自分の親は年老いていき、将来的に介護が必要となる時期が来ます。介護を放棄するわけにもいかず、自分ばかりが親の介護をしているという方もいるのではないでしょうか。介護は精神的にも肉体的にも負担が大きく、協力しあえるなら負担も少なくなりますが、一人で自分自身の生活に加え介護となると辛くなってしまうでしょう。この記事では、介護の負担軽減のための対処法を徹底的に解説していくので、参考にしてみてください!
介護でこんな状況に陥っていませんか?
親が物忘れをし始めるようになり、同じことを何回もしゃべったり、失禁をしたりして布団から立ち上がることもままならなくなっているといった場合もあるでしょう。介護が必要になりますが、近くに兄弟がいても「協力はできない」と言い張って自分だけが負担を背負うことになってしまいます。
また夫に少しでも手伝ってもらうことができれば負担も少なくなりますが、単身赴任で協力してもらえないとなると、自分だけが介護と子供の世話をするといった状況に陥ります。介護問題で困っているけれど誰にも相談できないといった場合もあるでしょう。
親の介護を私ばかりしてる時の対処法
自分ばかりが親の介護をしていることで、徐々に精神的にも肉体的にも限界がきてしまいます。孤独や不安感などに襲われないようにするためにも、今の現状を何とか回避することが大切です。親の介護を私ばかりしている時の対処法についてご紹介していきます。
親の介護を私ばかりしてる時の対処法①介護サービスを利用する
対象であれば介護保険を利用することができ、訪問介護やデイサービス、ショートステイのサービスを受けることが可能です。これらの介護保険サービスを利用することで、介護による負担を少なくすることができます。介護でつきっきりになるのは負担が大きいため、うまく利用すると休む時間を作ることが可能です。
日々の生活を送る上で必要とする介護の度合いを表したものが「要介護度」です。要支援1~2と要介護1~5、自立の8段階に分けられ、利用できるサービスが異なります。自立と判断されている場合は、介護保険サービスを利用することはできません。
親の介護を私ばかりしてる時の対処法②兄弟間で役割分担を決める
兄弟がいるのに自分だけが介護しているといった状況に陥っている方もいるでしょう。親が住んでいるところから近い場所の兄弟にどうしても負担がいきがちになります。
しかし、遠方に住んでいたとしても、些細なことでもできることもあるでしょう。遠方に住んでいても親であるわけですから、一人の兄弟に任せっきりはおかしな話です。兄弟間でしっかり役割分担を決めることが大切です。
親の介護を私ばかりしてる時の対処法③自治体の相談窓口で相談する
自治体の相談窓口で相談することも対処法の1つです。介護の件についての相談窓口があるので、悩みや不安を抱えている場合は相談してみることがおすすめです。それぞれの状況に応じたサービスを案内してくれたり、解決するための手助けをしてくれます。
親の介護を私ばかりしてる時の対処法④施設入居を検討する
全介助が必要だったり、認知症が進んで誰も見られない状況に陥ると一人で介護するのも限界がきてしまいます。そんな時は、施設入居を検討することも視野に入れておいた方が良いでしょう。
施設では24時間しっかりとしたサポートを受けることができるので安心です。ただし、状態によっては退去させられるかもしれないということも考えなければいけません。
親の介護を私ばかりしてる時の対処法⑤介護保険外サービスを利用する
介護保険外サービスを利用することも対処法として挙げられます。食事を届けてくれたり、自宅まで散髪に来てくれる訪問美容などがあり、すごく便利といったサービスがさまざまあります。介護保険サービスとは異なり、全額自己負担となってしまうため、いくらかかるのかは事前に確認しておくことが重要です。
一人っ子家庭の親の介護の不安と対処法
一人っ子の場合は兄弟がいないため、親の介護は全て自分にかかってきます。将来のことを考えて不安になっている方も多いかもしれません。一人っ子家庭の親の介護の不安と対処法についてご紹介していきます。
一人っ子が親の介護をするときの不安は大きい
一人っ子が親の介護をする時は、身体的にも精神的にも負担がかかってきます。在宅介護にするか施設に入居させるかをまずは決めていくことになりますが、どちらにしても施設やケアマネージャーとのやり取りなどを全て一人で行わなければいけません。
