日本国内は高齢化社会が以前から叫ばれており、介護業界の需要もそれに比例して高まっています。需要の高さは現在も相変わらずですが、その仕事内容についてはいつも大変であるというイメージが付きがちです。なぜ介護の仕事は大変といわれているのか、そのリアルな現場について調査しました。

目次

介護の仕事が大変と言われるのはなぜ?

医療技術の進歩などに伴い、日本の高齢化は以前から進んでいるとともに、問題視もされています。そんな高齢化社会を支える需要の高い業界といえば、介護の仕事です。しかし、どうにも大変、と言われており、そういったイメージも付きがちです。

理由①職場の人間関係が大変だから

その理由の1つ目が、職場の人間関係の大変さです。実際の介護の仕事というのは、チームで進めていく事がほとんどです。働いているのも相手にしているも全員人間ですから、中々思うようにいかない場面も多い事でしょう。

これは実際の現場に就いている介護スタッフだけではなく、リハビリスタッフ、看護師、ケアマネジャーなど様々な立場の人が関わっていますので、それぞれとの連携も一筋縄でいくものではなく、離職率の高さの原因にもなっているほどです。

理由②体力的にきつい業務が多いから

2つ目は、体力的な厳しさがある業務です。介護職というのは、思っている以上に力仕事となる場面が多い職業であり、特に介護度合いの高い利用者のケアに当たる場合には、抱き上げたりといった事をはじめとして身体的負担が大きくなるのです。

加えて、後に紹介する私生活との両立のしにくさにもつながってきますが、昼夜問わず職務に当たらなければならない事も関係しています。24時間ケアが必要ですので、日勤の日もあれば夜勤の日もあるなど、リズムを崩されるのも体力的に厳しいでしょう。

理由③仕事内容がハードだから

単に体力的な厳しさを覚えるだけではなく、仕事の内容そのものがハードである事も挙げられます。以前から叫ばれている事ですが、介護業界は慢性的に人手不足です。人材が十分に確保できていないとなると、当然今従事している方一人一人への負担が高くなります

1人当たりの業務が多ければ、それだけ体力を消耗しますし、人手の無さから有給休暇の取得に関しても消極的になりやすいのです。その結果、中々休めない仕事という現状が問題視されるという訳です。

理由④私生活との両立がしにくい仕事だから

もう1つ、私生活との両立がしにくい事も挙げられます。これは特に女性にとって多い理由となっており、人手不足ゆえに仕事に縛られる時間が多く、結婚や出産を理由に離職する方は、全体の離職者の2割を占めているようです。

介護職というのは、20代から60代に至るまで、幅広い年齢層の方が従事する事の出来る職業であり、それは年齢を重ねても継続して従事できることの裏返しです。現在では、男女共に私生活と仕事との両立が出来る環境かどうかが課題になっているのです。

介護職は大変と聞くけど…実際にはどんな仕事をするの?

大変といわれている介護職の、主な理由についてそれぞれ簡単にではありますが解説してきました。実際に就いたことが無いとどれほど大変なのかもイメージしにくいでしょうから、続いては実際の介護職の主な仕事内容をご紹介します。

仕事内容①食事介助

まず1つ目は、食事介助になります。読んで字のごとく、利用者の食事を助ける事であり、一人で食事をする事が難しい人のサポートを行います。

利用者それぞれで、健康状態や年齢も分かれていますから、咀嚼力が低下していっている事もあります。その為、利用者ごとに合わせた食事が用意され、のどに詰まらないかといった点にも注意しなければなりません。

仕事内容②移動介助

2つ目は、移動、移乗解除になります。移乗というのは、車いすや椅子からベッドに移るといったように、一人で移動するのが困難な方をサポートし、移動介助は歩行や階段を登る、車いすの自走が難しい方の介助をします。できるだけ本人の能力を活かすため、サポートに徹します。

仕事内容③入浴介助

3つ目は、入浴介助です。利用者の衣服の着脱から始まり、全身を洗うといった事を行います。入浴する前の体調の確認であったり、浴室内の温度管理、転倒防止といった様々な点に気を配らなければならず、体を洗って清潔にするほか、温める事で筋肉をほぐすなどといった目的もあります。

仕事内容④排泄介助

1人で排泄をする事が難しい利用者に対しても、必要な支援が行われます。当たり前ではありますが、人によってタイミングも異なっていますから、常に気を配らなければなりませんし、特にデリケートな介助になりますので、相手との信頼が重要です。

仕事内容⑤生活援助

生活援助では、調理、掃除、買い出し、洗濯など、所謂利用者の身の回りの世話、生活の手伝いを行います。ここでも利用者の事を考え、健康を意識した食事の提供、危険を排除した環境づくりなど、配慮すべき点は多岐にわたります。

介護職に向いているのはどんな人?

