肌のバリア機能は加齢に伴い低下し、皮膚も薄くなってくるため、高齢者の肌は乾燥しやすく、乾燥によってかゆみも生じやすくなります。そのため、高齢者がボディソープを選ぶ際は、なるべく洗浄力が抑えられており、低刺激性のものを選ぶ必要があります。
今回は、高齢者向けのボディソープを選ぶポイントや、使用する際の注意点などについてご紹介させていただきます。
高齢者向けボディソープを選ぶおすすめのポイント
洗浄成分で選ぶ
肌の状態は年齢とともに変化しますが、汗や皮脂の分泌は加齢とともに減少するため、肌のバリア機能が低下し、乾燥しやすくなります。肌の乾燥は、かゆみを生じやすくなったり、細菌やカビによる感染症のリスクが高くなったりするなど、さまざまな二次的トラブルを引き起こす原因となります。
洗浄力が強いボディソープは、汚れだけでなく、肌のバリア機能に必要な皮脂までも洗い流してしまい、肌の乾燥を助長させる原因となります。もともと肌が弱い体質という方は、特に注意が必要です。
ボディソープを選ぶ際は、「弱酸性」・「低刺激」と表示されているものを選ぶようにしましょう。肌と同じ「弱酸性」のボディソープは、洗浄力がマイルドで、洗いすぎを防ぐことができます。 もともと敏感肌の方は、洗浄成分が「アミノ酸系」や「両性界面活性剤系」のボディソープを選ぶと良いでしょう。
- ココイルグルタミン酸Na
- ココイルメチルタウリンNa
- ココイルグリシンK
- ラウロイルメチルアラニンNa
両性界面活性剤系の成分には、
- ココアンホ酢酸Na
- コカミドプロピルベタイン
などがあります。アミノ酸系の場合は、「ココイル○○」「ラウロイル○○」といった成分が見分け方のポイントです。
ただ、高齢者の肌は乾燥しやすいとはいえ、汚れの落ちが気になる方や、もう少しすっきりした洗い上がりが良いという方もいるかもしれません。
そのような場合は、石けん系の洗浄成分が配合されているものを選ぶと良いでしょう。 石鹸系の成分には、以下のようなものがあります。
- カリ石ケン素地
- ラウリン酸
- パルミチン酸など
上記の成分は、洗浄力が比較的強く泡切れも良いため、さっぱりとした使い心地ですが、成分自体は低刺激性のため、肌に優しく、敏感肌の方でも安心して使用することができます。
保湿成分が含まれているものを
健康な肌は、水分を抱えて保持する、アミノ酸などの「天然保湿因子」と、角質細胞同士の間にあり、水分を挟み込んで細胞のうるおいを保つ、セラミドなどの「角質細胞間脂質」、そして皮膚の表面を覆い、水分の蒸発を防ぐ「皮脂」の3つの保湿因子によって保たれています。この保湿因子のバランスが崩れると、肌のバリア機能が弱まり、微生物やアレルゲンなどの異物が侵入しやすくなったり、外部からの刺激に弱くなったりします。
高齢者は、加齢により皮脂の分泌量が低下し、角質細胞間脂質や天然保湿因子の減少により水分保持能が低下しているため、肌が乾燥しやすくなっています。そのため、ボディソープは、保湿成分が配合されているものを選ぶようにしましょう。保湿成分が配合されていることにより、身体を洗う際の肌への負担を軽減することができます。 保湿成分には、セラミドやコラーゲン、ヒアルロン酸、スクワラン、乳酸Na、○○油といった表記のものなどがあります。さまざまな種類があるため、製品をしっかりチェックしてみるようにしましょう。
形状で選ぶ
ボディソープには、液体タイプ、泡タイプ、固形タイプの大きく3種があります。
身体を洗う際、摩擦による刺激を抑えるためには、ボディソープをしっかり泡立ててから使う必要がありますが、泡立てる手間を省きたいという方や、片手した使えない方などは、泡タイプのボディソープを選ぶのがおすすめです。泡で出てくれば、摩擦が起きやすいボディタオルを使用せずに、そのまま手で洗うこともできます。 ただ、液体タイプの場合は、2、3回程度のプッシュだけで泡立てることができ、泡タイプよりも価格が抑えられているなど、コスパが高く、固形は、高い洗浄力がありながら低刺激で、無添加のものが多いというように、それぞれ良さがありますから、その時によって使い分けて使用するのもおすすめです。