また、介護を行うと起床時に体を起こしてあげたり、着替えや排せつ、入浴、就寝時の寝がえりの介助などさまざまなことが全てのしかかってきます。そのため、身体的疲れから体調を悪くしてしまうことも多くあるのです。
介護による疲れがストレスとなったり、認知症であることによる暴言や暴力などが日常茶飯事に起こることでストレスが溜まってしまうことも多いです。自分の全ての時間が介護となり、ゆっくりしている時間はないといった孤独や不安感から、結果介護鬱となり仕事を辞めざるをえない状況に陥ることもあります。
さらに、介護サービスは利用できるものの、食事代やおむつ代などは全て自己負担となります。年金だけでおさまらず親の貯蓄を崩したり、親がお金を貯めていない場合は一人っ子が経済面も見ていかなければいけません。経済的負担も大きくなるため、不安が募るばかりなのです。
一人っ子家庭の親の介護の対処法①相談先を作っておく
一人っ子家庭の親の介護の場合は、相談先を作っておくことが大切です。今は介護もうまくやって問題はないと思っている方もいるかもしれませんが、後で困ったことが起きても相談先がないと誰にも頼ることができなくなってしまいます。
あらかじめ相談先を作っておくことで、不安や悩みも解消させることができるでしょう。相談先には、地域包括センターや自治体の介護相談窓口などがあるのでチェックしておいてください。
一人っ子家庭の親の介護の対処法②軽減制度を利用する
一人っ子で親の介護を担う場合、費用が足りなくなってしまう場合もあるでしょう。そういった場合には、介護費用について軽減制度を利用することができます。
また、施設に入居したいけれど所得が低いといった場合にも受けられる軽減制度があるので、それぞれの状況に応じて軽減制度があるかどうかを相談してみてください。
親の介護は拒否できない?
今まで大切に育ててきてくれた親だけれど、介護はしたくないと思っている方も多いかもしれません。できることなら介護から逃れたいと思うのではないでしょうか。親の介護は拒否できるのかできないのかを詳しく見ていきましょう。
子供は親を扶養する義務がある
子供は親を扶養する義務があると法律で定められています。そのため放棄することはできませんが、状況に応じては拒否することも可能です。
仕事をしながら介護となると、仕事が忙しくてできないのが現状ではないでしょうか。そういった場合は、介護サービスを利用してショートステイや訪問介護などをうまく使ってサポートしてもらうことで、扶養義務をしっかりと果たしているので安心です。
親の扶養義務の内容は?
親の扶養義務としては、経済的に資金を援助する生活扶助義務となります。子供側は自分たちの日常は今まで通り送れることを前提としており、余裕があればその範囲内で経済的に援助する義務です。経済的な援助が厳しい場合は、日常生活の面倒を見ることも義務として成り立っています。
介護施設への入所のメリット
自宅で介護することに限界を感じた場合、施設への入所を検討するのではないでしょうか。介護施設への入所の一番のメリットとしては、介護負担を軽減させることができる面です。在宅介護では身体的・精神的負担が大きくなります。
施設には専門のスタッフや医療スタッフが24時間しっかりサポートしてくれるため、施設入所により自分の生活も落ち着きを取り戻し、穏やかなものへと変わってくるでしょう。
また、認知症などにより危険なことや問題が起こる可能性があります。自宅だけではうまく見きれないこともあるのです。入所することで、お互いに安心安全な生活を送ることができるのもメリットだと言えます。
親の介護で悩みやストレスがあるなら相談してみよう
親の介護をしていることで、不安や悩みを抱えている方も多いでしょう。親である以上、動けなくなったからといって放棄するわけにはいきません。精神的・肉体的に追い詰められてしまうと、「周りが協力してくれない…どうして自分ばかりがこんな目に遭わないといけないの?」と思うこともあるはずです。
困ったことがあった場合のために、相談先を作っておくことが大切です。相談することで、それぞれの状況に応じたサービスを案内してくれたり、解決するためにサポートをしてくれます。
兄弟が協力的なら良いですが、自分一人での介護には限界があるので、自分自身が倒れてしまう前に施設へ入居することも視野に入れてみることをおすすめします。親の介護で悩みやストレスがあるなら、相談してみましょう!