは膝の角度を浅くし、慣れたら深くしていきましょう。
高齢者は足の筋力を鍛えることで様々なリスクを回避できる
今回は、高齢者が足を鍛えるためにおすすめの器具をご紹介しました。自宅で使える器具であれば、いつでも好きな時に運動することができます。
高齢者でも気軽に、かつ安全に使える器具は多く、座ったまま足腰を鍛えられるものもあります。足の筋肉は、年齢を重ねても日々使うことで筋力アップが期待でき、転倒やむくみ、認知症など様々なリスクの回避にも効果的です。
運動不足や足腰の衰えが気になっている方は、ぜひ今回の記事も参考に、自宅で使える器具や簡単な運動で脚の筋力を鍛えましょう。