骨折やねん挫などで、足を上手く使う事が出来ない時に使われる松葉杖。年から足腰が弱くなってきたために、日常生活で使う事もあります。杖にも様々な種類があり、自分の体や状態にあったものを選ぶ必要があります。今回は、松葉杖の選び方、そしてお勧めのモデルをご紹介します。

目次

松葉杖の選び方のポイント

脚を骨折するなど、怪我をした時の補助に用いられる事が多い松葉杖。実はタイプや材質などが異なっていて、それぞれで扱い方も異なっています。まずは、松葉杖の選び方のポイントから解説していきましょう。

選び方①材質

1つ目は、松葉杖の材質です。大きく分けて、松葉杖に使われる素材には2つあり、1つはアルミです。アルミ製の松葉杖は、本体が軽量で使いやすいので、動くことが多い場合にはこちらが適しているといえます。

だた、夏は暑くなり、冬は冷たくなるので持った時に冷たく感じてしまいます。その点、もう1つの木製の松葉杖の場合には、温度変化に強いです。多少アルミ製のものよりも重量が重めになりますが、クッション性があり歩くときのバランスが取りやすいというメリットもあります。

選び方②タイプ

2つ目は、松葉杖のタイプになります。1つに松葉型と呼ばれるタイプのものがあり、松葉杖と言われて大抵の人が思い浮かべるのがこちらのタイプでしょう。両脇に挟んでグリップを握り、歩行の際の補助に用います。

足を骨折してしまったり、捻挫をした場合には一般的にこの松葉型の杖が広く使われています。2本1組で使う分歩行時のバランスもとりやすく、脇で支えて使う関係上下半身の怪我をしている部分への負担が軽減されます。

もう1つ、クラッチ型と呼ばれる松葉杖もあります。日本国内では松葉型の方が広く出回っていますが、欧米の医療現場においてはクラッチ型の方が使われており、ロフストランドクラッチや前腕支持型杖とも呼ばれます。

上部にカフがあり、そこに腕を入れてグリップを握る事で支えになります。本体が軽量で、1本のみの為に歩き回りやすいのが特徴で、筋力や握力が高くない人もしっかりと握って歩行の補助に使えます。

選び方③身長

3つ目は、本人の身長です。杖というのは、怪我をした時の歩行を補助したり、足腰への負担を減らすために使うものです。当然ながら、身長に対して杖が長すぎたり、短すぎたりすれば、松葉杖本来の補助の機能を果たせなくなります。

杖の長さには目安を計れる式があり「目安の長さ=身長÷2+2~3㎝」で求める事が出来ます。仮に身長が152㎝と仮定した場合には、式に当てはめると数値は78㎝から79㎝となり、このあたりの杖が身長に対して適しているという事になります。

ただし、これはあくまで目安の数値を計るための式に留まります。人によって腕や足の長さも異なりますので、実際に杖を持って歩いてみて、使いやすいと感じるものを見極めるのが、やはり一番判別しやすいです。

選び方④重量

もう1つ、杖の重量も大切です。材質の中でも述べた通り、軽さのみで見た場合にはアルミ製の松葉杖の方が勝っています。木製のものは重量は重くなりますが、その分安定感もありますので、軽ければ軽いほど良いとは一概には言えません。

また、重量と併せて耐荷重も確認しておいてほしいところです。自分の体重をすべて支える足の代わりになるわけですから、どれだけの重さに耐えられるのかも大切です。一般的には、杖が太くなれば、その分耐荷重性も高くなります。

ただし、耐荷重に比例して杖本体の重さも重くなり、扱いづらくなる傾向にもあります。耐荷重と松葉杖本体の重さのバランスを考慮し、自分が使って問題のないものを選ぶべきです。

松葉杖のおすすめ15選

以上、松葉杖の選び方について、それぞれ解説してきました。ここからは、本題となる松葉杖のおすすめモデルを、計15点ご紹介していきます。

おすすめ① サニー アルミ軽量松葉杖

まず1点目は、アルミニウム製の松葉型の杖になります。骨折など怪我をした際によく用いられるオーソドックスな松葉型で、グリップの部分を5段階、シャフトの部分を9段階で細かく調整する事が可能になっています。

適応している身長は、最低157㎝、最大178㎝と、段階的に調整が出来る分男女両方に使いやすい杖です。杖先の先端のゴムには溝が掘ってあり、実際に補助に使う際には滑りにくくなるように機能します。足、腕の長さに合わせ、細かく調整したい方向けです。