利用者に対して様々な介助を行う介護職。どの介助であっても気を配らなければならない事ばかりですから、想像してみれば大変さは分かるかもしれません。そんな介護職には、どんな人が就くのが向いているのでしょうか?

介護職に向いている人①人と接することが好きな人

まず、人と接するのが好きな人が挙げられます。人と接するのが好きという事は、他人とコミュニケーションを取るのが得意という事になります。介護の現場では、常に利用者との対話が求められます。

それだけではなく、介護プランを立てるケアマネジャーや施設外の方など、関わりを持つ人は多いものです。思いやりを持って接する事が重要な介護の場において、コミュニケーション能力は必要不可欠なのです。

介護職に向いている人②体力・精神力に自信がある人

次に、体力的に自信のある人、また精神的にもタフな方が向いていると言えます。大変さの理由の中でも挙げた通り、肉体的なきつさはどの介護職にもありますし、また人間関係など精神的に疲弊する面もあります。

体が資本とも言える職業でありますから、健康や体力に自信のある方はまず向いています。また、施設によってはターミナルケアなどを行っていたりもしますので、ストレスを上手く発散できる方も良いでしょう。

介護職に向いている人③祝日や夜間の勤務に抵抗がない人

また、祝日や夜勤の勤務といった働き方に抵抗のない人も、同じく向いています。通常の正社員のように、平日の日勤で土日祝日が必ず休み、という形ではなく、祝日にも普通に出勤したりといった事があり得ます。

また、24時間ケアを行わなければならない関係上、日勤だけではなく夜勤もあり得ますので、生活リズムが崩れやすいです。そうした働き方を抵抗なく受け入れられれば、長く続けられるでしょう。

大変なだけじゃない!介護職のやりがいとは?

大変さは間違いなくある介護職ではありますが、高齢者の増加による人手不足などマイナスな面が目立っているだけで、決して大変さしか感じない職業という訳ではありません。最後に、介護職にしかないやりがいをご紹介しましょう。

介護職のやりがい①学びがある

1つ目は、知識を得られる場である事です。介護職に就くためには介護士などの資格を取得しなければならないなど、知識が必要な仕事でもあります。利用者一人一人にも最適な介護の仕方があり、常に知識のアップデートというものが求められます。

また、単に仕事のレベルを上げるというだけではなく、長く生きてきた高齢者の方々の人生経験も聞けます。加えて、人の最期に立ち会う事もありますので、人生観についても学べることはとても多いと言えるでしょう。

介護職のやりがい②困っている人の役に立てる

2つ目に、困っている人の役に立てることが挙げられます。介護というのは、常に人を助ける仕事でもあります。利用者は生活することそのものにも助けが必要なのですから、日常生活に必要なサポートを行えば役に立っているという事は間違いなく実感できます。

そんな日々の関わりを通じて、利用者の変化というものも感じ取れます。介護の甲斐あって自分一人で出来る事が多くなれば、回復するための手伝いが出来たという証拠になるので、これもまたやりがいの1つとなります。

介護職のやりがい③利用者に感謝してもらえる

最大のやりがいといってもいいのが、利用者からの感謝の言葉でしょう。利用者の生活における助けが必要な部分をサポートするので、適した介助が出来れば利用者、またはその家族からの感謝を直接口にしてもらえます。これが仕事の原動力になる、という方も少なくないでしょう。

介護職は大変だけどやりがいのある仕事!

人手不足が叫ばれて久しい介護職は、いまだに大変な仕事である事に変わりはありません。しかし、社会にとって必要不可欠な仕事なのもまた事実で、やりがいもあります。目指している方、また従事されている方は、ぜひ自信をもって働いてください。

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