低刺激のものを選ぶ
合成界面活性剤やパラベンなどの防腐剤、品質安定剤、着色料などの添加物は、肌への刺激となりやすく、アレルギーを起こしやすい成分のため、刺激成分が少ないものを選ぶようにしましょう。
特に敏感肌の方は、自分がどの成分に反応してしまうのか把握しておくと、ボディソープを選びやすくなります。
また、殺菌成分配合のボディソープやスクラブ入りのボディソープも、肌への刺激が強いため、高齢者にはおすすめできません。
高齢者向けボディソープおすすめ9選
おすすめ①
アラ!弱酸性ボディソープ1L(詰替用)
価格 | 1,100円 |
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容器 | 1,000mL |
形状 | 液体 |
成分 | 水、ラウレス硫酸Na、ラウラミドプロピルベタイン、ラウレス-4カルボン酸Na、スルホコハク酸(C12-14)パレス-2Na、デシルグルコシド、ジステアリン酸PEG-190、コカミドプロピルベタイン、グリセリン、ペンテト酸5Na、グリチルリチン酸2K、カワラヨモギ花エキス、シソ葉エキス、ドクダミエキス、ビワ葉エキス、DPG、塩化Na、フェノキシエタノール、BG、クエン酸、香料 |
肌と同じ弱酸性で、きめ細かな泡が肌をやさしく洗い上げます。グリチルリチン酸2Kやビワ葉エキス、ドクダミエキスなど植物由来の保湿成分が肌の乾燥を抑え、余分な皮脂や汚れだけを落とします。加齢により肌機能が低下した肌や、赤ちゃんの肌、敏感肌、環境等の影響でバリア機能が低下した肌にもおすすめです。
おすすめ②
ピジョン ハビナース ボディソープ4L
価格 | 4,950円 |
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容器 | 4L |
形状 | 液体 |
成分 | 水、カリ石ケン素地、グリセリン、ココアンホジ酢酸2Na、ジステアリン酸グリコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヨモギエキス、EDTA-4Na、香料 |
ハーブエキス(保湿成分)配合により、穏やかな洗浄力で、肌を過剰に洗わないようにします。泡立ちがよく、すすぎも早くできるため、楽に身体が洗えます。小分け用ノズルが付いているため、ボトルへの詰め替えもしやすくなっています。気分転換にも良いグリーンフローラルの香り。
おすすめ③
シャボン玉石けん 無添加ボディソープたっぷり泡ボトル 570mL
価格 | 1,045円 |
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容器 | 570mL |
形状 | 泡 |
成分 | 水、カリ石ケン素地 |
香料・着色料・酸化防止剤・合成界面活性剤無添加の泡で出てくるボディソープです。カリ石ケン素地の原料には、低刺激・低アレルギー性のグレープシードオイルを使用。乾燥を防ぎながら肌を清潔な状態にします。適度な洗浄力(石けん成分)と、泡立て不要のモコモコな泡が、洗う際の皮脂の取りすぎや摩擦を防いでくれます。
おすすめ④
シャボン玉石けん シャボン玉浴用バスサイズ 155g
価格 | 198円 |
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容器 | 155g |
形状 | 固形 |
成分 | 石ケン素地 |
香料、着色料、エデト酸塩(EDTA-4Na)などの酸化防止剤、合成界面活性剤を使用していない、無添加の固形石けんです。浴用石けんのお徳用バスサイズとなっています。「ケン化法」という昔ながらの釜炊き製法により、天然の保湿成分が残っているため、洗いあがりもつっぱらず、しっとりします。
おすすめ⑤
ソフティ 泡のヘッド&ボディシャンプー 2L 業務用
価格 | 1,583円 |
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容器 | 2L |
