食事が楽しみの一つである高齢者は、自分の「食べこぼし」に〝苛立ち〟や〝羞恥心〟などを抱いてしまうと、食が細くなってしまう可能性があります。「食べこぼし」は、衣服交換や洗濯や掃除など、介護者側にも、負担が掛かるため、「食べたいけど、食べたくない…」と思っている方も多いのではないでしょうか。

高齢者は、老化によって、口元や舌の機能が低下しているため、病気や後遺症、認知症などの発症をきっかけに、「食べこぼし」をしやすくなります。

そこで、今回は、高齢者が、衣服やテーブルの汚れを気にせずに食事を楽しむための、食事用エプロンについてご紹介したいと思います。

目次

介護で使う食事用エプロンの種類

介護で使う食事用エプロンには、大きく分けて、「繰り返し利用できるタイプ」と、「使い捨てタイプ」の2種類があります。

どちらのタイプも撥水性があり、食事中、エプロンが濡れたり汚れたりしても、衣服に染み込まないようになっています。

「繰り返し利用できるタイプ」の食事用エプロンは、洗濯機でまるごと洗えるようになっているため、何度でも使用することができます。素材が丈夫で、丈の長さや形状、ポケットの有無、デザインなど、種類も豊富にあり、用途や本人の体格(首回りや肩幅等)、好み等に合わせて選ぶことができます。

例えば、食べこぼしの量が多かったり、範囲が広かったりする場合は、エプロンの裾をランチョンマットのようにテーブルに敷くことができる、丈が長いものや、ポケット付きのもの、肩回りを広範囲で覆ってくれる幅が広めのもの、袖付きのものなどを選ぶことができます。

また、柄や色も様々あり、エプロンをして食事をすることに抵抗がある方でも使いしやすいよう、襟がついていて衣服に馴染みやすくなっている、おしゃれなデザインのものもあります。介護用エプロンは、色違いを揃えて使い分けするのも良いでしょう。

一方、「使い捨てタイプ」の食事用エプロンは、ビニール製のものが主流で、デザインもシンプルなものがほとんどです。柄物や色付きのエプロンを使用することに抵抗があるという方は、透明のビニール製のものなどシンプルなデザインの方が、かえって使いやすいという場合もあります。

使い捨てタイプは、毎回新しいものを使用するため、衛生的であることや、使用後はそのままごみ箱に捨てられるため、洗濯する手間を省くことができるのが大きな利点です。持ち運びもしやすく、外出時や、短期入院、短期入所する際にも便利です。

ただし、「繰り返し利用できるタイプ」・「使い捨てタイプ」にもそれぞれデメリットがあります。

「繰り返し利用できるタイプ」は、洗濯する手間がかかったり、食べこぼしの汚れやニオイが洗っても完全に落とすことができなかったりする場合があります。繰り返し使っているうちに、汚れが増えてきたり、色褪せてきたりなど、だんだん劣化していきます。 「使い捨てタイプ」は、衛生面では優れていますが、使うたびにゴミが出てしまうというのが欠点です。

介護で使うおすすめの食事用エプロン6選

おすすめ① 竹虎 ソフラピレン® エプロンボーダーチェック

引用:amazon
価格 1,100 円
寸法 幅75× 長さ70cm(ヒモ部分除く)
素材 ポリエステル 100%

繰り返し利用できるタイプの食事用エプロンです。肩までカバーできる形状となっており、首廻りは面ファスナーで自由に調整することができます。着脱時も手間がかかりません。リーズナブルで、カラーも3 色あり、洗い替えが揃えやすくなっています。

おすすめ② フットマーク うきうきシャツエプロン

引用:amazon
価格 3,097円
寸法 フリーサイズ(幅44× 丈59 cm)
首周り35 ~ 47 cmまで対応
素材 ポリエステル 100% 超はっ水加工
テクノステープ : ポリエステル 72%、 ポリエチレン 28%

繰り返し利用できるタイプの食事用エプロンです。首元に襟が付いており、洋服のように着用することができるため、エプロンに抵抗がある方でも使用しやすくなっています。カラーも数種類あり、男性にも女性にも使いやすいデザインとなっています。
また、超はっ水加工で機能性にも優れています。