おすすめ② マキテック 松葉杖

2点目は、マキテックの松葉杖です。こちらも1点目と同様、怪我をした際に用いられるよく見られる松葉型の杖であり、アルミ製という事もあって本体1本ずつの重量は800gと、1点目にご紹介したモデルよりも100g以上軽量になっています。

こちらも杖本体の長さの調整が出来て、調整に関してはプッシュボタン式でやりやすく、2.5㎝間隔で合計9段階の高さ調整が行え、長さが110㎝から130㎝まで変化します。脇あて、グリップ、杖先のゴムはすべて交換パーツとして販売されており、長く使わなければならない場合にも定期交換が出来ます。

おすすめ③ 竹虎 タケトラクラッチ 松葉杖

3点目は、竹虎の松葉杖です。骨折やねん挫など、足の怪我をした時に負担を軽減できる松葉型で、手で握る部分の高さを調整でき、5段階で調節可能、更に杖本体の高さも、やりやすいプッシュボタンで9段階と細かく変えられるようになっています。

特徴として、横木カバーやグリップ部分のスポンジ、杖先に使われているゴムがラテックスフリーとなっていて、アレルギー体質で使う杖を選ぶ方にも安心して利用できます。杖先のゴムは直径4.3㎝と広めにとってあり、適度な硬さと広い接地面で安定して支えになってくれます。

おすすめ④ プロト・ワン 折りたたみ松葉杖

プロト・ワンの松葉杖は、折り畳みが可能な形式になっています。形状は一般的な松葉型とは多少異なっており、脇支えの部分の形状が筒状となっていてソフトであり、杖を使っていると負担のかかりやすい脇下を痛めにくくなっています。

非使用時には本体を簡単に半分にして折りたためますので、使わない時に置き場所を選びません。持ち手の部分は左右非対称になっていて、自然に握りやすいようやや下向きに設計されています。内部に弾力のあるバネが入っており、地面を突くときの衝撃を和らげ、前に進むときは体を押し出してくれます。

おすすめ⑤ マツヨシ 松葉杖 軽量アルミ製

5点目は、マツヨシの軽量アルミ製松葉杖です。広く用いられている松葉型、アルミを使った松葉杖であり、リーズナブルな価格で新登場しています。サイズはS、M、Lと3サイズ展開されていて、大人、女性、子供と年代を問うことなく使えます。

2本1組で3千円台と、謳っているだけあって他と比較してもリーズナブルな価格である事が魅力的です。杖の調整はプッシュボタンによって簡単に行えるようになっており、足ゴムや脇あてなど、オプションとして交換用の部品もそろえられています。

おすすめ⑥ プロト・ワン OPOレギュラークラッチ

4点目と同じくプロト・ワンからご紹介するのが、POPレギュラークラッチです。欧米の医療現場においては使われる機会の多いクラッチ杖型のものであり、松葉型とは異なり1本のみで足の支え、怪我をしている方の補助として用います。

本体重量は500gと軽量でありながら、耐荷重は130㎏と心配無用なレベルとなっていて、耐久性能は非常に優れています。グリップが2㎝ごとの刻みで合計16段階もの微調整が可能であり、身長が135㎝から190㎝と幅広く対応できるのです。

おすすめ⑦ ケイ・ホスピア 松葉杖

オーソドックスな2本組のアルミ製松葉杖です。サイズはS、M、Lと3サイズ展開されており、身長に合わせてチョイスが出来ます。グリップの位置、杖の長さの調整機能も、勿論備わっています。

脇あて、グリップ部分にウレタンを用いており、実際に杖として使う時に負担を軽減してくれます。アルミ製で軽量、使いやすいモデルですので、初めて松葉杖を使う事になる初心者の方にもお勧めできます。

おすすめ⑧ 安住商事 ロフストランドクラッチ杖

片方のみで足を支える、ロフストランドクラッチ型の杖になります。腕を入れるカフ、そして手で持つグリップが一体成型であり、杖の長さは1.5㎝刻み、合計で10段階の調整が出来、自身の身長など体に細かく合わせられます。

松葉型のように2本構成ではない分、グリップとカフの2点で体重を分散して支える仕組みとなっており、扱い方に慣れれば手も痛くなりにくく、歩きやすくなります。先端はゴムグリップで、歩行も安定させられます。

おすすめ⑨ アズワン アルミ松葉杖

アルミ製、2本1組で足を支える、松葉型の杖です。基本的な使い方については松葉型の杖のもので間違いありませんが、本モデルは適応身長が137㎝から157㎝と小さめなので、お子さんが利用するのに向いています