形状 | 泡 |
成分 | 水、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸Na、ラウレス-21、エタノール、ステアレス-6、ラウリルヒドロキシスルタイン、リンゴ酸、イソデシルグリセリルエーテル、PPG-7、水酸化K、コカミドメチルMEA、ジグリセリン、ラウレス-3、ラウリン酸、PPG-9ジグリセリル、グリチルリチン酸2K、ポリクオタニウム-10、EDTA-3Na、ヒマワリ種子油、水酸化Na、BG、ユーカリ葉エキス、カミツレ花エキス、安息香酸Na、香料 |
身体だけでなく頭にも使用できる、泡タイプのヘッド&ボディシャンプーです。髪や肌と同じ弱酸性で、肌にやさしく、余分な汚れはしっかり落とします。泡も流れやすいためすすぎも楽にできます。植物由来の保湿成分配合で、しっとりな洗い上がりに。グリーンフローラルの香り。
おすすめ⑥
牛乳石鹸共進社 カウブランド ツナグケア 顔も洗えるボディソープ
価格 | 1,320円 |
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容器 | 2,000mL |
形状 | 液体 |
成分 | 水、ミリスチン酸K、ラウリン酸K、パルミチン酸K、塩化K、コカミドMEA、ジステアリン酸グリコール、パルミチン酸、スクワラン、セラミドNG、ヒアルロン酸Na、香料、グリセリン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウレス硫酸Na、PEG-75、PEG-9M、EDTA-2Na、EDTA-3Na |
介護スタッフの声から生まれた、顔も洗えるボディソープです。泡立ち・泡切れが良いなどの「作業性」、洗い場のすべりリスクを軽減した「安全性」、不快集をキャッチするニオイケア香料を配合した「快適性」を実現しました。綿タオルでも素早く泡立てることができ、高保湿・バリア成分である「ヒト型セラミド2」や「植物性スクワラン」、うるおい持続成分である「浸透型ヒアルロン酸」が配合されています。無着色、パラベン不使用。
おすすめ⑦
ミノン ミノン全身シャンプー 泡タイプ
価格 | 1,592円 |
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容器 | 500mL |
形状 | 泡 |
成分 | 〈有効成分〉 アラントイン、グリチルリチン酸2K 〈その他の成分〉 DPG、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸TEA液、濃グリセリン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン液、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸K、クエン酸、安息香酸Na、パラベン、水酸化K |
植物系アミノ酸系洗浄成分配合の泡タイプのハンドソープです。アレルギーの原因物質は極力カットした、無着色・無香料。弱酸性で低刺激のため、赤ちゃんからお年寄りまで、肌に負担をかけずにやさしく洗いあげます。肌荒れを防ぐ2種類の有効成分(アラントイン、グリチルリチン酸2K)を配合。
おすすめ⑧
バスクリン 薬用ソフレ 乾燥肌ケアボディソープ
価格 | 1,097円 |
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容器 | 550mL |
形状 | 液体 |
成分 | 〈有効成分〉 グリチルリチン酸2K 〈その他成分〉 K石けん素地、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、PG、ジステアリン酸グリコール、甘草抽出末、コメヌカ油(リッチオリザ)、ホホバ油、水添ホホバ油、アボカド油、茶エキス-1、ラウロイルアスパラギン酸Na液、グリコシルトレハロース・水添デンプン分解物混合溶液、香料、粘度調整剤 |