おすすめ③ エンゼル 食事用エプロン(ポケットオープンタイプ)

引用:amazon
価格 2,640円
寸法 ポケットタイプ時:幅60× 丈(首下)68cm
ロングタイプ時:幅60× 丈(首下)96.5 cm
首周り適応サイズ:35 ~ 55 cm
素材 ポリエステル 100% (ツイルアクリルコーティング)

繰り返し利用できるタイプの食事用エプロンです。食べこぼしをキャッチする面形成のポケットが、ワンタッチホックで開閉できるようになっています。ホックを外してロングタイプとして使うこともできるとともに、お手入れも簡単にできます。

おすすめ④ オオサキメディカル(株) 使い捨て食事用エプロンポケット付60枚入

引用:amazon
価格 1,121円
寸法 幅55cm × 丈60cm(首ひもを除く)
材質 ポリエチレン

使い捨てタイプの食事用エプロンです。ワイドポケットとサイドガード形状により、食事中の食べこぼしをしっかり防ぎます。 ポリエチレン製のため、こぼした液体が染みる心配もありません。エプロンの裾をトレーの下に敷くことで、ポケットが広がるため、より効果的に使用することができます。

おすすめ⑤ 幸和製作所 テイコブ使い捨てエプロン(50枚入)

引用:amazon
価格 1,078円
寸法 幅400× 長さ570mm 首周り650mm
材質 表生地 : 紙、 裏生地 : ポリエチレン

使い捨てタイプの食事用エプロンです。吸水、防水加工がされた紙製で、裾には大きなポケットが付いています。穴が開いている部分に頭を通すだけで簡単に着用でき、紙製のため、使用後は切込みからちぎって外し、そのままゴミ箱に捨てることができます。

おすすめ⑥ ファーストレイト PE 食事用エプロン グリーン50枚入

引用:amazon
価格 1,133円
寸法 幅約74× 長さ約83cm(ヒモ部分除く)
材質 ポリエチレン

使い捨てタイプの食事用エプロンです。幅が大きめで肩回りを覆うような形状になっていますが、エンボス加工をほどこしているため、衣類にまとわりにくく、食事中の汚れもしっかり防ぎます。首元にスリットがあり、飲食後はそのまま引っ張って容易に切り取ることができ、着脱も簡単です。

介護で使う食事用エプロンのメリット・デメリット

メリット

  • 撥水加工されているため、エプロンについた汚れがシミになるのを防ぐ。
  • 介護する側・される側ともにストレスや負担の軽減に繋がる。

食事用エプロンは、基本的に撥水機能があるため、衣服に汚れが付いてしまうのを防ぐだけでなく、エプロン自体にシミが付いてしまうのを予防します。

また、食べこぼしは、食事を摂っている本人にストレスがかかるとともに、服の着替えや、汚れた衣服・テーブルの片づけ、洗濯など、介護者にも負担がかかります。

食事用エプロンを使うことで、お互いにストレスなく食事の時間を楽しむことができます。

デメリット

  • 「福祉用具貸与」等の介護保険サービスの対象ではないため、全額自己負担で購入する必要がある。

介護保険を利用することができないため、介護用エプロンの購入は全額自己負担となります。商品にもよりますが、価格の相場は繰り返し使用できるタイプの方が高めですが、使い捨てタイプの方ではランニングコストがかかります。

ただし、自治体によっては、独自のサービスとして、介護用品購入費の助成を行っているところもあります。住まいのある市町村が独自に提供している介護サービスにはどのようなものがあるか、確認しておくことをおすすめします。

まとめ

今回は、介護で使う「食事用エプロン」についてご紹介させていただきました。

「食事用エプロン」といっても、高齢者向き(介護向き)ではない商品もたくさん売られています。エプロン使用の本来の目的は、食べこぼしや衣服の汚れを防ぐということなので、「介護用」や「大人用」と表記されているものを選ぶようにしましょう。

なるべく目立たないデザインのものを使用したいという方や、着用すること自体に抵抗がある方など、食事用エプロンに対する思いは人それぞれです。

「食事用エプロン」を選ぶ際、食べこぼしの状況や体格等に合ったものを選択する必要はありますが、本人の気持ちも汲み取れるよう配慮を怠らないように心がけましょう。

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