地面に接する先端のゴムは直径4.4㎝と幅が広めに作られており、安定感を持って支えになります。高さは2.5㎝ずつの間隔で、グリップ部分は3.8㎝程度の間隔での調整を行え、星型ネジで高さの設定そのものもしやすいです。

おすすめ⑩ Auoeer 松葉杖

これまでの松葉型などとは形状が異なる、Auoeerの松葉杖になります。人間工学に基づいて設計された本製品は、脇あて部分から先端に至るまでカーブしたデザインが特徴的で、脇やグリップにはやわらかいEVA素材が用いられています。

組み立てを解除すればコンパクトになり、持ち運びも非常にしやすくなります。高さの調整は108㎝から138㎝まで変える事が出来、本体の耐荷重は100㎏と特徴的なデザインからは想像しにくい丈夫さになっています。

おすすめ⑪ 日進医療器 松葉杖

日進医療機器の松葉杖は、グリップの位置をワンタッチで簡単に設定できる松葉型の杖になります。グリップ左右にあるレバーを広げて高さを合わせ、回して固定するだけです。長さに関しても、プッシュボタン1つで行えます。

地面に接する杖先には、特殊耐滑性ゴムが用いられています。これは、雨などで路面で使っても滑りにくい性質があり、通学などで雨天時の使用が心配な方でも安心して使える杖です。

おすすめ⑫ 松永製作所 松葉杖

黒いカラーリングが特徴的な、松永製作所の松葉杖です。回転式のスナップピン「e-Pin」を採用しており、パイプの穴を合わせてピンを挿入し、回転させて簡単に高さの調節が行えるのです。サイズはSサイズ、Mサイズ、Lサイズと3つ展開されており、様々な身長の方に対応できます。

おすすめ⑬ 松吉医科器械 松葉杖

素材にアルミニウムを使用した、軽量でオーソドックスなアルミ製松葉型杖です。プッシュボタン式で、ボタンを押すだけで簡単に高さの調整が出来、1本につき800gを切る軽量さです。

SサイズからLサイズまで、合計3サイズ展開されており、また専用の交換用足ゴム、脇あて、グリップ、固定用ボルトもオプションとして揃っていますので、長く使う事が想定される場合にお勧めです。

おすすめ⑭ アビリティーズケアネット アルミ松葉杖

グリップ部分の位置を合わせるプルボタン式の高さ調節が出来る松葉杖になります。長さについては側面にあるプッシュボタンで変更する事が出来、アルミ製の本体の軽量さに加えて耐荷重は140㎏近くある頑丈さです。

その為、身長、体格などを問わず幅広く対応できる松葉杖となっています。別売りでクッションとグリップ、先端のゴムも用意されています。

おすすめ⑮ ファミカ コンパクトクラッチ杖

ラストの15点目は、ファミカのコンパクトクラッチ杖です。使用時には77㎝から95㎝まで全長を合計8段階で調整させられ、身長については150㎝から185㎝と、主に男性の方にお勧めできるクラッチ式杖です。

ワンタッチでコンパクトに折り畳みが可能になっており、完全に折りたたんだ時には57㎝まで縮小します。グリップ部分には先端に反射材も内蔵されており、屋外の歩行時の安全まで確保されています。

松葉杖の正しい使い方

快適に松葉杖を使うためにも、まずは自分の身長と体格に合わせて、杖本体の長さやグリップの位置の調節が必要です。グリップが、肘を軽く曲げた時につかめる位置まで調節しましょう。

実際に歩行する際には、脇を圧迫してしまわないように体重を杖側にしっかりと載せて歩きましょう。3点歩行、4点歩行とありますが、これに関しては病院で指導を受けて、適切な方法を実践してください。

松葉杖はレンタルも可能

怪我をした場合には必要な松葉杖ですが、いずれ怪我は治り、使わなくなる時も来ます。そういった事を考慮して、購入ではなく杖のレンタルという方法を取れます。怪我が完治した後は返却しますので、当然処分に困る事も無いです。

自分に合った松葉杖を探そう

松葉杖には、国内でよく見られる松葉型のものもあれば、欧米ではよく使われているクラッチ式の杖もあり、国内メーカーでも製造されています。松葉杖が必要になるほどの怪我はそこまで身近ではないものの、いざという時には必要になりますので、ぜひ自分の体に合う杖を使ってみてください。

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