肌のトラブルを予防する有効成分「グリチルリチン酸2K」と、保湿成分の米ぬかオイル、ホホバクリーム(水添ホホバ油)、アボカドオイル、べにふうき茶エキスが、肌の乾燥を防ぐ、薬用ボディソープです。加齢による肌荒れにもおすすめ。植物性アミノ酸系洗浄成分で、しっとりした洗い上がりですがヌルつき感が気になりません。
おすすめ⑨
arau アラウ. 泡ボディソープ
価格 | 770円 |
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容器 | 550mL |
形状 | 液体 |
成分 | 水、カリ石ケン素地、グリセリン、クエン酸、ラベンダー油、ビターオレンジ油、ローズマリー油、オレンジ油、シソ葉エキス、ローズマリーエキス、BG |
100%植物原料で、合成界面活性剤、合成香料、着色料、保存料は一切無添加のせっけん泡ボディソープです。赤ちゃんでも使用できる低刺激性で、濃密泡が身体をやさしく洗い上げます。さっとすすげてぬるつきが気になりません。ラベンダー油やビターオレンジ油など、天然ハーブ100%の香りで気分もリラックスできます。
高齢者がボディソープを使用する際の注意点
しっかり泡立ててから使用する
ボディソープは、十分に泡立ててから使用するようにしましょう。高齢者は、皮膚が乾燥するだけでなく、それに衣服の摩擦や皮膚を掻く掻破行動などによってかゆみが生じるようになります。
泡立てが不十分だと、摩擦が生じやすくなり、肌に負担がかかりやすくなるため、バリア機能もますます低下し、悪循環となります。
皮膚の汚れは肌への刺激となるため、きちんと落とすことが大切ですが、身体はゴシゴシ洗うのではなく、泡でなでるようにやさしく汚れを落としくのがポイントです。
汚れを落としながらも、肌への負担を抑えるためには、しっかり泡立ててから身体を洗うようにしましょう。
ボディタオルはやさしい素材のものを
ボディタオルにはさまざまな種類がありますが、肌に優しい綿のタオルなど、柔らかい素材でアレルギー反応を起こしにくいものを使用するようにしましょう。
高齢者に多い皮膚トラブルの一つに、「老人性乾皮症」があります。これは、「老人性乾皮症」は、加齢により皮脂などの分泌量が低下することによる肌の「乾燥」と、加齢により細胞分裂が低下することによる表皮の「ターンオーバー(皮膚の生まれ変わり)の遅れ」が重なって引き起こされるもので、かゆみだけでなく、フケのようなものが落ちたりひび割れしたりするなど、さまざまな症状がみられるようになります。
かゆみが我慢できず、ストレスがたまったり、眠りが浅くなったり、皮脂欠乏性湿疹に悪化したりと、悪循環に陥り、高齢者には辛い皮膚の病気です。
皮膚の落屑が気になったり、ターンオーバーが遅れることで皮膚が分厚くなってきたりすると、ナイロン製のアカスリタオルなどを使用する方もいるかもしれませんが、ナイロンタオルやアカスリタオルなどで強くこするのは必要以上に皮脂を落とすことになり、肌の乾燥を余計に悪化させてしまうため、絶対に使用しないようにしましょう。
お湯の温度にも注意
お湯の温度が高すぎると、かゆみが増したり大切な皮脂を落としすぎたりしてしまうため、38~40℃くらいに設定して身体を洗うようにしましょう。
また、長時間の入浴もかゆみを助長させる原因となります。注意するようにしましょう。
まとめ
今回は、高齢者向けのボディソープを選ぶポイントや、使用する際の注意点などについてご紹介させていただきました。
高齢者は、加齢によりさまざまな身体機能の低下がみられるようになりますが、皮膚の乾燥もそのうちの一つです。乾燥が重症化すると、皮膚の病気を引き起こしてしまう可能性もあります。
加齢による乾燥は避けられないものだからこそ、肌の状態を維持していくための早めの予防や、こまめなケアといった対策が必要となります。
身体を洗うという行為は、肌に負担がかかりやすい行為です。 まずは、肌に優しいボディソープ選びから始めてみてはいかがでしょうか。